PRESSRELEASE プレスリリース

第23038号

FAロボットと構成部材の市場を調査
EVや半導体関連の設備投資増で拡大が続く
―2027年予測(2022年比)―
■製造業向けロボットの世界市場 2兆1,718億円(153.2%)
物流業界や三品業界における自動化ニーズを獲得して、協働ロボットなどが伸びる
●協働ロボットの世界市場 2,889億円(2.6倍)
ハンドリングや検査工程に加え、安全柵を用いないパレタイジングなどでも普及が進む

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、スマートフォン製造関連での需要減少がみられるものの、半導体やEV関連の設備投資の増加を受けてニーズが高まるFAロボットの世界市場を調査した。その結果を「2023年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 FAロボット編」にまとめた。

この調査では、製造業向けロボット17品目、半導体・電子部品実装向けロボット7品目、ロボット向け注目構成部材9品目の市場に加え、ソリューション・サービス2品目の市場についても現状を明らかにし、将来を展望した。なお、サービスロボットについては、「(同)サービスロボット編」でまとめており、調査結果の概要は2023年2月17日に発表した。

◆調査結果の概要

●製造業向けロボットの世界市場

 

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

溶接・塗装系

3,995億円

108.0%

5,298億円

132.6%

アクチュエーター系

532億円

105.3%

1,005億円

188.9%

組立・搬送系

8,340億円

114.0%

1兆3,744億円

164.8%

クリーン搬送系

1,313億円

110.2%

1,671億円

127.3%

合 計

1兆4,179億円

111.5%

2兆1,718億円

153.2%

※市場データは四捨五入している

製造業向けロボットの市場は、中国や欧州を中心にEV関連の設備投資が好調であり、車載バッテリー向けなどが伸びたことから、2022年は前年比11.5%増の1兆4,179億円となった。

物流業界や三品業界(食品・医薬品・化粧品業界)は自動化ニーズが高く、今後はスカラロボットや小型垂直多関節ロボット(可搬重量20kg以下)、垂直多関節ロボット(可搬重量21kg以上)、協働ロボットなどの伸びによって、市場拡大が続くとみられる。

溶接・塗装系は、主な用途である自動車業界の設備投資状況に左右される。2022年の市場は、EV関連の設備投資増加を受けて、中国や米州で拡大した。

中長期的には、EVの普及でエンジンやマフラーなど部品数が減少するため、設備投資は鈍るとみられ、市場の伸びが緩やかになると予想される。

アクチュエーター系は、日本市場とアジア市場の構成比が高く、アジア市場の半分を中国が占める。

2022年は中国のスマートフォン製造関連の設備投資抑制や、新型コロナウイルス感染症流行によるロックダウンなどの影響を受けながらも、車載関連や半導体製造関連、産業機器などで需要が増加し、市場は拡大した。

2023年以降は、車載関連や半導体製造関連、産業機器向けの部材供給が正常化に向かうことにより、電動スライダーや単軸ロボットの需要が増えるため、2027年の市場は2022年比88.9%増が予測される。

組立・搬送系は、2022年の市場はスマートフォン関連の設備投資減少の影響を受けて、スカラロボットや小型垂直多関節ロボット(可搬重量20kg以下)など、電機・電子関連、コンシューマ機器関連でニーズの高いロボットが伸び悩んだ。一方、車載バッテリーなどEV関連製品の伸びを背景に、垂直多関節ロボットのうち可搬重量50kg以上のロボットは需要が高まった。

2023年はスマートフォン関連の需要増加は期待できないため、市場の伸びは小幅にとどまるとみられる。中長期的には小型垂直多関節ロボット(可搬重量20kg以下)などの需要は底堅いため、市場は前年比10%以上の伸びが続くと予想される。

クリーン搬送系は、2022年の市場は前年比10.2%増となった。ウエハー搬送ロボットは、スマートフォン市場の縮小の影響を受けてメモリ関連を中心に設備投資が低調だったため、大幅な伸びには至らなかった。ガラス基板搬送ロボットは、ディスプレイの生産能力が需要を上回る状況が続いており、設備投資が更新需要のみにとどまっていることから、前年比横ばいとなった。

今後も、ガラス基板搬送ロボットはディスプレイ生産能力が需要を上回り、積極的な設備投資が期待できないことから、縮小するとみられる。ウエハー搬送ロボットは、2022年に過熱した半導体製造関連の需要に落ち着きがみられるものの、米国では設備投資増加が期待されるため、堅調な伸びが予想される。

●半導体・電子部品実装向けロボットの世界市場

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

7,536億円

92.6%

9,279億円

123.1%

半導体・電子部品実装向けは、2022年の市場は中国におけるスマートフォン市場の減速の影響が大きく、前年比7.4%減となった。特に、電子部品実装向けが大きく伸びた前年からの反動や部材不足の長期化を受けて、需要が落ち込んだ。

