MARKET マーケット情報


SiCなど次世代パワー半導体、シリコンパワー半導体の世界市場を調査
―2020年(2019年比)/2030年予測(2020年比)―
■SiCパワー半導体の世界市場
493億円(9.6%増)/1,859億円(3.8倍)
2020年は情報通信機器、エネルギー分野が堅調で拡大
今後は自動車・電装分野がけん引。エリア別では中国に加え北米、欧州が伸長
■シリコンパワー半導体の世界市場
2兆7,529億円(4.0%減)/3兆7,981億円(38.0%増)
2020年は中国では拡大するも、ほかエリアは自動車・電装、産業分野が大きく落ち込み縮小
今後は自動車電装化の進展や5G通信関連への投資増加などにより拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、2020年も伸びは緩やかながら拡大したSiCやGaNなどの次世代パワー半導体や、2020年は縮小するも2021年以降は再び拡大するとみられるシリコンパワー半導体、また、パワー半導体の構成部材や製造装置の世界市場を調査した。その結果を「2021年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」まとめた。

◆注目市場

■SiCパワー半導体

2020年

2019年比

2030年予測

2020年比

493億円

109.6%

1,859億円

3.8倍

SiC-SBD、SiC-FET、SiCパワーモジュールを対象とする。

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、開発案件が延期になるケースもあったが、サーバー電源などの情報通信機器分野、中国や欧州における太陽光発電などのエネルギー分野の需要が堅調だったことから、例年と比較し伸び率は低かったものの、市場は拡大した。

用途別では自動車・電装や情報通信機器分野のウエイトが高い。今後は自動車電装化に伴い、DC-DCコンバーターやオンボードチャージャー、インバーターモジュールで需要が伸び、自動車・電装分野のウエイトが高まっていくとみられる。また、エリア別では、TeslaのEV向けが多いことなどから、北米のウエイトが高いが、欧州自動車メーカーによる採用予定もあり、今後欧州のウエイトが高まっていくとみられる。

このほか、電鉄車両やエネルギー、産業分野の高耐圧アプリケーションでも、今後採用増加が期待される。

なお、シリコンパワー半導体からSiCパワー半導体へのシフトについては、FRDからSiC-SBDへ、高耐圧パワーMOSFETからSiC-FETへ、IGBTモジュールからSiCパワーモジュールへの置き換えが期待される。

自動車・電装分野においては、SiC-SBDが低価格化に伴い伸長する一方で、FRDは長期的には減少していくとみられる。また、SiC-FETは電動化の進展と低価格化により大幅に伸び、高耐圧パワーMOSFETからのシフトもあり需要の半数以上を占めるとみられる。SiCパワーモジュールは現状では高級車や大型車での採用に限定されるためIGBTモジュールからの置き換えは一部にとどまるとみられる。

■GaNパワー半導体

2020年

2019年比

2030年予測

2020年比

22億円

115.8%

166億円

7.5倍

2020年の市場は、アジア圏におけるACアダプターでの需要増加に加え、サーバー電源など情報通信機器分野が好調だったことから、引き続き拡大した。今後もデータセンターや携帯電話基地局での5G通信導入など通信機器の需要増加により情報通信機器分野は堅調とみられる。また、2022年以降は自動車・電装分野での採用進展も期待される。

エリア別では、ACアダプターやサーバーなどの主要メーカーが多い中国のウエイトが半数以上を占めている。今後は、自動車・電装分野への展開が進むことで、xEV化を積極的に進める中国や欧州のウエイトが高まっていくとみられる。

■酸化ガリウムパワー半導体

2020年

2019年比

2030年予測

2020年比

僅少

465億円

SiCパワー半導体やGaNパワー半導体と比較し、高耐圧・低損失など性能面で優れ、低コスト化が可能であることから、早期の実用化が期待されている。

2020年の市場は僅少だったが、2021年には量産が開始されるとみられ、2億円が見込まれる。まずは600Vの中耐圧領域で展開され、民生機器分野での採用が想定される。その後、電流値を上げていくことで、高耐圧領域である産業分野などへ広がっていくとみられる。なお、自動車・電装分野については、量産化に加え、信頼性の向上が必要であり、採用は2025年以降とみられる。

◆調査結果の概要

●パワー半導体の世界市場

 

