PRESSRELEASE プレスリリース

第24116号

国内ペット関連総市場を販売チャネル別に調査
インターネット通販におけるペット関連市場(売り上げ)は2026年3,179億円の予測
・・・品揃えが充実、利便性が高いなどから引き続き利用が増加。
ペット関連総市場1兆5,921億円の20.0%を占め、拡大をけん引・・・

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、変化する消費行動に対応するため、最適な販売チャネルの選択やその展開方法など、販売戦略や流通対策が求められているペット関連の市場を調査した。その結果を「2024 ペット関連市場販売チャネル総調査」にまとめた。

この調査では、ペットフードやペットケア用品、ペット生活用品、ペット関連サービス、ペット生体販売、その他を対象としたペット関連総市場を11の販売チャネル別に捉えた。各販売チャネルの売り上げ(小売りベース)を市場とし、品揃えや販売戦略、店舗・売場・顧客特性などについても明らかにした。

◆調査結果の概要

■ペット関連総市場

ペット関連総市場は微増推移している。2023年は、特に、インターネット通販、ドラッグストア、総合ディスカウントストア市場が好調で、前年比5.0%増の1兆5,343億円となった。2026年には、2023年比3.8%増の1兆5,921億円が予測される。

2026年チャネル別市場規模予測

2026年に3,000億円に迫る、あるいは3,000億円を超える市場が予想される販売チャネルは、動物病院、ペットショップ、インターネット通販、ホームセンターである。動物病院では診療、検査、手術料や処方される医薬品、ペットショップではトリミングサービス、ペットホテル、しつけ教室などのペット関連サービスやペット生体販売の構成比が高くなっており、ペットフードや用品の物販を主体とするほかの販売チャネルとは異なっている。

2023年から2026年にかけて高い伸びを示す販売チャネルは、家電量販店、総合ディスカウントストア、インターネット通販、ドラッグストアである。インターネット通販は価格訴求だけでなく、品揃えの豊富さや大型商品の自宅配送、24時間いつでも注文できるなど利用者側のメリットが多い。また、ドラッグストアは店舗数が右肩上がりで推移しているなど業態としての成長が続いている。

◆注目市場

1.インターネット通販

1.インターネット通販市場

インターネット通販の利用者は、以前は若年層が主体であったが、コロナ禍以降は中高年層まで広がっている。従来の価格訴求から品揃えの豊富さ、購入の簡便性で差別化を図っており、特に、ペットフード・用品の主要販売チャネルであったホームセンター市場を侵食している。自社ECサイトを主体にダイレクト販売を行うフード・用品メーカーも年々増加している。

近年市場は、持ち帰りが困難であった大容量商品を中心に実店舗からの需要シフトがみられたほか、ペットの家族化が進む中でプレミアムフードや冷凍ペットフードなど高単価な商品の需要が増加、療法食や動物用医薬品といった商品も好調で拡大してきた。また、原材料価格高騰などによる度重なる商品値上げがプラスに作用していること、メーカーが自社ECサイトでリピーターを獲得し実績を伸ばしていることも拡大要因となっている。

2024年の市場は2023年比5.4%増の3,056億円が見込まれる。市場の伸びは鈍化しているものの、品揃えが充実していることや、商品配送の面などで利便性が高いことから今後も利用は増加し、市場は拡大推移が予想される。

自社ECサイト、もしくは仮想ショッピングモールへ出店を行えば新商品の投入ハードルは低く、撤退もしやすいチャネルである。また、SNSとの親和性も高く、SNS上で話題となれば一気にヒット商品として認知されることから、今後は新商品投入の際に広く活用されるチャネルになるとみられる。

