PRESSRELEASE プレスリリース

第24002号

清涼飲料類、アルコール飲料、嗜好品の国内市場を調査
― 2024年市場予測(2022年比) ―
●国産ビール 1兆575億円(16.4%増)
酒税法改正によりメーカー各社が注力、新商品の投入などが進む

●ルイボスティー 44億円(76.0%増)
香りの良さからリラックス需要を獲得。新たなユーザーの開拓に成功し市場活性化

●国産ミネラルウォーター類 4,195億円(15.4%増)
価格改定に伴い、コスパの良さから茶系飲料などから需要流入。インバウンド需要も追い風

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、加工食品(27カテゴリー385品目)のうち、価格改定の影響によりコスパの良い国産ミネラルウォーター類が好調な清涼飲料類、酒税法改正により国産ビールの回復が著しいアルコール飲料、清涼飲料類からの需要流入が期待される一方で価格改定による買い控えがみられる嗜好品の計3カテゴリー97品目の市場を調査した。その結果を「2024年 食品マーケティング便覧 No.3」にまとめた。

◆注目市場

●ビール類【アルコール飲料】

ビール類市場規模

国産ビール、国産新ジャンルビール風味アルコール飲料(国産新ジャンル)、その他ビール類(国産発泡酒、輸入ビール類、クラフトビール)を対象とした。

2020年、2021年とコロナ禍により業務用が低迷していたが、2022年は外食需要が回復に向かい、国産ビールがけん引する形で市場が拡大した。

2023年の市場は引き続き拡大が予想される。10月に施行された酒税法改正により、国産ビールと国産新ジャンルの価格差が縮まっており、メーカー各社が国産ビールに注力し、新商品の投入などを積極的に進めていることから、国産ビールは1兆円まで回復が見込まれる。一方、国産新ジャンルはこれまで評価されていた価格優位性が弱まり、国産ビールやRTDへ需要がシフトしている。

今後は、2026年10月の酒税一本化に向け、メーカー各社は引き続き国産ビールに注力するため、市場は引き続き国産ビールがけん引するとみられる。一方で、国産新ジャンルは縮小が続き、ブランドの集約化なども進むと予想される。

●ジャスミンティー、ルイボスティー【清涼飲料類】

ジャスミンティー、ルイボスティー市場規模

2022年は人流回復によるオフィスでの需要増加、メインチャネルの一つであるコンビニエンスストアでのPB商品の発売などにより、ジャスミンティー、ルイボスティー、どちらの市場も拡大した。

2023年は香りの良さからリラックス需要を獲得しており、市場が拡大するとみられる。特に、ルイボスティーはサントリー食品インターナショナルの新商品がこれまでみられなかった男性需要を獲得、新たなユーザーの開拓により市場が活性化し、大幅な拡大が予想される。

●国産ミネラルウォーター類【清涼飲料類】

国産ミネラルウォーター類市場規模

2022年、2023年ともに、猛暑により市場が拡大している。清涼飲料全体の価格改定に伴い、コスパの良さから茶系飲料など他の清涼飲料からの需要が流入しているほか、ミネラルウォーターを日常的に飲用する外国人観光客などインバウンド需要の取り込みも大きく、2023年の市場は二桁近い伸びが見込まれる。

夏場には供給不足となるケースもみられており、参入メーカーは設備強化を進めていることから、供給量が安定することで、今後も市場拡大を続けると予想される。

◆調査結果の概要

清涼飲料類、アルコール飲料、嗜好品の国内市場

清涼飲料類は、猛暑や人流回復から炭酸飲料や麦茶などが好調である。価格改定もあり2023年の市場は拡大が予想されるが、より低価格なPB商品やミネラルウォーターなどへのシフトもみられる。
消費者のニーズが低価格帯商品へシフトしている中で、参入企業は高付加価値商品への注力度を高めており、無糖茶飲料や炭酸飲料では味の濃さや香りなど味覚面での差別化を進めている。また、ストレス軽減や睡眠の質向上を中心とした機能性表示食品の展開も積極的に行われており、健康需要獲得の取り組みも強化されている。