2020年

2019年比

2030年予測

2020年比

シリコン

2兆7,529億円

96.0%

3兆7,981億円

138.0%

次世代

514億円

109.6%

2,490億円

4.8倍

合 計

2兆8,043億円

96.2%

4兆 471億円

144.3%

シリコンパワー半導体と次世代パワー半導体を対象とする。

シリコンパワー半導体はサーバー電源向けなど情報通信機器分野がテレワークの普及などで好調だったが、産業や自動車・電装分野の落ち込みが大きく、2020年の市場は縮小した。そのほかでは、民生機器分野は白物家電などを中心に低迷し、電鉄車両分野は計画していた採用案件の延期や中止などにより減少、一方エネルギー分野は中国や欧州における再生可能エネルギー関連の需要が増加した。なお、エリア別には、日本、北米、欧州、中国を除くアジアは減少したが、中国は2020年後半には需要が回復・増加した。2021年以降は自動車電装化の進展、5G通信関連への投資増加、産業分野での需要回復により、市場拡大が予想される。

一方、次世代パワー半導体の市場は開発案件の先送りにより伸びが鈍化したものの、拡大を続けており、2021年以降は毎年20%近い伸びが続くとみられる。

●構成材料の世界市場

2020年

2019年比

2030年予測

2020年比

2,068億円

96.0%

3,752億円

181.4%

2020年の市場はウエハーや前工程材料が伸長したものの、ウエイトの高い後工程材料で、ダイボンディングペーストやはんだなどの接合材、絶縁放熱基板が減少し縮小した。2021年以降は、自動車・電装分野の需要が回復に向かうことで再び拡大を続けるとみられる。

なお、ウエハーはSiCが好調であり、酸化ガリウムは研究開発向けが中心であることから需要は限定的である。また、前工程材料は大きな伸びは期待できないものの、2020年も含め、堅調な拡大を続けている。また、減少がみられた後工程材料についても、封止材料やボンディングワイヤーなど一部材料はパワー半導体メーカーが材料確保の動きをみせたことで増加した。

●製造装置の世界市場

2020年

2019年比

2030年予測

2020年比

1,449億円

93.2%

3,144億円

2.2倍

新型コロナの影響により、シリコンパワー半導体やSiCパワー半導体向けに予定されていた設備投資の延期、見直しが行われたケースも多く、2020年の市場は縮小した。しかし、中国は国策でパワー半導体への注力度を高めており2020年後半から積極的な設備投資を行なっていることや、台湾でもパワー半導体のファウンドリー企業の展開が本格化していることから、アジアを中心に2021年以降は拡大が予想される。

◆調査対象

パワー半導体

 

 

シリコンパワー半導体

 

SiCパワー半導体

・整流ダイオード

・IGBTディスクリート

・SiC-SBD

・SBD(ショットキー・バリア・ダイオード)

・サイリスタ・トライアック

・SiC-FET

・FRD(ファースト・リカバリー・ダイオード)

・IGBTモジュール

・SiCパワーモジュール

・バイポーラパワートランジスタ

・インテリジェント

GaNパワーデバイス

・低耐圧パワーMOSFET

パワーモジュール

酸化ガリウムパワーデバイス

・高耐圧パワーMOSFET

・パワーIC

ダイヤモンドパワーデバイス

パワー半導体構成部材

 

 

・SiCウエハー

・CMPスラリー

・窒化アルミニウム回路基板

・GaNウエハー

・ダイボンディングペースト

・アルミナ系回路基板

・酸化ガリウムウエハー

・はんだ

・窒化ケイ素回路基板・白板

・ダイヤモンドウエハー

・シンタリング接合材

・金属放熱基板

・半導体レジスト

・リードフレーム用条材

・放熱シート

・バッファーコート膜

・ボンディングワイヤー

・放熱グリース

・CMPパッド

・封止材料

 

パワー半導体製造装置

 

 

・エピ膜成長装置

・熱処理装置

・ワイヤボンダー

・GaN向けMOCVD

・レーザーアニール装置

・モールディング装置

・CMP装置

・ドライエッチング装置

・ウエハー外観検査装置

・プラズマCVD

・スパッタリング装置

・チップ外観検査装置

・コータ/デベロッパ

・バックグラインダ

・セラミック基板検査装置

・露光装置

・ダイシング装置

・ハンドラー

・イオン注入装置

・ダイボンダー

・電気テスタ装置

パワーエレクトロニクス機器

 

 

・冷蔵庫

・xEV駆動用インバーター

・太陽光発電用

・洗濯機

・xEV用DC-DCコンバーター

パワーコンディショナー

・ルームエアコン

・ステアリング制御システム

・風力発電システム

・IHクッキングヒーター

・ADAS/自動運転システム

・家庭用燃料電池

・炊飯器

・ボディ統合制御システム

・業務・産業用蓄電システム

・電子レンジ

・車載用充電器

・汎用インバーター

・スマートフォン

・急速充電スタンド

・プログラマブルコントローラー

・ノートパソコン

・普通充電スタンド

・産業用スイッチング電源

・タブレット端末

・ワイヤレス給電システム

・サーボアンプ

・サーバー

・鉄道車両

・スポット溶接ロボット

・UPS(中・大容量)

 

 


2021/06/10
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。