PRESSRELEASE プレスリリース
"明らか食品"と"ドリンク類"健康志向食品の国内市場を調査
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2016年8月より4回に分けて、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトを持った食品(以下、H・Bフーズ)の国内市場を調査している。その第1回目の結果を報告書「H・Bフーズマーケティング便覧 2017 No.1 健康志向食品編」にまとめた。
この報告書では、一般加工食品に健康や美容に良いという成分を添加、強化した明らか食品とドリンク類に属する商品の市場を各訴求効能別(生活習慣病予防、滋養・強壮、免疫賦活作用など)、成分種類別に調査・分析した。今後は、第2回目に健康食品、シリーズサプリメントの機能志向食品、第3回目に機能性表示別食品(保健機能食品)の市場を捉え、第4回目では第1回から第3回目までの調査結果を基に全体市場の総括分析をする。
◆健康志向食品市場
2015年 |
2016年見込 |
2017年予測 |
|
明らか食品 |
4,341億円 |
4,545億円 |
4,696億円 |
ドリンク類 |
8,630億円 |
8,970億円 |
9,059億円 |
合 計 |
1兆2,971億円 |
1兆3,515億円 |
1兆3,755億円 |
2015年は「伊右衛門 特茶」「黒烏龍茶」(サントリー食品インターナショナル)に加え、各社の新商品が好調となった。ノンアルコールビール初のトクホである「サッポロプラス」(サッポロビール)や「黄金烏龍茶」(伊藤園)「ボス ブラック」(サントリー食品インターナショナル)などの特定保健用食品、「パーフェクトフリー」(キリンビール)や雪印メグミルクの「恵 megumiガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズなどの機能性表示食品が実績を伸ばし、市場拡大をけん引した。また保健機能食品ではないものの様々な効果を訴求する商品も注目されており、善玉菌など人体にいい影響を与える微生物を含んだ明治のプロバイオティックス商品「明治プロビオヨーグルトR-1」や"プリン体と戦う"を訴求する「明治プロビオヨーグルトPA-3」も実績を伸ばした。
2016年は「伊右衛門 特茶」のカフェインゼロ商品が発売され、生活習慣病予防、整腸効果、免疫賦活作用を訴求する機能性表示食品、高機能乳酸菌やプロバイオティクス配合商品が好調なことから市場拡大が見込まれる。またこれまで低調であった栄養バランス食品は食事代替や小腹満たし、スポーツ時の栄養補給など幅広いシーンで活用できることを訴求した販促により実績が回復している。
◆注目市場
1.生活習慣病予防 中性脂肪値・コレステロール値改善商品が市場をけん引
2015年 |
2016年見込 |
2017年予測 |
|
明らか食品 |
272億円 |
317億円 |
360億円 |
ドリンク類 |
1,828億円 |
2,061億円 |
2,141億円 |
合 計 |
2,100億円 |
2,378億円 |
2,501億円 |
各種成分の働きで高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化などの生活習慣病対策として、中性脂肪値・コレステロール値改善、血糖値改善、高血圧予防などを訴求した食品を対象とする。
2015年は中性脂肪値・コレステロール値改善の「伊右衛門 特茶」の好調に加え、「黒烏龍茶」がリニューアルし実績を伸ばし、血糖値改善のWトクホ「アサヒ 食事と一緒に十六茶W」(アサヒ飲料)や「からだすこやか茶W」(コカ・コーラシステム)が引き続き実績を伸ばしたことで市場は拡大した。2016年は生活習慣病予防ではなくダイエットを意識したユーザーが「伊右衛門 特茶」を購入するケースが増加している。女性をターゲットにカフェインゼロ商品「伊右衛門 特茶 カフェインゼロ」が発売されたことや、またカゴメが機能性表示食品のトマトジュースを発売し需要を獲得していることから中性脂肪値・コレステロール値改善商品のけん引により市場は大幅な拡大が見込まれる。
2.免疫賦活作用 高機能乳酸菌やプロバイオティクス訴求商品が好調
2015年 |
2016年見込 |
2017年予測 |
|
明らか食品 |
453億円 |
462億円 |
474億円 |
ドリンク類 |
