MARKET マーケット情報


新規成分の追加で切り替えが進むジェネリック医薬品国内市場を調査
−2022年予測(2017年比)−
ジェネリック医薬品市場1兆2,449億円(29.3%増)
バイオシミラー市場597億円(4.1倍)

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、バイオシミラーやオーソライズドジェネリックの製品も増加し、切り替えが進むジェネリック医薬品の国内市場を調査した。その結果を「2019 ジェネリック医薬品・バイオシミラーデータブック No.2」にまとめた。

この調査では、ジェネリック医薬品(診療報酬点数表の後発医薬品に属するもの)と、長期収載品の市場を32の薬効領域に分けて調査した。また、新規領域の製品発売で市場が活性化しているバイオシミラー、投入が相次いでいるオーソライズドジェネリックの市場についても整理し、剤形別で捉えるなど多角的に市場を分析した。

◆調査結果の概要

ジェネリック医薬品市場

ジェネリック医薬品市場は、薬価改定の影響を受けているものの、引き続き新規成分の増加や、相次ぐオーソライズドジェネリックの投入により伸長しており、2017年は前年比7.8%増の9,627億円となった。2018年には抗がん剤においてリツキシマブやトラスツズマブを成分としたバイオシミラーが発売されるなど本格的な切り替えが進んでいる。政府は2020年度末までにジェネリック医薬品への置換え率80%超(数量ベース)を目標として掲げている。期限を目前に控え、今後はバイオシミラーにおいても目標の設定が検討されており、切り替えが進むとみられる。

 ※置換え率=ジェネリック医薬品/(ジェネリック医薬品+長期収載品)

1.バイオシミラー市場

2018年見込
2017年比
2022年予測
2017年比
市場規模
215億円
149.3%
597億円
4.1倍

バイオシミラーとして承認された薬剤と、バイオシミラーとして開発を進めている開発品を対象とした。バイオシミラーは2009年に国内初となる製品が発売された。以来、新規成分の増加に伴い、市場は拡大を続けている。腎性貧血治療剤であるエポエチンアルファやインスリン製剤であるインスリングラルギンを成分とした製品の実績が大きい。2018年は抗がん剤でリツキシマブやトラスツズマブ、関節リウマチ治療剤でエタネルセプトを成分とした製品が発売されるなど市場は活性化しており、大幅な拡大が見込まれる。

2.オーソライズドジェネリック市場

2018年見込
2017年比
2022年予測
2017年比
市場規模
1,090億円
142.3%
1,801億円
2.4倍

オルメサルタンやロバスタチンなど大型成分のオーソライズドジェネリックが相次いで発売されたことから、市場は急激に拡大しており、2018年には1,000億円を突破すると見込まれる。領域別では高血圧症治療剤、喘息・COPD治療剤などの実績が大きい。脂質異常症治療剤では2017年に、抗アレルギー剤では2018年にオーソライズドジェネリックが発売されたことにより市場形成、または急拡大している。抗がん剤はジェネリック医薬品の中でも切り替えが進みにくい領域の一つであるが、製品数は増加しており、オーソライズドジェネリック市場の拡大に寄与している。

【注目薬効領域のジェネリック医薬品市場】

2018年見込
置換え率※
2022年予測
置換え率※
高血圧症治療剤
1,512億円
43.0%
1,615億円
51.4%
抗がん剤
(がん関連用剤含む)
740億円
29.6%
1,230億円
36.2%
統合失調症治療剤
219億円
30.4%
243億円
31.8%
骨粗鬆症治療剤
156億円
6.1%
265億円
9.3%
婦人科・産婦人科
疾患治療剤
159億円
54.4%
197億円
56.0%

 ※置換え率=ジェネリック医薬品/(ジェネリック医薬品+長期収載品)

