MARKET マーケット情報


EV向けを中心に大幅な拡大が予想される
次世代環境自動車向け二次電池の世界市場を調査
−2025年予測(2016年比)−
次世代環境自動車向け二次電池の世界市場6兆6,138億円(4.6倍)
EV向けを中心に大きく伸びる エリア別では特に欧州の伸びが大きい

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、米国のZEV規制や中国のNEV規制などをはじめとした、一定比率以上の次世代環境自動車の生産・販売を義務付ける政策の強化などを背景に、今後大幅な拡大が予想される次世代環境自動車向け二次電池の市場を調査した。その結果を報告書「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2017 次世代環境自動車分野編」にまとめた。

この報告書では次世代環境自動車とそれらに搭載されるリチウムイオン二次電池(LiB)、ニッケル水素電池(NiMH)、電気二重層キャパシタ(EDLC)、鉛電池(Pb)などの二次電池の市場について、日本、欧州、北米・中南米、中国、アジア・オセアニア他(日本、中国を除くアジア諸国、インド、中東、アフリカ、オセアニア諸国)のエリア別に現状を調査・分析し、将来を予測した。(※市場はパックベースで捉えた)

◆調査結果の概要

次世代環境自動車向け二次電池の世界市場

※EVはマイクロEVを含む。HV・PHV はトラック・バスを含む

2016年の市場は1兆4,260億円となった。EV向けとEVトラック・バス向けが合計で70%以上を占めている。燃費規制強化に伴い需要が増加しているEV向けが米国や中国を中心に大きく伸びているほか、中国を中心としたEVトラック・バス向けのウェイトも大きい。搭載される二次電池はLiBが主流であるが、NiMHも搭載するHVの伸びに伴い需要が増加している。

今後も各分野の市場が拡大し、2025年には2016年比4.6倍の6兆6,138億円が予測される。特に伸びの大きいEV向けは同7.0倍の3兆9,317億円が予測され、全体の50%以上を占めるとみられる。また、HV・PHV向けの伸びも大きく、同4.8倍の1兆7,281億円が予測される。

◆エリア別市場

エリア別にみると2016年時点では中国が市場規模8,075億円で全体の50%以上を占めている。現状はEVトラック・バス向けが中心でLiBの搭載が多い。中国工信部は2018年から自動車メーカーに対して新エネルギー車の生産目標を義務付けるNEV規制を導入する方針であるため、今後は特にEVの伸びが加速し、EV向けの比率が高まるとみられる。また、2016年からは中央政府が新エネルギー車の購入補助金制度を変更し、中国電池メーカーの品質向上を促すため、搭載する電池パックのエネルギー密度に応じた補助金の差別化も行っている。今後、HVやHVトラック・バス、PHVなどの需要増加も予想され、それに伴いLiBだけでなく、NiMHやEDLCなども伸びるとみられる。また、山東省のローカルメーカーにより展開されているマイクロEVの需要も大きいため搭載されるPbも伸びるとみられる。

北米・中南米は、北米でのEV向けを中心に伸びており、2016年の市場は2,983億円となった。米国カリフォルニア州のZEV規制などによる普及政策により、今後もEVを中心に次世代環境自動車の需要増加が予想される。特にEV向けのLiBが伸びをけん引するとみられる。また、NiMHも搭載するHVの伸びに伴い一定の需要を確保するとみられる。

2016年の欧州市場は1,413億円となった。PHV向けとEV向けがそれぞれ40%以上のウェイトを占めている。ノルウェー、ドイツ、フランス、イギリス、オランダを中心に政府による次世代環境自動車の普及政策が積極的に進められており、近年はチェコ、ポーランド、ハンガリーなどの中東欧諸国にも広がっている。今後EUでは厳格な燃費規制強化が計画されているため、EVを中心に需要増加が予想され、2025年にはEV向け二次電池の最大需要地になるとみられる。欧州市場は2016年時点では全体市場の10%弱にとどまっているが、2025年には25%以上を占める1兆6,826億円が予測される。

2016年の日本市場は1,531億円となった。NiMHを搭載するHVが好調なため、他エリアとくらべてNiMHの比率が高い。今後PHVやEVの市場が拡大するため、それら向けのLiBが大きく伸びるとみられる。
アジア、オセアニア他は次世代環境自動車の普及は遅れているが、今後はEVやPHVなどの本格的な普及が期待される。

EV向け、EVバス・トラック向け二次電池の世界市場

2016年
2025年予測
2016年比
EV向け
5,643億円
3兆9,317億円
7.0倍
EVバス・トラック向け
4,939億円
7,030億円
142.3%
合 計
1兆0,582億円
4兆6,347億円
4.4倍

※EVはマイクロEVを含む

各国政府が普及政策に取り組んでおり、購入補助金制度を充実させているため、今後EVの需要は大きく増加するとみられる。搭載されるLiBはエネルギー密度の向上が進むと共に、1パック当たりの価格低下が進むとみられる。現状では大容量電池を搭載したハイスペックEVが好調な北米の需要が先行している。欧州は今後厳格な燃費規制強化が計画されているため、欧州自動車メーカーはEVを積極的に展開するとみられる。2025年には欧州が最大の需要地となり、EV向け二次電池市場の拡大に貢献すると予想される。中国もNEV規制や購入補助金制度の充実などの後押しにより、EV需要の大幅な増加が期待される。

マイクロEVは中国、特に農村部の低所得者層の需要が中心であるため低コストのPbの需要は底堅く、2020年以降は更新需要も期待できることで、今後もPb市場の拡大が予想される。マイクロEV向けのLiBは需要が限定的であるが、2020年以降高齢社会に対応したマイクロEVの活用や観光地におけるカーシェアリングが活発化するとみられる日本や米国で、市場拡大が期待される。

EVトラック・バスは、特にバスの購入に対する補助金が充実している中国が2016年生産台数ベースで大半を占めており、EVトラック・バス向けは、LiBの占める割合が多い。今後も中国での需要が市場拡大をけん引するとみられ、2025年には7,030億円が予測される。

◆調査対象

分野
品目
次世代環境自動車 アイドリングストップ自動車/マイクロハイブリッド自動車(ISSV/マイクロHV)、電気自動車(EV乗用車)、ハイブリッド自動車(HV乗用車)、EVトラック・バス、HVトラック・バス、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車、(PHV)、マイクロ電気自動車(マイクロEV)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/05/31
       
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