PRESSRELEASE プレスリリース

第24109号

防災食品の国内市場を調査
― 2024年見込(2023年比) ―
■防災食品市場 261億円(21.4%増)
南海トラフ地震臨時情報の発表により需要が急増。2018年以来の二桁増

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、地震のみならず大雨や台風などライフラインの寸断を引き起こす規模の自然災害が頻発していることを背景に危機意識が高まり、需要が増加している防災食品の国内市場を調査した。その結果を「2024年 防災食品市場の現状とトレンド遷移」にまとめた。

この調査では、備蓄を想定し3年以上の保存ができる防災食品9品目の市場を、保存期間別、調理方法別、チャネル別などに分析し、将来を展望した。

◆調査結果の概要

■防災食品の国内市場

防災食品の国内市場

2024年は、1月の能登半島地震、8月の宮崎県日向灘を震源とする地震の発生により、防災意識が一層高まっている。特に、宮崎県日向灘を震源とする地震を受けた南海トラフ地震臨時情報の発表により防災食品の需要が急速に高まり、市場は前年比21.4%増の261億円が見込まれる。急速に需要が高まったことで、欠品が相次ぎ、納期遅延の対応に追われるメーカーも多くみられる。今後も自然災害やパンデミックなどの発生を機に防災備蓄への関心は高まるとみられる。

用途別では、業務用が市場の7割程度を占める。自治体は保存水+主食(アルファ化米または乾パン)という選択が根強いが、パンやレトルト食品など調理に水がなくても食べられる食品へシフトする動きがみられる。また、企業では、通常の食事に近いメニューが選ばれやすく、惣菜類や汁物・スープ類などの需要が他チャネルと比較して高い。
介護施設・老人ホームは2025年4月からBCP策定が義務付けられており2025年前半の駆け込み需要が期待される。しかし、業務用は既にある程度の備蓄が完了していることから、切替需要は定期的に発生するものの、突発的な需要増などは小幅になっていくとみられる。

市販用は、需要の波が激しいが、新たに備蓄を始める人が増える中、販売店舗を探す必要がなく商品や価格を比較しやすいネットでの購入が主流となっている。試食機会が限られることから、レビューなどを参考にしているユーザーが多い。
また、卸による防災用品のアソート商品に防災食品が組み込まれることも多い。2024年は大規模な震災が続き防災用品のエントリーユーザーが急激に増加しており、アソート商品が好調なことも、市場の押し上げに寄与するとみられる。

◆調査対象

防災食品の定義
・備蓄を想定し、3年以上の保存ができる点を訴求している食品を対象とする
・調理方法は水や湯、あるいはそのままで食べられるものを対象とする(一部湯せんなども含む)
・通常のレトルト食品や缶詰、カップめん、グラノーラなどの一般の食品は対象外とする
・国内生産商品とし、輸入品がメインのサバイバルフーズは対象外とする

対象品目
・米飯類
・保存水
・パン・乾パン
・クラッカー・ビスケット類
・惣菜類
・菓子・甘味類
・飲料
・汁物・スープ類
・めん類

2024/11/21
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。