MARKET マーケット情報


一般用医薬品の国内市場を総合分析
−2016年見込(2015年比)−
一般用医薬品の国内市場6,566億円(2.4%増)
鎮咳去痰剤(トローチ・のど飴タイプ)107億円(23.0%増)

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2016年3月から8月にかけて、一般用医薬品(市販薬・OTC) 17分野74薬効の市場を2回に分けて調査した。第2回目となる今回は感冒関連用薬、花粉症関連、生活習慣病関連、生活改善薬、胃腸・消化器官用薬、オーラルケア、感覚器官用薬、漢方薬の8分野38薬効の市場を調査し、第1回目の調査結果とともに一般用医薬品の国内市場を総合分析した。その結果を報告書「一般用医薬品データブック 2016 No.2」にまとめた。

6月に発表した第1回目の調査結果ではドリンク剤、疲労対策、女性関連、フットケア、美容関連、肩こり・関節痛関連、小児用薬、その他外用薬、環境衛生用薬の9分野36薬効について取り上げている。

一般用医薬品の2015年の市場はインバウンド需要を受けて好調だった。2016年に入りインバウンド需要はやや失速感がみられるものの、2015年に活気を取り戻した市場を持続的成長に導くために、国内需要の開拓をはじめ参入メーカーの積極的な取り組みが進められている。2017年にはセルフメディケーション税制が開始予定であり、市場拡大への制度面での追い風が期待できる。

◆調査結果の概要

1.一般用医薬品の国内市場

 

2015年
2016年見込
2015年比
一般用医薬品
国内市場
6,414億円
6,566億円
102.4%

2015年の一般用医薬品市場はインバウンド需要の好調やスイッチOTCの浸透などにより前年比4.3%増となった。品目別にみると、目薬、ビタミンB1B6B12主薬製剤、鎮咳去痰剤、女性保健薬、液体絆創膏などが前年比二桁増の大幅な伸びとなった。2016年はインバウンド需要にやや陰りがみられるものの、需要拡大に向けた各メーカーの継続的な施策により、引き続き拡大が見込まれる。

2.スイッチOTCの国内市場

2015年
2016年見込
2015年比
スイッチOTC
国内市場
1,747億円
1,804億円
103.3%
一般用医薬品市場に
占める割合
27.2%
27.5%

2015年のスイッチOTC市場はビタミンB1主薬製剤をはじめとして、外用消炎鎮痛剤や皮膚治療薬、育毛剤、鼻炎治療剤(内服)が好調だったため前年比5.4%増となった。2016年はやや伸び率は低くなるものの、引き続きビタミンB1主薬製剤や鼻炎治療剤(内服)などを中心に市場拡大が見込まれる。

◆注目市場

1.花粉症関連

2015年
2016年見込
2015年比
鼻炎治療剤(内服)
172億円
177億円
102.9%
点鼻薬
52億円
54億円
103.8%
抗ヒスタミン剤
13億円
13億円
100.0%

花粉症に対して多く使われる3品目を対象とした。花粉飛散量や飛散期間によっても市場は大きく変動する。2015年は抗ヒスタミン剤は前年比横ばいだったが、鼻炎治療剤 (内服)と点鼻薬は伸びた。

鼻炎治療剤(内服)は花粉症に伴う鼻炎症状の緩和に用いられるケースが多く、近年は相次ぐスイッチOTCの投入によって市場は活性化している。また、参入メーカーの積極的なプロモーション活動の効果もあって、市場規模が底上げされている。2015年の花粉飛散量は多くなかったものの、上位ブランドのリスク区分が第2類に引き下げられたことや、新商品がTVCMの大量投下により好調だったことから、市場は拡大した。2016年中は上位ブランドの中でリスク区分が第2類に引き下げられる商品があり売り上げ増加が予想されるため、更なる市場拡大が期待される。

