PRESSRELEASE プレスリリース

第24008号

美容・健康家電/雑貨の国内市場を調査
― 2025年市場予測(2022年比) ―
●ファインバブルシャワーヘッド 190億円(16.6%増)
2020~2022年に急拡大。メーカーの注力度高く、高価格帯製品の発売などにより拡大続く
●ヘアドライヤー 715億円(68.2%増)
高価格帯製品が拡大をけん引、製品単価3万円以上の比率が4割以上に
●マッサージガン 200億円(81.8%増)
認知度向上、チャネルの広がりにより、高成長が続く

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、高機能・高価格帯製品の需要増加が市場拡大をけん引している美容家電/雑貨、手軽で手頃なリラクゼーション機器が好調な健康家電/雑貨の国内市場を調査した。その結果を「美容&健康家電市場・関連サービストレンドデータ 2023-2024」にまとめた。

この調査では、美容と健康をテーマに家庭用の主要な家電および雑貨、計38品目の市場について、現在のトレンドや今後の方向性を明らかにし、将来を予想した。また、美容と健康に関連するサブスクリプションやシェアリング、オンラインサービスを展開する事業者、計10社についても分析を行った。

◆注目市場

●ファインバブルシャワーヘッド

ファインバブルシャワーヘッド市場規模

ファインバブルを発生させる市販用のシャワーヘッドを対象とする。

2010年に市場が立ち上がって以降、メディア露出やバラエティショップでの実演販売により徐々に認知度が上がり、2018年にサイエンスがTVCMを投下したことで一気に注目された。コロナ禍により“おうち美容"の一環として日常的に使用するシャワーヘッドへの注目が高まったことで、2020年、2021年と市場は倍増した。2022年は、上位メーカーによる新製品投入やTVCMの投下に加え、新規参入もみられたことから市場拡大が続き、年間販売台数は百万台を突破した。

2023年は、物価高騰により節水を訴求するシャワーヘッド(本市場に含まない)へ需要が移行しており、市場の伸びは鈍化するとみられる。しかし、使用者がまだ限定的なことやメーカーの注力度も引き続き高いことから、体験機会の提供など認知度向上による需要獲得や高価格帯製品の投入などにより、今後も市場拡大が予想される。

●ヘアドライヤー

ヘアドライヤー市場規模

2020年は、メインチャネルである家電量販店の休業などにより市場が縮小した。一方、コロナ禍のマスク着用で顔の大部分が隠れることからヘアケア・ヘアスタイルに対する意識が高まり、美容感度の高い層によって製品単価3万円以上の高価格帯製品の需要が伸びた。

消費者のヘアケア意識は引き続き高く、2022年以降、軽量ながら大風量かつヘアケア機能も搭載した高機能・高価格帯製品の投入が相次いでいる。高機能化により、消費者のヘアドライヤーに対する認識が“髪を乾かすためのアイテム"から“髪をケアするためのアイテム"へ徐々に変化し、高価格帯製品の伸びに伴い市場が拡大している。

2023年は、美容感度の高い層だけでなく一般消費者層においても高機能な製品を求める動きがみられ、市場は前年比31.8%増と大幅な伸びが見込まれる。価格帯別では、単価3万円以上の高価格帯製品の比率が上昇しており、2023年には200億円を超えるとみられる。

今後は、参入メーカーが差別化を目的にヘアケア機能の向上など、さらなる高機能化を進めていくとみられ、2025年には市場の4割以上を高価格帯製品が占めると予想される。

●マッサージガン

マッサージガン市場規模

先端部分のアタッチメントが振動することで筋肉や筋膜をほぐし、血行改善効果が期待できるガンタイプのマッサージ器具を対象とする。

2021年は、「ドクターエア」(ドリームファクトリー)のTVCMの効果により一気にマッサージガンの認知度が上がり、マッサージ効果の高さから新規需要を取り込んだことで、市場は急拡大した。2022年は新規参入が相次ぎ、製品ラインアップの拡充や単価1万円未満の新製品投入により、エントリー層や女性などの新たな需要を獲得し、市場は引き続き大幅に拡大した。