2.ドラッグストア

2.ドラッグストア市場

ドラッグストアの利用者は、男女とも50代が最も多く、全体では7割程度が女性客となっている。売れ筋商品主体の品揃えから、健康機能強化商品の拡充がみられる。

近年市場は、医薬品や化粧品以外の商品の取り扱いを増やすことで集客を図るドラッグストアが増加しており、ペット関連商品を定番商品として、また、収益商材のひとつとして販売する動きが定着しつつあり拡大している。これまでドラッグストアは特売などで訴求してきた経緯があり、価格を重視して来店する顧客も多いことから、ポイントバックなどの販売策を講じるチェーンも散見される。

2024年の市場は2023年比6.5%増の840億円が見込まれる。療法食のトップメーカーであるロイヤルカナン ジャポンが10月より販売チャネルの再構築を模索しており、ドラッグストアにおける療法食関連の販売実績にも少なからず影響を及ぼすとみられることから、市場の伸びは前年に比べやや鈍化する。

3.ホームセンター

3.ホームセンター市場

ホームセンターの利用者は、中高年層が中心となっているが、一部のチェーンで若年層の開拓が進んでいる。また、PBの積極投入、注力カテゴリーの選択と集中で収益性の向上が図られている。

ホームセンターは、店舗内にペットショップを有しているところが多いことから、消費者からペット関連商品の代表的な購買チャネルとして認識されている。また、ホームセンター側もペット関連商品を来店頻度の向上に寄与する顧客フックと位置づけている。

近年市場は、商品値上げがプラスに作用していることや、ペットの家族化の進展による高価格帯の需要や給餌が定着したスナックの需要が増加していることなどから拡大している。

2024年の市場は2023年比1.9%増の2,909億円が見込まれる。ペットフードについては、高価格帯フードへの需要シフトが続くほか、ペットオーナーに選ぶことの楽しさを与えるスナックなどは売場を広く確保できることがホームセンターの強みとなっていることから、引き続き売り上げが伸びるとみられる。一方、ペット生活用品については、生体を販売する店舗ではスターターキットの需要はみられるが、販売していない店舗では商品ラインアップを縮小し、ペットフードの強化にシフトしていることから、売り上げが減少するとみられる。なお、日常使用するペット生活用品や中価格帯のペットフードなどは、出店攻勢をすすめるドラッグストアに需要がシフトしている。また、大容量・大サイズ商品や品揃えが限られるペット生活用品などは、自宅配送の利便性が高く、より多くの商品をラインアップしているインターネット通販に需要がシフトしているなど、今後も厳しい市場環境が継続するとみられる。

◆調査対象

【対象販売チャネル】
・ホームセンター
・食品スーパー・総合スーパー
・ペットショップ
・インターネット通販
・ドラッグストア
・総合ディスカウントストア
・コンビニエンスストア
・地域生協
・家電量販店
・均一価格ショップ
・動物病院

【対象品目】
ペットフード
・ドッグフード
・キャットフード
・スナック
・観賞魚用フード
・小鳥・観賞鳥用フード
・小動物用フード
・サプリメント
・ミルク
・療法食
・その他フード(昆虫・爬虫類・両生類用フード)

ペットケア用品
・猫砂
・トイレ/トイレ用シーツ
・オムツ
・ペット用トイレタリー
・しつけ剤
・消臭剤/脱臭剤
・防虫剤/殺虫剤
・シャンプー類
・イヤークリーナー
・デンタルケア用品
・その他ペットケア用品

ペット生活用品
・首輪/胴輪/引紐
・ベッド/マット/ヒーター
・ケージ/サークル/ゲート
・キャリー
・ブラシ/クシ
・食器/給水器
・玩具
・衣類
・水槽/周辺器具/水質調整剤
・その他ペット生活用品(犬猫以外のペット生活用品含む)

ペット関連サービス
・トリミング・グルーミング関連
・ペット一時預かり
・ペット宿泊
・ペット保険
・しつけ教室

ペット生体販売
・犬猫
・その他ペット

その他(各対象品目の「その他●●●」は除く)
・動物用医薬品
・診療・検査・手術料など


2024/12/6
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