PRESSRELEASE プレスリリース
■2024年度見込 2,811億円(40.2%増)
肺炎球菌ワクチンやヒトパピローマウイルスワクチンなどのキャッチアップ接種や、
自己負担での接種へ切り替わる新型コロナワクチンが加わり大幅増
■2032年度予測 2,759億円(37.6%増)
少子化などによる接種対象者減少の影響大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、キャッチアップ接種、帯状疱疹ワクチンなどへの助成・補助など積極的な施策が進んでいるほか、2024年度より全額公費での接種から自己負担での接種へ切り替わる新型コロナワクチン(COVID-19ワクチン)など、ワクチンの国内市場を調査した。その結果を「COVID-19ワクチン定期接種化で変わるワクチン市場/企業構図の分析と方向性」にまとめた。
この調査では、予防接種のワクチン13種の市場を捉えるとともに、ワクチン市場全体を俯瞰した。なお、新型コロナワクチンについては、政府買取分は含まず、2024年度より市場対象とする。
◆調査結果の概要
■ワクチンの国内市場
新型コロナウイルス感染症の流行を契機に予防接種に対する政府や行政の施策が積極的になった。2022年度から2023年度にかけては、帯状疱疹ワクチンの接種に助成・補助を出す自治体が増えたことや、ヒトパピローマウイルスワクチンが積極的推奨に変わったことで接種が進み、市場が拡大した。
2024年度は、新型コロナワクチンが自己負担での接種へ切り替わったことで新たに市場対象となったほか、肺炎球菌ワクチンやヒトパピローマウイルスワクチンなどで以前接種のタイミングを逃した対象者へのキャッチアップ接種が行われていることから、市場は前年度比40.2%増が見込まれる。
肺炎球菌ワクチンやヒトパピローマウイルスワクチンなどのキャッチアップ接種が2024年度で終了することから、2025年度の市場は一時的に縮小するが、2027年度まではその他ワクチンでもキャッチアップ接種が続くことで、安定的な推移が予想される。
長期的には、少子化の進行などから、新たに助成・補助対象となる定期接種ワクチンの登場がないと接種対象者は減少していくため、市場はわずかに縮小するとみられる。
◆注目市場
●新型コロナワクチン
2023年度までは、新型コロナワクチンは全額公費による接種(市場対象外)が進められてきたが、2024年度より65歳以上の高齢者などは接種費用の一部を、それ以外は全額自己負担となった。
国からの助成・補助により高齢者の自己負担額は最大7,000円(2024年度)となり、自治体ごとの助成・補助により実際の接種料金は異なる。自己負担額やメーカー・自治体の啓発活動、新型コロナ流行の有無などにより、接種率は変わってくるが、参入各社による積極的な営業展開などが予想されることから一定の規模は形成され、2024年度の市場は672億円が見込まれる。
◆調査対象
ワクチン市場・インフルエンザワクチン
・COVID-19ワクチン
・帯状疱疹ワクチン・水痘ワクチン
・ヒトパピローマウイルスワクチン
・肺炎球菌ワクチン
・4種混合・5種混合ワクチン(将来予測に6種混合含む)・インフルエンザ菌b型ワクチン
・RSウイルスワクチン
・おたふくワクチン
・麻しん風しんワクチン/風しんワクチン
・B型肝炎ワクチン
・ロタウイルスワクチン
・日本脳炎ワクチン
・A型肝炎ワクチン
・その他