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教育機関向けICT関連市場を調査…市場は2021年度に約2,000億円

2021年度予測
教育現場でのICT環境整備は着実に進み、市場急拡大(2015年度比)
無線LANシステム 122億円(4.1倍) タブレット端末 195億円(3.4倍)
  • デジタル教科書は改訂教科書の使用開始に合わせて2019年度から2年連続前年度比二割増
  • スマートスクール構想に関連する協業学習支援システム・校務支援システムなども拡大へ

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、「第2期教育振興基本計画」の最終年度を迎え、「第3期教育振興基本計画」の策定と実施、さらには2020年度以降控える学習指導要領改訂などで転換期を迎える教育機関向けICT関連市場を調査した。
 その結果を報告書「エデュケーションマーケット 2017」にまとめた。

 この報告書では小中学校、高等学校、大学/専門学校、学習塾/予備校など教育機関向けの、協働学習支援、校務/学務支援など業務支援システム18品目、通信インフラ、セキュリティなどの校内設備/インフラ13品目、デジタル教科書など教材/コンテンツ5品目、教育ICT関連のハードウェア14品目、計50品目について市場の現状を調査し、将来を予想した。

調査結果の概要
教育機関向けICT関連国内市場
エデュケーションマーケット 2017:市場規模推移グラフ
 「第2期教育振興基本計画」により教育現場におけるICT環境の整備が進み、2016年度の教育機関向けICT関連市場は1,430億円が見込まれる。
 ICT環境の整備は「第3期教育振興基本計画」でも引き続き進められていくとみられるほか、2020年度以降に学習指導要領の改訂も控えており、改訂内容に沿った指導者の育成や支援を可能とするシステムやサービスの需要も期待され、2021年度は2015年度比41.8%増の1,920億円が予測される。
 業務支援システムは、学習形態の多様化や、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイス普及にともない、eラーニングソリューションや遠隔講義システム、収録配信システムなどの教育ICT化に関連するシステムの拡大が予想される。
 また、協働学習支援システムや校務支援システムなど、学習指導要領の改訂で注目されるアクティブラーニングや、校務と学習のシステムをネットワーク上で連携させるスマートスクール構想に関連するシステムも伸びるとみられる。
 一方で、教育のクラウドプラットフォーム化により、校務と学習の両面における効率化が進めば、長期的にはシステムの統合なども想定される。
 校内設備/インフラは、タブレット端末の導入が進むことで必須となる無線LANシステムが市場拡大をけん引するとみられる。
 活用が進むことで学習者の成績など個人データの扱いも増加するため、ネットワーク環境の構築だけでは不十分であるという認識が広がっており、端末管理・セキュリティツールやWebフィルタリングツール、ウイルス対策ツールなどセキュリティ対策関連の拡大も予想される。
 教材/コンテンツは、デジタル教科書を中心に学習者向けのコンテンツが拡大している。
 学習指導要領の改訂に向けアクティブラーニングやプログラミング教育といったキーワードをもとに官民一体となって教材開発が進められており、多様なコンテンツの登場が予想される。
 また、デジタル教材では、楽器演奏教材やプログラミング教育の必修化に備え教材ロボットが登場している。
 ハードウェアは、一人1台普及の施策に基づきタブレット端末の導入が進んでおり、市場が拡大している。
 都道府県によって一人1台、あるいは1学年で40台程度(授業中の1クラスで一人1台)など注力度がことなるが、2020年度までタブレット端末は需要増加が続くとみられ、2021年度の市場は2015年度比3.4倍の195億円が予測される。
 一方で、電子黒板やビジネスプロジェクター、業務用モニターなどの映像機器はリプレースを中心に安定した需要が予想される。
注目市場
無線LANシステム市場
2016年度見込2021年度予測2015年度比
40億円122億円4.1倍
 タブレット端末の導入と共に、無線LANシステムの整備が進められており、2016年度は前年度比3割増が見込まれる。安定接続やセキュリティ担保の観点から、よりハイエンドの法人向け無線LANシステムの導入が進み、導入単価も上昇している。
 総務省は「公衆無線LAN環境整備支援事業」として、避難所/避難場所に指定されている約3万カ所の学校や教室にWi−Fi環境を整備するとした。Wi−Fi環境は災害時には避難生活などに、平時には教育ICT機器を授業などに活用することを目的としており、今後も無線LANシステムの導入が進むとみられる。
デジタル教科書・教育コンテンツ配信サービス市場
 2016年度見込2021年度予測2015年度比
デジタル教科書48億円82億円2.1倍
教育コンテンツ配信サービス25億円40億円2.0倍
 デジタル教科書
 2016年度は改訂教科書の使用開始や自治体におけるモデル校への導入、インターフェース統一化を目的とした団体「CoNETS」の登場によりデジタル教科書の課題であった操作性が向上したことから、導入に踏み切る学校が増加し、前年度比20.0%増の48億円が見込まれる。
 デジタル教科書は改訂教科書の使用開始時に導入されるケースが多く、次回の改訂教科書の使用が始まる2020年度、2021年度に向けて導入件数の大幅な増加が予想され、2021年度は2015年度比2.1倍の82億円が予測される。
 なお、デジタル教科書は、指導者用と学習者用がある。タブレット端末の設置台数増加にともない学習者用の普及が進んでいるものの、開発は指導者用が先行していたこともあり、2016年度は市場の7割近くを指導者用が占めるとみられる。
 教育コンテンツ配信サービス
 デジタル教科書、教材などの教育向けコンテンツを自治体の地域イントラや校内LAN環境を活用して配信するサービスである。現状では電子黒板などを用いた指導者用デジタル教科書での需要が多い。
 パッケージ版の学習者向けデジタル教科書、教材ではタブレット端末1台ごとにインストールを行う必要があり初期導入や更新作業に時間を要する。配信サービスは、端末にコンテンツを一斉配信することが可能であるため、今後は大規模自治体などでタブレット端末の普及や無線LAN環境の導入増加にともないパッケージ版から配信サービスへ需要がシフトし、市場の拡大が予想される。
協働学習支援システム市場
2016年度見込2021年度予測2015年度比
35億円75億円3.0倍
 授業時に指導者/学習者が使用するノートPCやタブレット端末と電子黒板を連動させ、資料の配信やタブレット端末に入力された情報を取得/共有できるシステムである。このほか、配信した資料に学習者がタッチペンなどで書き込み、電子黒板や他の学習者のタブレット端末へ表示する機能などもある。
 電子黒板やタブレット端末、デジタル教科書と併せて導入されており、同時導入が見送られた際にも次年度には改めて導入されるケースも多い。
 タブレット端末とセットで活用することで効率的にアクティブラーニングを進めることが可能であり、各学校にタブレット端末が普及するまで拡大が続くと予想される。
校務支援システム市場
2016年度見込2021年度予測2015年度比
50億円76億円161.7%
 小中学校および高等学校向けの出欠管理や成績管理といった複数の教務/学校事務を支援するシステムを対象とする。
 2020年度までに全ての学校に校務支援システムを導入するという目標が掲げられたことから導入が進んでいる。既に整備率も80%程度と高いため、他の品目と比較すると伸び率は緩やかである。
 一方でさらなる教員業務の効率化や校務の効率化と高度化を目指して統合型の校務支援システムの普及も推奨されており、校務と学習のシステムをネットワーク上で連携させるスマートスクール構想の実現には欠かせないものであるとみられる。
内容の詳細につきましては『エデュケーションマーケット 2017』をご覧ください。
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