高血圧症治療剤は、生活習慣病領域の薬剤で経口剤が主体であることから、ジェネリック医薬品への切り替えが進んでいる。アムロジピンやバルサルタン、カンデサルタンといった大型成分のジェネリック医薬品が発売されたことで市場は急激に拡大してきた。2017年には「ミカルディス」(アステラス製薬)や「オルメテック」(第一三共)をはじめ、大型品のオーソライズドジェネリックが発売されたことから市場はさらに伸長した。今後も切り替えが進むことで市場は堅調に拡大するが、薬価改定次第では伸びが鈍化するとみられる。

抗がん剤は、薬価自体が高い傾向があるものの、薬価引き下げの影響を受け、伸びの鈍化がみられることもあった。しかし、相次ぐオリジナルの特許切れに応じてジェネリック医薬品で発売される成分は増加している。2018年にはリツキシマブやトラスツズマブを成分とした大型品のバイオシミラーが発売されるなど、今後も市場は堅調に拡大するとみられる。

統合失調症治療剤は、大型成分のオランザピンやアリピプラゾールの相次ぐジェネリック医薬品発売により、2017年の市場は大幅に伸長した。これらへの切り替えが進むものの、徐々に落ち着き伸びは鈍化していくとみられる。

骨粗鬆症治療剤は、アルファカルシドール、ラロキシフェン、アレンドロン酸ナトリウムを成分とする製品が順調に伸びており、市場は拡大している。2018年はミノドロン酸水和物を成分とする製品が発売され、2020年には「フォルテオ」(日本イーライリリー)の特許切れが予想されることから、市場は二桁増が続くとみられる。

婦人科・産婦人科疾患治療剤は、2017年6月に「ディナゲスト」(持田製薬)のオーソライズドジェネリックが発売となった影響で、切り替えが進んでいる。2018年12月には「ルナベル」(日本新薬、富士製薬工業)のジェネリック医薬品がLD規格に続いてULD規格も発売され、その他の成分でも切り替えが進んでいることから、今後も市場は拡大するとみられる。

◆調査対象

薬効領域 高血圧症治療剤、その他循環器官用剤・脳疾患治療剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗うつ剤、統合失調症治療剤、認知症治療剤、その他精神神経疾患治療剤、上部消化管疾患治療剤、その他消化器官用剤、抗アレルギー剤、喘息・COPD治療剤、その他呼吸器疾患治療剤、脂質異常症治療剤、糖尿病治療剤、痛風・高尿酸血症治療剤、解熱消炎鎮痛剤(外用剤含む)・慢性疼痛治療剤、抗がん剤(がん関連用剤含む)、体内診断薬、麻酔・筋弛緩剤、婦人科・産婦人科疾患治療剤、変形性関節症治療剤・関節リウマチ治療剤(生物学的製剤除く)、骨粗鬆症治療剤、消毒剤(含嗽剤含む) ・皮膚潰瘍治療剤、泌尿器疾患治療剤・腎疾患治療剤・透析治療剤、栄養剤・ビタミン剤・輸液、眼科用剤、免疫抑制剤、皮脂欠乏症治療剤・皮膚軟化剤、片頭痛治療剤、自由診療領域(脱毛症・睫毛貧毛症治療剤、性機能改善剤、経口避妊薬)
バイオシミラー ヒト成長ホルモン剤、エリスロポエチン製剤、CSF、関節リウマチ治療剤(生物学的製剤)、抗がん剤、希少疾患
オーソライズドジェネリック 高血圧症治療剤、喘息・COPD治療剤、その他循環器官用剤・脳疾患治療剤、抗アレルギー剤、脂質異常症治療剤、抗生物質、婦人科・産婦人科疾患治療剤、抗がん剤(がん関連用剤含む)、抗ウイルス剤、栄養剤・ビタミン剤・輸液、上部消化管疾患治療剤、その他
剤形 経口剤(錠剤、口腔内崩壊錠、カプセル剤、その他経口剤)、注射剤、貼付剤含む外用剤、その他

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2019/04/25
       
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