PRESSRELEASE プレスリリース

第21116号

国内臨床検査市場を総括的に分析
―2021年見込(2020年比)/2025年予測(2020年比)―
■国内臨床検査市場 6,532億円(24.3%増)/6,348億円(20.8%増)
~2021年は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数の増加に伴い検査需要が高まり、拡大~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、新型コロナウイルス感染症の流行による検査需要の高まりにより、遺伝子検査や免疫血清検査を中心に注目が集まる国内臨床検査市場を調査した。その結果を「2021 有力臨床検査企業戦略・業界トレンド分析」にまとめた。

この調査では、検査分野別の検査薬および検査装置市場を総括的に分析したほか、主要臨床検査企業53社、注目臨床検査企業8社、主要臨床検査センター6社、計67社の企業事例および戦略を捉えることで、将来を展望した。

◆調査結果の概要

■国内臨床検査市場

 

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

検査薬

5,752億円

128.8%

5,632億円

126.1%

検査装置

780億円

99.0%

716億円

90.9%

合 計

6,532億円

124.3%

6,348億円

120.8%

国内臨床検査市場は、1%程度の安定した伸びで推移してきた。2020年は新型コロナが流行すると、患者の医療機関受診控えの影響を受け、既存の検査分野の多くが縮小したが、未知のウイルスであることから検査の重要性が高まり、春から秋頃に発売された新型コロナウイルス検査薬が一気に伸び市場は前年比3.4%増となった。2021年は新規感染者数の増加に伴い検査需要がさらに高まっており、多くのメーカーから新型コロナウイルス検査薬が発売されたことから市場は前年比24.3%増が見込まれる。

■分野別国内臨床検査薬市場

 

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

医療機関市場

一般検査

82億円

98.8%

80億円

96.4%

生化学検査

585億円

101.7%

578億円

100.5%

血液検査

418億円

100.2%

417億円

100.0%

細菌検査

229億円

98.7%

260億円

112.1%

免疫血清検査

2,480億円

113.8%

2,430億円

111.5%

遺伝子検査

1,380億円

3.5倍

1,310億円

3.3倍

病理検査

97億円

103.2%

108億円

114.9%

その他

51億円

102.0%

56億円

112.0%

小 計

5,322億円

132.0%

5,239億円

130.0%

OTC検査

430億円

98.9%

393億円

90.3%

合 計

5,752億円

128.8%

5,632億円

126.1%

一般検査は尿試験紙の市場であり、既に成熟していることから微減で推移している。

生化学検査は検査項目の多くが普及から長期が経過していることから市場は飽和している。HbA1cの割合が大きく、その伸長により市場は微増で推移してきたものの、近年はHbA1cの伸びが鈍化している。2020年は新型コロナの流行により医療機関への受診や健康診断を控える動きがあったことから、需要減となった。

血液検査は、血球計数用消耗品、血液凝固・線溶試薬を対象とする。近年、血球計数用消耗品が横ばいで推移しているものの、血液凝固・線溶試薬は、血栓の診断、循環器疾患の診断に使用されるDダイマーがけん引し、伸長している。2020年は生化学検査と同様、新型コロナの流行により医療機関への受診や健康診断を控える動きがあったことから、需要減となった。2021年も同規模の市場が予想される。

細菌検査は、細菌の培地による培養、血液ボトルによる血液培養、薬剤感受性などの培養による検査である。細菌を抗原抗体反応で検出する検査は、免疫血清検査に含む。2020年は、マスクの着用などコロナ禍に伴う予防対策が他の感染症にも奏功したことや、患者の医療機関受診控えにより市場は大幅減となった。2021年の市場も同程度の規模になるとみられる。

免疫血清検査は、輸血検査、がん、ホルモン、感染症、自己免疫、血漿蛋白、TDMなどの検査領域で構成され、検査薬市場の半数近くを占める。2020年は、新型コロナの流行に伴うマスクの着用や手指消毒、ソーシャルディスタンスなどの対策によりインフルエンザの流行がほとんどみられず、インフルエンザ抗原迅速検査キットの需要が激減した。免疫血清検査でも化学発光法やイムノクロマト法による新型コロナウイルス検査薬が発売されたものの、新型コロナのPCR検査が主流であるため、インフルエンザ抗原迅速検査キットのマイナスをカバーするには至らず、前年比2.5%減となった。2021年は新型コロナウイルス検査薬の需要増により、前年比二桁増が予想される。

