PRESSRELEASE プレスリリース
国内市場は2030年度に6,387億円
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、IoT、AI、ブロックチェーン、5G(第5世代移動通信システム)など新たな技術の活用により効率化や高付加価値化が可能となり拡大が期待されるエネルギーマネジメント/アグリゲーションサービスの国内市場を調査した。その結果を「エネルギーデジタル化ビジネス総調査 2019 サービス・システム市場編」、「(同) 企業編」にまとめた。
サービス・システム市場編ではエネルギーリソースのマネジメント/アグリゲーションサービス10品目の市場を分析し、将来を展望した。企業編では電力・ガス事業者6社、電力・ガス系エネルギーサービス事業者4社、エネルギーサービス事業者5社、太陽光発電関連サービス事業者5社の分析を行った。
◆調査結果の概要
■エネルギーマネジメント/アグリゲーションサービス国内市場

エネルギーマネジメント/アグリゲーションサービス市場はESP(エネルギーサービスプロバイダー)サービスなどマネジメント系サービスが大半を占めており、2018年度に2,060億円となった。今後もマネジメント系サービスが市場をけん引するが、2020年度以降はFITの買取期間が終了した住宅(以下:卒FIT住宅)を対象とした太陽光発電システムの余剰電力買取サービスなどアグリゲート系サービスが伸長し、2024年度のDRでの応札も可能な容量市場開設を契機にDR/VPPが拡大していき、市場は2030年度には2018年度比3.1倍の6,387億円が予測される。
【エネルギーマネジメント/アグリゲーションサービスの効率化・高付加価値化に寄与する技術】
IoT、AI、ブロックチェーン、5Gなど新たな情報収集・処理・通信技術を応用する分野は幅広く、エネルギー分野でも数多くのサービスで実証・実用されている。「IoT」はセンシングによる各種エネルギーデータ収集や管理の一元化、省エネ制御機能向上、システム統合化などで実用化がみられる。
「AI」は、既にDR/VPPでは電力需要量の予測やDR応答の需要家の順位付けや組み合わせなどで、エネルギーマネジメントサービスでは電力消費量と天候の相関の解析などで実用化されている。IoTプラットフォームによって基盤が構築され収集した様々なデータを解析することで業務効率化やサービスの高度化など高付加価値化が可能となりエネルギーサービス自体の価値向上や需要増加が期待される。
「ブロックチェーン」はDR/VPPにおける電力取引履歴の記録や、P2P電力取引サービスなどでの採用が想定される。P2P電力取引サービスは2022年度頃の事業化が予想されるが、取引量や取引される電源の種類が増大するにつれ、低廉でセキュアな取引システムが求められていき、エネルギーサービスの新市場創出に寄与するとみられる。
■カテゴリー別エネルギーマネジメント/アグリゲーションサービス国内市場
【マネジメント系サービス】
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2018年度 |
2030年度予測 |
2018年度比 |
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2,021億円 |
5,295億円 |
2.6倍 |
自家発電・熱源・空調・受変電などのユーティリティ設備をサービス事業者が保有・運用し、サービスとして設備の機能を提供するESPサービスが市場をけん引している。ESPサービスは都市部再開発などに伴う大規模案件の増加や電力・ガス事業者による従来の供給エリア外での電気やガスの供給とセットでの展開も進んでいることから好調である。また、CGS(コジェネレーションシステム)によるサービスの利用が増加した2000年代前半からの案件が更新時期を迎えていることから、需要家への提案が活発化している。
今後は太陽光関連サービスが伸長するとみられ、特にサービス事業者など第三者が太陽光発電システムを設置・所有し、サービスとして発電電力を提供するソーラーPPAの急速な拡大が予想される。PPAモデルの認知度向上に加え、太陽光発電システムの導入コスト低減によりFITに頼らずとも収益確保が比較的容易になったことから、事業者の新規参入が相次いでいる。契約期間は10年~20年間と長期にわたるため2030年度までは拡大が続くとみられるが、将来的には太陽光発電システムの導入コストがさらに低減することで、PPAの活用から需要家によるシステムの購入へ移行していくとみられる。
【アグリゲート系サービス】
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2018年度 |
2030年度予測 |
2018年度比 |
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5億円 |
900億円 |
180.0倍 |
これまではエネファームの余剰電力買取サービスのみ形成されており、2019年11月の卒FIT住宅の出現により、卒FIT電力を対象とした太陽光発電システムの余剰電力買取サービスと余剰電力を一時的に蓄電したとみなす電力預かりサービスが本格化し、2019年度の市場は2018年度比11.0倍の55億円と急激な拡大が見込まれる。
今後、卒FIT住宅の増加により、太陽光発電システムの余剰電力買取サービスが市場をけん引するとみられる。買取サービス開始以前は、旧一般電気事業者によって買い取られていたが、新電力でも卒FITを契機に電力契約の切替えなどを狙って高い買取単価を提示するケースが増えており、中長期的には新電力のシェアが増えていくとみられる。
【DR/VPP(デマンドレスポンス/バーチャルパワープラント)】
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2018年度 |
