PRESSRELEASE プレスリリース
イベントにおける加工食品市場を調査
主要イベント 正月・年始の重詰めおせちは576億円、クリスマス、バレンタインデーも拡大続く
新規イベント ハロウィーン100億円突破、イースターは外食から小売への波及に期待で前年比2.6倍
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2014年5月から7月にかけて伝統的な行事からハロウィーンやイースターなど新しいイベント含む23のイベントの主要食品メニュー市場(小売ベース)を調査した。 その結果を報告書「催事別食品マーケットの徹底解明 2014」にまとめた。なお、市場は各イベント向けに作られた専用商品とイベント期間内に販売される主要食品メニューの売り上げを対象とする。
◆注目市場
1.ハロウィーン
2014年見込 |
前年比 |
|
市場規模 |
102億円 |
105.2% |
チョコレート、生菓子、クッキー・半生焼き菓子を対象メニューとし、市場は専門商品に加え、対象メニューの10月25日から31日までの売上とした。東京ディズニーリゾートなどレジャー施設でのハロウィーンイベント開催や、若年層を中心とした仮装イベントの盛り上がりなどでハロウィーン自体の認知度が高まっている。ハロウィーンは素材、キャラクターが明確で専用商品の特徴付けがしやすいことから、認知度向上と共に小売店の取り扱い意欲も高まっており、市場は2014年で100億円突破が見込まれる。
今回は対象外であるが、スナック菓子や米菓でも専用商品が増加している他、カボチャを使用したスープやシチューなどハロウィーンならではのメニュー提案も行われている。メニューが定着するには時間がかかるとみられ、今後も菓子が中心であると予想される。
2.クリスマス
2014年見込 |
前年比 |
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市場規模 |
915億円 |
101.8% |
クリスマスケーキ、フライド・ローストチキン、チルド・冷凍ピザ、ワイン、シャンメリーを対象メニューとし、市場は専門商品に加え、対象メニューの12月19日から25日までの売上とした。今回調査した23のイベント中では正月・年始に次ぐ規模を持ち、小売店やメーカーの注力度が高いイベントの一つである。
2013年は世帯人数の減少により小型商品への人気が高まるクリスマスケーキで、景気回復の動きもあり高価格帯商品が需要を獲得した。フライド・ローストチキンではケンタッキー・フライド・チキンがパーティー用をメインに展開する中、1本でも購入しやすいCVSが会社帰りや少人数でも気軽にクリスマスの雰囲気を味わいたいというライトなニーズを掘り起こした。2014年は注力度の高いクリスマスケーキを中心に、飲用機会が増え量販店での品揃えがよくなっているワイン、前年同様クリスマスが平日であることから仕事帰りに立ち寄りやすいCVSの商品が市場をけん引し、拡大が見込まれる。
3.正月・年始
2014年見込 |
前年比 |
|
市場規模 |
1,371億円 |
101.9% |
(おせち料理(重詰め)) | 576億円 |
105.3% |
おせち料理、餅、年明けうどんを対象メニューとし、市場は専門商品に加え、対象メニューの前年12月28日から1月3日までの売上とした。今回調査した23のイベントの中では最も大きな規模を有する。餅と年明けうどんはほぼ横ばいだが、おせち料理(重詰め)が市場をけん引している。
重詰めおせちは世帯人数の減少に対応した小型商品、若年層のおせち離れに歯止めをかける洋風メニューの展開など、差別化を図った商品により2014年は前年比5.3%増の576億円が見込まれる。百貨店を中心に、ネット通販や量販店、CVSでの予約販売が行われており、特にCVSの注力度が高まっている。
4.バレンタインデー
2014年見込 |
前年比 |
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市場規模 |
603億円 |
102.2% |
チョコレート、クッキー・半生焼き菓子を対象メニューとし、市場は専門商品に加え、対象メニューの2月8日から14日までの売上とした。本命チョコ、義理チョコに限らず、友チョコや自分へのプチご褒美など多岐にわたる需要があり、小売店やメーカーの注力度の高いイベントとして盛り上がっている。贈る相手の嗜好や趣味を考えて商品を吟味する傾向が強まっており、試食による販促に力を入れるメーカーが増えている。
2014年は600億円を突破する見込みであるが、2015年、2016年と14日は週末になるため、義理チョコの需要が低迷し市場は縮小が予測される。一方で、義理チョコで浮いた費用を友チョコやプチご褒美に充てる消費者が増加するとみられ、例年以上に高品質、高単価の商品のラインアップが充実すると予想される。
5.イースター
2014年見込 |
前年比 |
|
市場規模 |
6.0億円 |
2.6倍 |
菓子類、イースターケーキの専用商品を対象とした。イベントの認知度は欧米と比較して低いものの、不二家や銀座コージーコーナーが取り組みを強化しており、キユーピーも外食向けにイースターメニューとして卵料理を提案していることから、今後の定番化が期待される。
◆調査結果の概要
2014年見込 |
前年比 |
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市場規模 |
5,475億円 |
101.2% |
今回調査した23のイベントにおける主要食品メニューの市場は、2013年で5,408億円となった。イベント展開はメーカーや小売店にとって、売り上げ拡大を図るために必要不可欠となっており、メーカーは専用商品のバリエーションや価格帯の拡充だけでなく、既存のイベントにとらわれず記念日協会に自社が制定した記念日を登録し、小売店へ新たに提案するなど、活動の幅を広げている。
2013年、2014年のイベント展開の特徴は、一世帯当たりの人数の減少に伴う小型商品や小容量商品への需要増加、伝統行事での洋風メニューの拡大、イベントに絡めた“コト”(バレンタインデーでの手作りチョコ提案や父の日で父親と一緒に飲むウイスキーなど)の提案などが挙げられる。2014年の市場は前年比1.2%増の5,475億円が見込まれ、特にパーティー提案ができるもの、エンターテインメント性の高いもの、洋風メニューの提案が活発なイベントが好調である。
◆調査対象イベント
正月・年始、受験生応援、節分、バレンタインデー、ひなまつり、ホワイトデー、春彼岸、お花見、イースター、こどもの日、母の日、父の日、半夏生、七夕、土用の丑、夏の節分、お盆・帰省、敬老の日、ハロウィーン、七五三、ボジョレー・ヌーボー、クリスマス、年末 |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。