649億円 |
690億円 |
699億円 |
合 計 |
1,102億円 |
1,152億円 |
1,173億円 |
免疫機能の強化として期待されるβ−カロチン、甜茶、プロポリス、高機能乳酸菌などの成分を含む食品を対象とする。
2015年は明治の「明治プロビオヨーグルトLG21」や「明治プロビオヨーグルトR-1」シリーズが大規模な販促により好調となり、「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ アセロラ&ブルーベリー」が発売されたことで市場は拡大した。2016年は明治が「LG21」シリーズのリニューアルに伴い販促を強化しているほか、「R-1」シリーズは夏場の需要開拓が進んだことで実績を伸ばしている。また森永乳業も宅配専用商品などで需要の囲い込みを進めており市場は拡大が見込まれる。
3.整腸効果 各社のプレーンヨーグルトの売り上げが好調
2015年 |
2016年見込 |
2017年予測 |
|
明らか食品 |
1,199億円 |
1,314億円 |
1,376億円 |
ドリンク類 |
1,209億円 |
1,253億円 |
1,257億円 |
合 計 |
2,407億円 |
2,566億円 |
2,632億円 |
乳製品を中心に食物繊維、オリゴ糖、プルーン、アロエなど整腸効果が期待される成分を含む食品を対象とする。
2015年は江崎グリコの「朝食BifiX」シリーズから4商品が機能性表示食品として発売され、整腸効果カテゴリーの対象となったことで市場が拡大した。2016年はヤクルト本社が小売チャネルへの販促を強化して売上を伸ばしていることや、乳業メーカー各社のプレーンヨーグルトの売れ行きが好調なことから、市場は拡大が見込まれる。
4.リラックス 機能性表示食品が市場をけん引
2015年 |
2016年見込 |
2017年予測 |
|
明らか食品 |
14億円 |
24億円 |
34億円 |
ドリンク類 |
2億円 |
9億円 |
9億円 |
合 計 |
15億円 |
33億円 |
42億円 |
セントジョーンズワートをはじめとするハーブ成分などを配合し、ストレスケアやリラックス効果を訴求する食品を対象とする。
2015年は「メンタルバランスチョコレート GABA」(江崎グリコ)が引き続き好調だったため市場をけん引し、前年比二桁増となった。2016年は同商品が機能性表示食品としてリニューアルされ、ストレス低減を明確に表示することが可能となったことで実績を伸ばしている。また各社から続々と新商品が発売されており、市場は前年比2倍を超える大幅な拡大が見込まれる。
◆調査対象
健康志向食品(明らか食品、ドリンク類)
滋養・強壮 | ビタミン、オタネニンジン、ローヤルゼリー、マカ、イミダゾールペプチド、その他 |
肝機能改善 | ウコン、オルニチン、カキ肉エキス、アラニン、その他 |
美肌効果 | コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸、アスタキサンチン、その他 |
整腸効果 | 食物繊維、プルーン、オリゴ糖、乳酸菌類、アロエ |
ダイエット | 食物繊維・マンナン、新甘味料、ギムネマ、プロテイン、ガルシニア・カンボジア、食事型カロリー調整食品<セットタイプ>、その他 |
生活習慣病予防 | DHA、カテキン、黒酢・香醋、もろみ酢、コエンザイムQ10、難消化性デキストリンなどのトクホ素材、乳酸菌類他 |
血行促進 | 生姜、ビタミンE、シトルリン |
免疫賦活作用 | β-カロチン、甜茶、プロポリス、乳酸菌類 |
栄養バランス | 栄養バランス食品 |
骨・関節サポート | カルシウム、グルコサミン |
覚醒効果 | カフェイン、その他 |
貧血予防・改善 | ヘム鉄、非ヘム鉄 |
喉の不快感除去 | ハーブ系、メントール系、複合系 |
虫歯予防 | キシリトール、リカルデント、POs-Ca、ユーカリ抽出物、その他 |
エチケット | クロロフィル系、フラボノイド系、フレグランス系、その他 |
アイケア | ブルーベリー、アスタキサンチン、その他 |
マルチバランス | マルチビタミン、ビタミンC、アミノ酸、その他 |
ホルモンバランス | ザクロ、大豆イソフラボン |
リラックス | ギャバ、その他 |
グリーンチャージ | 青汁、ミドリムシ |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。