2030年度予測 |
2018年度比 |
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35億円 |
192億円 |
5.5倍 |
2023年度まで実施される調整力公募のうちDRが活用される「電源I’」と2024年度から開設され、アグリゲートによる小規模電源の参加も可能となる容量市場で取引されるDRのkW価値を対象としており、需給調整市場や卸電力市場などによるDR/VPPは含まない。
現在、DRの市場は調整力公募がメインであり、契約は入札によって決まる。供給力の確保を目的としており、電力需給ひっ迫時に電力需要の抑制を約束する需要家へインセンティブが支払われる。市場としては2018年度、2019年度、2020年度とほぼ横ばいが予想される。
容量市場開設によりアグリゲーターが事業を本格化させるとみられ、2024年度以降の市場拡大が期待される。また、1,000kW未満の小規模電源のアグリゲートによる参加も可能となることから、創エネ・蓄エネ機器を活用したVPPの市場形成も期待される。
■エネルギーリソース別DR/VPPポテンシャル
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2018年度 |
2030年度予測 |
2018年度比 |
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総ポテンシャル |
807,150MW |
831,860MW |
103.1% |
DR/VPPのエネルギーリソースとして活用できる機器のポテンシャル容量を普及台数と定格容量をベースに算出した。需要家別にはポテンシャル容量が最も大きいのは住宅需要家とみられる。また、機器別には空調機器のポテンシャル容量が大きく、照明機器が続く。しかし、照明機器はLED化により今後容量が減少していくとみられる。
対象機器:空調・給湯・照明・厨房機器、自家発電設備、太陽光発電システム、蓄電池、EV/PHV(生産設備は含まない)
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2018年度 |
2030年度予測 |
2018年度比 |
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太陽光発電システム |
14,940MW |
25,090MW |
167.9% |
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EV/PHV |
650MW |
10,630MW |
16.4倍 |
太陽光発電システム(住宅・業務需要家向け)は普及が進むことで容量増加が予想される。効率的にDR/VPPで活用するには蓄電池の併設が必要となるが、今後蓄電池の有望な導入先である卒FIT住宅のポテンシャル容量は2019年度で2,120MWが見込まれ、2030年度で12,170MWが予測されることからDR/VPPのリソースとしても活用が期待される。EV/PHVは蓄電池としても有望視されており、普及によって大幅な容量増加が予想される。V2Hの実用化や、オフィスビルや商業施設で充電器を設置し、BEMSやBASと接続することによる駐車中のEV/PHVを用いたDR/VPPでの活用が期待される。
◆調査対象
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エネルギーマネジメント/アグリゲーションサービス市場 |
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マネジメント系 |
・太陽光発電遠隔監視サービス |
・ソーラーPPA |
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・空調・熱源設備遠隔監視サービス |
・ESPサービス |
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・エネルギーマネジメントサービス |
(エネルギーサービスプロバイダー) |
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アグリゲート系 |
・余剰電力買取サービス(エネファーム) |
・電力預かりサービス |
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・余剰電力買取サービス(太陽光発電システム) |
・P2P電力取引サービス |
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DR |
・DR/VPP |
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エネルギーリソース別DR/VPPポテンシャル |
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需要家別 |
・住宅 |
・業務 |
・産業 |
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機器別 |
・空調機器 |
・厨房機器 |
・蓄電池 |
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・給湯機器 |
・自家発電設備 |
・EV/PHV |
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・照明機器 |
・太陽光発電システム |
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