MARKET マーケット情報


高機能化/高付加価値化が進む住宅設備・建材の国内市場を調査
−住宅設備・建材市場2022年予測5兆729億円−

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、市場が成熟化するなか住宅業界を取り巻く環境の変化にともない、高機能化/高付加価値化が進む住宅設備、建材の市場について調査した。その結果を報告書「2017年版 住設建材マーケティング便覧」にまとめた。

この報告書では、水廻り設備・関連機器、空調/防犯設備、省エネ/創エネの住宅設備分野18品目、内装材(木質・非木質)、断熱、外部建具、屋根材/外装材、エクステリアの建材分野22品目の計40品目に加え、機能性素材分野4品目の市場動向をまとめた。

◆調査結果の概要

住宅設備・建材市場

【短期予測】
2015年から2016年にかけて住宅ローン減税や金利優遇政策、相続税節税を目的としたアパート経営の増加による賃貸住宅の着工増加などで新築住宅着工戸数が伸び、2016年の住宅設備・建材市場は前年比1.4%増の5兆1,046億円となった。新築向けが好調な一方で、リフォーム向けは低調であった。2017年は住宅ローン減税や戸建住宅向けZEH補助金などの施策が引き続き需要を下支えするものの、節税を目的とした賃貸住宅の需要は落ち着き、新築住宅着工戸数の減少が予想されることから、市場はほぼ横ばいが見込まれる。

【中長期予測】
2019年10月に予定される消費税率の引き上げが市場のターニングポイントになるとみられる。増税率は2%の上昇と小幅であることや、8%への増税時に需要を先食いしていることから、駆け込み需要は少ないとみられる。また、10%への増税後は景況感が一服すること、少子化による住宅一次購入者層の減少などで、新築住宅着工戸数の減少が予想され、市場も2019年の5兆2,364億円を境に縮小に転じ、2022年には5兆729億円が予測される。

【住宅設備・建材業界におけるプレーヤーの今後の方向性】
人口減少や社会構造の変化を背景に、構造的な市場縮小とマンパワー不足が業界の課題となっている。
プレーヤーは、

 1) アジア市場への展開や有力企業のM&Aなどによる海外市場の開拓
 2) 簡易リフォームやリノベーション住宅への取り組みなどリフォーム市場の拡充
 3) 中・高級製品の投入やZEHの提案など高付加価値製品の販売強化
 4) ホテルやビルなど非住宅市場への展開などの攻めの展開に加え
 5) 中・高級品の販売強化や強みのあるセグメントへの注力など利益率重視の事業体制の構築
 6) 事業買収や統合などの参入プレーヤーの集約・再編
 7) 省施工化やマンパワーや生産設備の再構築など経営リソースのスリム化

といった市場縮小を見据えた守りの展開を進めていくとみられる。

◆グレード別市場(2016年実績)

【住宅設備】
リフォーム提案時には新築時よりもグレードの高い製品提案が行いやすいためリフォーム向け販売比率の高い水廻り設備・関連機器や、住宅設備の中でも高付加価値製品である省エネ/創エネ設備などが含まれることもあり、高級品の比率は25%、市場規模は7,421億円となった。

【建材】
機能性に対する要求が低く高付加価値化による価格転嫁が難しいため、高級品の比率は11%と低く、市場規模は2,335億円となった。価格要求の優先度が高い新築向けの販売比率が高いこともひとつの要因であり、高級品比率上昇に向けて、高機能性が評価されやすい非住宅向けの需要開拓を進めるプレーヤーもいる。

◆注目の機能性素材市場

1.抗菌剤

2016年
2022年予測
2016年比
市場規模
15.5億円
20.0億円
129.0%

トイレ・便座を中心に、床・フローリング材、壁材・壁紙、キッチン、浴室ユニットなどに採用されている。樹脂に練りこむことで抗菌効果を付与するほか、塗料へ添加しコーティングする方法やフィルムで貼り付ける方法などがある。 抗菌訴求は国内では既に一般化されているが、床材や壁紙など建材用途を中心に抗ウィルスを訴求した需要開拓が進みつつある。新たな差別化機能として定着することが期待され、市場は2022年に20.0億円が予測される。

2.光触媒用酸化チタン

2016年
2022年予測
2016年比
市場規模
8.0億円
11.0億円
137.5%

サイディング材・外装タイルを中心に、内装材、トイレ・便座などに採用されている。現在は紫外光応答が多く、中・高級品の外装材に用いられている。室内でも光触媒機能が働く可視光応答型は室内空間における消臭、抗菌・抗ウィルス機能訴求が可能であり、浴室タイルや壁紙、ブラインド、カーテン、カーペット、手すりなど内装材での採用が進むことで市場は大きく拡大し、2022年には11.0億円が予測される。

◆調査対象

1.住宅設備分野

水廻り設備 キッチン、洗面化粧台、浴室ユニット、温水洗浄便座/一体型温水洗浄便器、水栓金具
水廻り関連機器 ビルトインコンロ、食器洗浄乾燥機、浄水器/整水器、レンジフード ・浴室暖房乾燥機、家庭用給湯器
空調/防犯設備 ルームエアコン、床暖房、住宅用錠前
省エネ/創エネ 住宅用太陽光発電システム、ガスコージェネレーションシステム 、HEMS、家庭用定置型蓄電システム

2.建材分野

内装材(木質) フローリング材、室内ドア、収納部材、階段ユニット、造作材
内装材(非木質) 壁クロス、クッションフロア
断熱 住宅用断熱材、複層ガラス
外部建具 サッシ、玄関ドア ・シャッター
屋根材/外装材 窯業系サイディング材、金属系サイディング材、樹脂系サイディング材、外装タイル、ALC、薄型平板瓦(新生瓦)、塩ビ雨樋
エクステリア 門扉、フェンス、カーポート

3.機能性素材分野

抗菌剤、光触媒用酸化チタン、化粧フィルム、WPRC(木材プラスチック再生複合材)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/06/07
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