PRESSRELEASE プレスリリース
プラスチックフリーやラベルレスなどのエコパッケージが大きく伸びる
■サスティナブルフード 1兆6,104億円(13.7%増)
~消費者・メーカーの環境意識の高まりにより堅調に拡大~
●エコパッケージ(プラスチックフリー) 417億円(14.2%増)
~2020年以降、菓子類や袋めんなどで紙パッケージへのリニューアルが増加~
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、SDGs実施指針の策定以降、各産業で環境保全や労働環境整備への取り組みが進められる中、食品業界の展開の一つとして各メーカーが注力する、エコパッケージや生産地・労働者サポートなどを訴求したサスティナブルフードの国内市場を調査した。その結果を「SDGs社会に向けて変革するサスティナブルフード市場の現状と将来予測」にまとめた。
この調査では、サスティナブルフードとして、エコパッケージ(軽量化、薄肉化、小型化、プラスチックフリー、ラベルレスなど)、その他グリーン調達、生産地・労働者サポートを訴求する商品を対象に、それらの市場の現状を調査し、将来を予想した。
※商品パッケージを通じて環境配慮、労働者配慮を訴求する
家庭用の一般加工食品をサスティナブルフードと定義した
◆調査結果の概要
■サスティナブルフードの国内市場
この調査ではエコパッケージ(軽量化、薄肉化、小型化、プラスチックフリー、ラベルレスなど)、その他グリーン調達(エコレールマーク認証、MSC認証など)、生産地・労働者サポートを訴求する家庭用の一般加工食品をサスティナブルフードとして市場を捉えた。
2015年に国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs)が採択されて以降、国内でもサスティナブルフード商品の発売が増えている。2019年から2020年は、開催が予定されていた東京五輪に向けてメーカーが商品展開を加速させたため、それに伴い市場は順調に拡大した。人や社会・環境に配慮した消費行動が進んでいることを受けて、メーカーの取り組みが強化されていることから、2021年以降は更なる市場拡大が予想される。
現状はエコパッケージ商品が90%以上を占める。以前から進められている軽量化や薄肉化、小型化を訴求した容器包装が中心であるが、近年ではごみを減らせることから環境への配慮が直接的に訴求できるプラスチックフリーやラベルレスが大きく伸びている。
その他グリーン調達では、配送において二酸化炭素排出量の少ない鉄道貨物を利用する商品などを対象とした認定制度であるエコレールマーク商品が、菓子などを中心に伸びている。また、MSC(海洋管理協議会)認証商品が大手小売り企業のPB商品などで展開されている。
生産地・労働者サポートは、レインフォレスト・アライアンス認証や国際フェアトレード認証を受けた商品が中心である。生産地や労働者への支援、持続可能な農業といった観点から支持されており、コーヒー類やナッツ類などが伸びている。
◆注目市場
●エコパッケージ(プラスチックフリー)
2021年見込 |
2020年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
417億円 |
114.2% |
779億円 |
2.1倍 |
エコパッケージ化の流れの中で、2019年に「キットカット」(ネスレ日本)の紙パッケージへのリニューアルが、積極的なPRにより注目を集め、消費者に食品のプラスチック包装が環境・ゴミ問題につながることを再認識させるきっかけとなった。2020年以降、菓子類や袋めんなどで紙パッケージへのリニューアルが増加し、2021年の市場は417億円が見込まれる。
プラスチックフリーのパッケージは、企業やブランドの環境への取り組みに対する高評価が期待できるため、既存商品の紙パッケージへのリニューアルを予定する企業も多く、採用は加速するとみられる。
また、外食産業で進むプラスチックストローの提供廃止や紙ストローへの切り替えの流れを飲料商品も受けつつある。現状は、多数アイテムを揃えるブランドの一部商品や限定チャネルによる試験的な展開にとどまるが、消費者の紙ストローへの抵抗感が軽減されていくとともに、今後は採用が増えるとみられる。
◆調査対象
サスティナブルフード |
・エコパッケージ(プラスチックフリー、ラベルレスなど) |
・その他グリーン調達 |
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・生産地・労働者サポート |
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主要参入企業の取り組み |
12社 |