2023年は、新製品投入や販促プロモーション、店頭での販売施策の強化によってチャネルがオンライン中心からオフラインへ広がっており、市場は前年比45.5%増の160億円が見込まれる。メディア露出によってマッサージガンの認知が広がっていることや、引き続き新規参入が増えることから、2024年以降も市場は高成長が続くと予想される。一方で、製品の差別化やプロモーション展開、販路拡大など、メーカー間の競合が激化するとみられる。

◆調査結果の概要

■美容・健康家電/雑貨の国内市場

美容・健康家電/雑貨の国内市場

美容家電/雑貨市場は、コロナ禍においても“おうち美容"需要の増加により、フェイスケア家電の新規需要の開拓が進んだほか、マスクで隠れる箇所ではない髪の毛のケアに注力する消費者が増加したことから、市場が拡大した。2022年に入り外出自粛が徐々に緩和したことで、メイクアップやグルーミングケアの頻度が増加し、特に雑貨類が好調となった。

2023年は、マスクを外して素顔を見せる機会が増加したことから“マスクだるみ"や“マスクギャップ"の解消を目的に、フェイスケアに注力する人が増えている。また、引き続きへアケアに対する意識も高く、高機能・高価格帯製品の需要が好調なことから、市場拡大が予想される。

高価格帯製品は美容意識の高い層による需要が伸びている。SNSを通じて家電・雑貨を使用したスキンケアやヘアケアの方法が拡散され、美容感度の高い層から一般消費者層へ浸透していくことで、今後も市場拡大が続くと予想される。

健康家電・雑貨は、2020年にコロナ禍による外出自粛やジムの臨時休業、“コロナ太り"解消などで自宅での運動意欲が向上し、フィットネス/トレーニング機器の需要が急増したため、市場は前年比二桁増と大きく伸びた。2021年は新規需要の獲得が落ち着き縮小したが、2022年はマッサージガンがメディアや店頭での露出増から急速に伸び、再び拡大した。2023年は、小型で安価なリラクゼーション/ストレッチ家電が好調なことから、市場は拡大が予想される。しかし、低価格で利用できる24時間ジムが話題となり、一部需要がシフトしている。

健康志向が高まるほど、ジムなどの自宅外での運動への関心が高まることや、ジムの低価格化や利用ハードルの低下などが進んでいることから、今後もフィットネス/トレーニング機器は低迷が続くとみられる。一方、リラックスやストレッチを目的とした製品については疲労回復ニーズの底堅さもあり、マッサージガンのように手軽に使用でき、購入しやすい価格の製品がエントリー層を取り込み、市場拡大をけん引するとみられる。

◆調査対象

美容家電/雑貨
フェイスケア/ボディケア
・スチーマー
・電動洗顔ブラシ
・美顔器
・ブラシ型美容機器
・ボディ用美容機器
・ローラー美顔器
ヘアケア
・ヘアドライヤー
・ヘアアイロン
・頭皮ケアマシン/雑貨
・ヘアブラシ
・ファインバブルシャワーヘッド
グルーミングケア
・家庭用脱毛器
・電動シェーバー
・フェイスシェーバー
・替刃
・ディスポーザブル剃刀
・シェービング料
・除毛/脱毛料
メイクアップ
・電動まつ毛カーラー
・アイラッシュカーラー
・アイラッシュ関連
・二重まぶた用化粧用具
健康家電/雑貨
フィットネス/トレーニング
・身体用EMS機器
・3D振動マシン
・姿勢サポートクッション
・フィットネスバイク
・ランニング/ウォーキングマシン
・ステッパー
・トレーニングチューブ/バンド
・バランスボール/ディスク
・腹筋用フィットネス用品
リラクゼーション/ストレッチ
・マッサージガン
・マッサージクッション
・ネック/ショルダーマッサージャー
・目元マッサージャー
・フットマッサージャー
・ハンドマッサージャー
・ストレッチ用品

2024/1/23
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