アルコール飲料は、コロナ禍の家飲み需要に落ち着きがみられているが、2022年以降、外食需要が戻ってきたことで業務用の回復が進み、特に規模の大きい国産ビールが大きく復調している。2023年は、引き続き業務用が回復していることから市場拡大が続くとみられる。
2023年10月に酒税法改正が行われたことから国産ビールやRTDが好調であるほか、国産ウイスキーの人気の高まり、ノンアルコール商品や機能型ビールなどによる健康需要獲得などによって、今後も市場回復が続くとみられる。

嗜好品は、外出機会の増加により業務用、加工用の回復が進む一方、家庭内での飲用機会が減少している。節約志向の強まりから清涼飲料からの需要流入が期待されるものの、嗜好品自体も価格改定による買い控えがみられる。
今後は値上げの影響も一巡し、レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーでは新規ユーザーの獲得が予想される。また、コーヒーではカフェのブランド名を冠した商品、茶系ではルイボスティー、ジャスミンティーなどリラックスニーズを捉えた商品など、付加価値商品が市場を底支えするとみられる。

◆調査対象

清涼飲料類
・100%果汁飲料
・果汁飲料
・低果汁入清涼飲料
・果粒含有果実飲料
・果肉飲料
・トマト飲料
・野菜飲料
・果実野菜混合飲料
・コーラフレーバー飲料
・透明炭酸飲料
・果汁系炭酸飲料
・ジンジャーエール
・乳類入炭酸飲料
・無糖炭酸飲料
・飲用牛乳類
・乳飲料
・乳製品乳酸菌飲料
・乳酸菌飲料
・ドリンクヨーグルト
・乳類入清涼飲料
・缶コーヒー
・リキッドコーヒー
・紅茶(リキッドタイプ)
・ウーロン茶(リキッドタイプ)
・日本茶(リキッドタイプ)
・麦茶(リキッドタイプ)
・ブレンドティ
・その他ティードリンク
・バラエティドリンク
・食系ドリンク
・薬系ドリンク
・健康サポート飲料
・パウチゼリー飲料
・機能性清涼飲料
・スポーツドリンク
・粉末機能性清涼飲料・スポーツドリンク
・豆乳類
・アーモンドミルク
・ビネガードリンク(ストレート)
・国産ミネラルウォーター類
・輸入ミネラルウォーター類
・サワードリンク
・トニックウォーター
・乳幼児向け飲料
・殺菌乳製品乳酸菌飲料(コンク)
・ビネガードリンク(コンク・市販用)
・希釈飲料
・チルドスープ
アルコール飲料
・清酒
・合成酒
・焼酎甲類
・焼酎乙類
・甲乙混和焼酎
・韓国焼酎
・RTD
・チューハイ
・レモンサワー
・水割り洋酒・ハイボール
・ノンアルコールドリンク
・ウイスキー
・ブランデー
・ビール類
・国産ビール
・プレミアムビール
・国産発泡酒
・国産新ジャンルビール風味アルコール飲料
・輸入ビール類
・クラフトビール
・機能型ビール類
・ノンアルコールビール
・スピリッツ
・国産ワイン
・輸入ワイン
・スパークリングワイン
・梅酒
・リキュール類
・レモンサワーの素
・マッコリ
嗜好品
・レギュラーコーヒー
・簡易抽出型コーヒー
・ポーションコーヒー
・インスタントコーヒー
・スティックタイプコーヒー
・インスタントティー
・ココア ・スティックタイププレミックス飲料
・紅茶(ティーバッグ・リーフ)
・緑茶
・緑茶ティーバッグ
・粉末緑茶(市販用)
・麦茶
・その他茶
・健康茶(市販用)
・甘酒
・粉末飲料
・青汁
・麦芽ドリンク

2024/1/12
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