遺伝子検査は、これまで肝炎や結核など感染症関連の検査項目を中心に緩やかに伸長してきたが、2020年に新型コロナの流行が本格化すると、新型コロナのPCR検査需要が新たに誕生し、市場は前年比2.3倍となった。2021年も通年では新型コロナの新規感染者数が増加したことや検査需要の高まりにより、前年を上回る伸びが予想される。

病理検査は、細胞診、手術や穿刺により体外に摘出した組織の染色診断などであり、免疫組織染色用抗体などを対象とする。免疫染色検査が中心であり、遺伝子検査で腎臓がんのモニタリング試薬などが発売されたことから伸長している。

OTC検査は、血糖自己測定試薬、妊娠検査薬、排卵日予知薬、尿試験紙を対象とする。最も市場規模の大きい血糖自己測定試薬は、2018年をピークに縮小に転じている。また、妊娠検査薬、排卵日予知薬は出生数の減少が続いていることや新型コロナの流行により妊娠・出産を控える層もみられることから、2021年は微減が予想される。

■分野別国内臨床検査装置市場

 

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

医療機関装置市場

一般検査装置

11億円

110.0%

11億円

110.0%

生化学検査装置

272億円

99.3%

252億円

92.0%

血液検査装置

140億円

100.7%

139億円

100.0%

細菌検査装置

29億円

107.4%

34億円

125.9%

免疫血清検査装置

183億円

92.0%

161億円

80.9%

遺伝子検査装置

51億円

113.3%

20億円

44.4%

病理検査装置

9億円

100.0%

10億円

111.1%

その他装置

71億円

102.9%

77億円

111.6%

小 計

764億円

99.0%

702億円

90.9%

OTC検査装置

16億円

100.0%

15億円

93.8%

合 計

780億円

99.0%

716億円

90.9%

※市場データは四捨五入している

一般検査装置は尿自動検査装置の市場であり、2020年は新型コロナの影響により買い控えが起きたことから大幅に減少したが、2021年は回復に向かうとみられる。

生化学検査装置は自動化学分析装置、簡易分析装置、電解質分析装置、血糖分析装置、血液ガス分析装置、HPLC装置を対象とする。市場は飽和しており、2019年に一時的に伸びたものの、以降は微減で推移するとみられる。

血液検査装置は血球計数装置、血液凝固装置などを対象とする。新型コロナの影響はほとんどみられず、市場は微増で推移している。

細菌検査装置は同定検査装置、感受性検査装置、血液培養装置を対象とする。市場は飽和しており、近年微減で推移していた。2020年は新型コロナの影響により装置メーカー各社が医療機関への営業訪問を自粛したため、大幅に減少した。

免疫血清検査装置は化学発光装置、CRP測定専用装置、便潜血測定装置などを対象とする。2020年は新型コロナの影響によりCRP測定専用装置、便潜血測定装置が減少したものの、化学発光装置が新型コロナ検査のため空港での設置が進み、大幅に伸びたことから市場は前年比33.6%増となった。2021年も需要は継続するとみられる。

遺伝子検査装置は2020年、新型コロナ検査のためリアルタイムPCR装置の設置が進み、大幅に伸長した。2021年も続伸するとみられる。

病理検査装置はフルオート装置を中心に伸びている。2020年はロシュ・ダイアグノスティックスの「ベンタナ ベンチマークULTRA」が大幅に売上を伸ばしたため、前年比二桁増となった。

OTC検査装置は血糖自己測定装置の市場である。数量ベースでは微増推移しているが、価格競争によって金額ベースでは微減となっている。

◆調査対象

有力臨床検査企業

・主要臨床検査企業53社

・注目臨床検査企業8社

・主要臨床検査センター6社

 


2021/11/30
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