2023年もスマートフォン関連の設備投資は抑えられるため、市場は縮小が続くとみられる。中期的には、EVや自動運転の普及に伴う車載電装品の伸びや、5G関連の基地局やサーバーといったネットワーク機器関連の需要が増加するため、高速モジュラーマウンターやフリップチップボンダーなどの伸びが期待され、市場拡大が予想される。

◆注目市場

●協働ロボットの世界市場【製造業向けロボット】

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

1,132億円

128.3%

2,889億円

2.6倍

人に近い動作や作業環境・内容で利用し、組立や搬送などのシーンで人からの置き換えや協働を目的としたロボットを対象とする。

2022年は、製品の認知度や活用方法がユーザーに浸透してきたことや、上位メーカーの大幅な実績増により、市場は前年比28.3%増となった。特に、可搬重量20kg~25kg前後の製品では、パレタイジング用途で人からの置き換えが進み、参入メーカーがラインアップを拡充したことから、市場拡大につながった。

今後は、ハンドリングや検査工程だけでなく、安全柵を用いないパレタイジングなどの用途もさらに普及するとみられる。中国メーカーなど、参入メーカーの増加による選択肢の広がりや、人件費の高騰や自動化・省人化ニーズが高まっているASEANなどでの伸びも予想され、2027年の市場は2022年比2.6倍が予測される。

●垂直多関節ロボット(可搬重量21kg以上)の世界市場【製造業向けロボット】

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

3,593億円

118.3%

4,992億円

138.9%

可搬重量21kg以上の垂直多関節ロボットを対象とする。特定用途に特化したロボットは対象としない。

2022年は、EV関連の設備投資が活況となり、パレタイジング向けに可搬重量25kg前後、車載バッテリー向けに可搬重量50kg以上のロボットの需要が高まったため、中国や米州を中心に市場は拡大した。

2023年は、EV関連では引き続き伸びが期待されるが、それ以外の電機・電子関連などで設備投資が縮小しているため、市場は微増にとどまるとみられる。

今後は、自動車関連以外への採用開拓を進めることで、さらなる市場拡大が期待される。

●リニア搬送システム市場[日本市場+日系メーカー海外販売]【ロボット向け注目構成部材】

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

22億円

110.0%

68億円

3.1倍

リニアモーターとスライダー、コントローラーなどで構成され、生産ラインの中で対象製品を高速かつ高精度に搬送するシステムである。

2022年は、電子部品など部材不足の影響がみられたが、高速かつ高精度で低発塵な搬送が実現できることや、レイアウト変更が容易で自由度の高い生産ライン構築が可能なことから、自動車部品や車載バッテリー、電子部品などの組み立てや搬送工程への普及が進んだ。また、柔軟な生産ラインへの対応は、多品種少量生産の多い三品業界でも需要増加に繋がっており、市場は拡大した。

今後は、EV関連の設備投資増加や、三品業界の需要増加を背景に市場が大きく拡大するとみられる。

●FAケーブル市場[日本市場+日系メーカー海外販売]【ロボット向け注目構成部材】

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

222億円

116.8%

280億円

126.1%

FA関連装置に使用される可動用や動力供給用、通信制御用のケーブルを対象とする。なお、装置周辺に採用される固定用ケーブルは対象外とする。

2022年は、EV関連の設備投資増加を背景に製造業ロボット向けが伸長した。半導体不足の解消に向けて半導体製造装置向けのウエハー搬送ロボットの需要が増加し、使用されるケーブルが増加したことから、市場は拡大した。

2023年は、引き続きEV関連の製造業ロボット向けで引き合いが増加するものの、スマートフォン関連やウエハー搬送ロボットの受注の勢いが弱まっているため、市場は微増にとどまるとみられる。中長期的には、製造業ロボット向けの伸びに伴い、市場拡大が予想される。

◆調査対象

製造業向けロボット(17品目)

溶接・塗装系

・アーク溶接ロボット

・スポット溶接ロボット

・塗装ロボット

アクチュエーター系

・単軸ロボット

・直交ロボット

・電動スライダー

組立・搬送系

・卓上型ロボット

・小型垂直多関節ロボット

・パラレルリンクロボット

・パレタイジングロボット

(可搬重量20kg以下)

・協働ロボット

・取出しロボット

・垂直多関節ロボット

・アーム付AGV

・スカラロボット

(可搬重量21kg以上)

 

クリーン搬送系

・ガラス基板搬送ロボット

・ウエハー搬送ロボット

 

半導体・電子部品実装向けロボット(7品目)

・高速モジュラーマウンター

・多機能マウンター

・フリップチップボンダー

・中速モジュラーマウンター

・ダイボンダー

 

・低速マウンター

・ワイヤボンダー

 

ロボット向け注目構成部材(9品目)

・FAケーブル

・オートツールチェンジャ

・セーフティレーザースキャナ

・精密制御減速機

・ロボット用力覚センサー

・汎用ロボットハンド

・ロボット用サーボモーター

・ロボットビジョンシステム(2D/3D)

・リニア搬送システム

ソリューション・サービス(2品目)

・ロボット制御ソリューション

・協働ロボットレンタルサービス

 

   は、日本市場+日系メーカー海外販売


2023/04/05
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