点鼻薬は鼻のアレルギー症状に使用され、患部に直接作用するため鼻炎治療剤(内服)と比べて素早い効果が期待できる。花粉症に対する需要が大きいが、ハウスダストなどのアレルギー症状で使用するユーザーも多く、年間を通じた需要がある。 2015年は、第1類から第2類または指定第2類にリスク区分が変更された商品が店頭露出の増加により売り上げを伸ばしたことや、上位メーカーが新商品投入に合わせてプロモーション活動を強化したことにより市場は拡大した。今後は鼻炎治療剤(内服)やアレルギー用点眼薬と合わせてアレルギー関連用薬とする店頭提案が強化されるとみられ、点鼻薬の位置付けの高まりに伴う市場の伸びが期待される。

抗ヒスタミン剤はアレルギーを含むじんま疹や湿疹などの皮膚疾患の抑制に使用されるが、近年は花粉症に対する需要が増えている。ただし、新商品の投入や目立った販促活動の展開はみられないため、リピーターによる安定した需要があるものの市場は停滞している。

2.鎮咳去痰剤(トローチ・のど飴タイプ)

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
87億円
107億円
123.0%

ロングセラー商品を中心とした市場構造のため、市場は一時期停滞していたが、近年は参入メーカーによる若年層を含む新規ユーザー獲得の取り組みや使用シーンの拡大を意図した商品展開により市場は活性化している。また、漢方製剤や生薬製剤などに馴染みがある台湾や韓国などで既に販売実績を持つ商品が訪日外国人により大量購入される傾向があり、インバウンド需要の獲得が進んだことにより2013年以降は市場拡大が続いている。

2015年は上位ブランドの一つである「龍角散」(龍角散)が、積極的なプロモーション活動による国内需要の掘り起こしや、これまで以上にインバンド需要を取り込み、売上を大幅に伸ばした。「浅田飴」(浅田飴)もリニューアルで新規ユーザーの開拓を進め、また、キャラクターを採用したパッケージが国内だけなく訪日外国人の注目を集め好調だった。各メーカーの好調により市場は前年比64.2%増の大幅な拡大となった。

2016年に入り龍角散がTVCMを通じた夏場の需要開拓を進めるなど、各メーカーが国内需要の掘り起こしを進めている。花粉やPM2.5などによる大気汚染、夏風邪など従来需要期と考えられてきた秋冬以外にも需要開拓の余地は十分残されていると考えられる。

3.目薬

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
512億円
540億円
105.5%

参入メーカーが価格訴求からの脱却を目指して高付加価値商品への転換を図ったことが奏功し、2013年以降は市場拡大が続いている。2015年の市場はインバウンド需要の恩恵もあって前年比12.3%増の512億円となった。ただし、インバウンド需要がいつまで続くかは不透明であるため、各メーカーにとってはポストインバウンドを見据えた国内需要の喚起による持続的成長戦略の構築が必要となっている。

目薬は一般用医薬品の中でもインバウンド需要の恩恵が大きい薬効の一つであり、インバウンド売上が全体に占める割合は約10%と高い。インバウンド需要を獲得している要因としては、価格や大きさが土産品に適していることに加え、清涼感を訴求した目薬が海外ではあまり販売されていないことが挙げられ、特に爽快系目薬が売れ筋商品となっている。

◆調査対象

感冒関連用薬 総合感冒薬、解熱鎮痛剤、咳止め薬、風邪滋養内服液、鎮咳去痰剤(トローチ・のど飴タイプ)、含嗽剤、葛根湯液、殺菌塗布剤
花粉症関連 鼻炎治療剤(内服)、点鼻薬、抗ヒスタミン剤
生活習慣病関連 肥満防止剤、中性脂肪値改善薬、尿糖・尿蛋白検査薬、血清高コレステロール改善薬、強心剤
生活改善薬 禁煙補助薬、催眠鎮静剤、眠気倦怠防止剤、頻尿・尿もれ改善薬
胃腸 消化器官用薬 ・総合胃腸薬、過敏性腸症候群改善薬、便秘薬、健胃・消化薬、胃腸内服液、駆虫薬、制酸薬、整腸薬、痔疾用薬、鎮痛鎮痙胃腸薬、止瀉薬
オーラルケア 歯槽膿漏治療剤、むし歯予防薬、口内炎治療剤、外用歯痛剤
感覚器官用薬 目薬、ビタミンA・D主薬製剤
漢方薬 漢方処方エキス製剤

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/09/13
       
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