PRESSRELEASE プレスリリース
1.ヘアドライヤー 1億7,881万台(8.6%増)
アジアを中心に高単価高機能製品の需要増加で市場拡大。日本国内でも買い替えが進む
2.ルームエアコン 1億7,952万台(4.3%増)
普及率が低い東南アジアやインドなど新興国を軸に伸長
日本では高齢化を背景に遠隔操作可能なIoT対応製品の需要が増加
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、潜在需要を抱える新興国の好調維持や、買い替えの需要喚起により先進国で堅調な伸びが期待される家電製品の世界市場を調査した。その結果を「グローバル家電市場総調査 2025」にまとめた。
この調査では、衣住関連8品目、調理関連13品目、空調/給湯関連9品目、美容/健康関連11品目の計41品目について国・地域別生産・販売動向の現状を分析し将来を予想した。
2024年は、中国の景気などに連動し、品目によっては市場が大きく変動している。今後は、新興国での需要増加に対する生産投資や、高付加価値製品の販売強化などで買い替え需要が喚起され各品目市場の伸びが期待される。
◆注目市場
1.ヘアドライヤー【美容/健康関連】 ※カールドライヤーは対象外
2024年は、アジアを中心にヘアケア意識が高まっていることからハイエンド製品(高単価高性能製品)の需要増加で、市場は微増するとみられる。景気低迷の影響で中国がやや落ち込んだものの、ヘアケア意識が高く高付加価値製品の需要が増加した日本などが堅調だった。風圧を保ちながら髪のうるおいや艶を守るといった高性能製品や、小型で風圧・風量が強いなどの高付加価値製品への買い替えが進んでいる。生産エリアとしては、中国が9割以上を占めており、海外メーカー向けのOEM/ODM生産が多い。
今後も、ハイエンド製品の需要増加で各メーカーではハイエンド製品の販売や開発強化が進むとみられる。スマートフォンなどとの連携で事前に設定した風量・風音に自動で調節ができる機能が付いた製品など、高付加価値製品の発売で市場は伸びが期待される。
2.白物家電3製品【ルームエアコン、冷蔵庫、洗濯機/洗濯乾燥機】
ルームエアコンは、2024年は景気低迷の影響で中国や欧州の伸びが鈍化したものの、東南アジアや日本での猛暑による気温上昇の影響、製品普及率の低いインドなどでの需要増加で市場は拡大するとみられる。
当面は、中国や欧州の景気低迷の影響は続くが、東南アジアやインドなど新興国での需要増加が市場拡大に貢献するとみられる。省エネ住宅の増加で消費電力を抑えるAI搭載製品のほか、日本では高齢化に伴い、空調の稼働状況の確認や遠隔操作が行えるIoT対応製品の需要が増えるなど、IoTや人工知能を活用した製品の拡販で買い替えが進むことが期待される。
生産地としては、中国が7割以上を占める。中国国内では、不動産市況の悪化で需要が落ち込んでいるため家電製品の買い替えを促進する補助金政策を打ち出したが、効果は一時的であった。それにより、東南アジアを中心とした海外輸出分の増産の占める割合が増えている。また、普及率の低さから需要拡大が期待される東南アジアやインドに注目するメーカーが多く、生産現地化や生産力増強に向けた工場新設など積極的な投資が実施されている。
冷蔵庫は、2024年は景気低迷の影響で日本や欧州など先進国での需要回復は弱いものの、東南アジアやインドなどの新興国では需要が堅調に増加していることから、市場は微増となるとみられる。
新興国での需要増加に対応するため、主要メーカーは供給体制の強化を目的に現地生産や工場新設を進めると予想される。また、先進国では買い替え需要の喚起に向け、従来サイズのまま大容量の収納を実現した製品や、野菜の鮮度を維持できる製品、庫内の食材で調理可能なレシピを提案するIoT連携製品など、機能性やデザイン性に特化した製品が伸びるとみられる。
洗濯機/洗濯乾燥機は、2024年は東南アジアやインドなどの新興国で安価なドラム式洗濯機を中心に需要が増加し、市場は拡大した。東南アジア向けの輸出が多い中国系メーカーや、インド向けに生産を行う韓国系メーカーが伸びている。
今後は、洗浄力の向上に向けた製品開発のほか、洗濯槽の掃除負担を軽減した製品や洗濯のしわを防止する製品など、高付加価値製品の需要が伸び市場は拡大するとみられる。また、新興国での需要の高まりで生産現地化が進むとみられる。
3.空調関連3製品【空気清浄機、除湿器、加湿器】
空気清浄機は、コロナ禍の特需発生以降市場は伸び悩んでいたものの、中国での需要が好調で、2024年は微増となった。日本では、コロナ禍以降需要が停滞しているが、買い替え需要の喚起を目的としたハイエンド製品の発売などにより中長期的に需要は回復するとみられる。
除湿器は、気候変動の影響で中国南部や高温多湿な東南アジア、日本では部屋干し用途で需要が伸び市場は拡大している。今後もそれらのエリアでの需要増加などで市場拡大が予想される。
加湿器は、需要の8割以上を占める中国の景気低迷で市場は縮小している。日本においても暖冬の影響で生産台数の伸びが鈍化している。今後は、デザイン性に優れた製品やメンテナンスが容易な製品など高付加価値製品の展開で世界的に買い替え需要が喚起されるため、一定の市場規模を維持するとみられる。
◆調査対象
衣住関連・洗濯機/洗濯乾燥機
・衣類乾燥機
・アイロン
・掃除機
・ロボット掃除機
・浄水器
・アルカリイオン整水器
・温水洗浄便座
調理関連
・冷蔵庫
・電子レンジ/オーブンレンジ
・IHクッキングヒーター
・食器洗浄乾燥機
・トースター
・ジューサー/ミキサー
・コーヒーメーカー/エスプレッソマシーン
・フードプロセッサー/フードチョッパー
・ホットプレート
・ホームベーカリー
・電気ケトル
・炊飯器
・ワインクーラー
空調/給湯関連
・ルームエアコン
・パッケージエアコン/ビルマルチエアコン
・電気給湯器
・換気扇
・扇風機
・空気清浄機
・除湿機
・加湿器
・シーリングファン
美容/健康関連
・メンズシェーバー
・レディースシェーバー/脱毛器
・光脱毛器
・ヘアドライヤー
・ヘアアイロン
・美顔器
・電動歯ブラシ
・血圧計
・体重計/体組成計
・体温計
・マッサージチェア