PRESSRELEASE プレスリリース

第25016号

LED照明製品や照明ソリューションの国内市場を調査
― 2040年国内市場予測(2023年比) ―
■LED照明ソリューション  3,687億円(2.1倍)
省エネ性や省施工のメリットに加え、空間の価値向上に繋がるため2030年以降成長が加速
■LED照明製品(LED管球ランプ+LED照明器具)  5,283億円(75.0%)
2030年ごろまではLED切り替えの影響で緩やかに推移。
ストック需要の一巡後は、人口減や建設需要減も影響して縮小

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、短期的には蛍光灯の生産終了に向けた切り替えによりLED照明製品の需要が伸び、将来的には照明に新たな価値をもたらす照明ソリューション市場の発展が期待される、LED照明製品や照明ソリューション市場を調査した。その結果を「2025年版 次世代照明"Lighting5.0"を見据えた照明市場の現状と将来展望に関する調査」にまとめた。

この調査では、今後も照明の主流となるLED照明製品と、Lighting5.0(健康、安全、快適、便利などを掲げる高付加価値な次世代照明)に関連する照明ソリューションおよび新たに創出される市場について、最新の動向をまとめ将来を展望した。

◆調査結果の概要

■LED照明製品、照明ソリューションの国内市場

LED照明製品、照明ソリューションの国内市場

LED照明製品市場は、2022年から2023年にかけて、コロナ禍からの需要回復や、燃料費・電気代高騰に伴う省エネ対策意識の向上、脱炭素政策の強化、インバウンド需要の復調、業界全体の製品値上げなどにより拡大した。
蛍光灯の製造終了が2027年に迫り、メディア発信などを通じて消費者やユーザーの認知度は向上したものの、現状、大きな市場拡大には至っていない。今後さらなる認知度の高まりとユーザーの対応が進み、LED製品への切り替え需要のピークは、2027年前後になるとみられる。
中長期的には、切り替え需要、脱炭素政策の強化、燃料費・電気代高騰対策、首都圏の再開発案件などによる需要の増加で、2030年までは堅調な市場推移が予想される。それ以降は人口減少および建設需要減退などにより縮小していくとみられる。

照明ソリューション市場は、順調な拡大が予想される。LED照明製品は将来的に需要が減少するとみられる中、参入企業ではすでにLED化が完了したユーザーに対し、照明制御とカメラや音響、映像演出を連携したソリューション提案を積極的に行っている。
特に、省エネ・省施工に加え、空間演出などの付加価値向上を提案する無線式照明制御ソリューションや、無線式・有線式の照明制御ソリューションをビル・オートメーションと連携させたビルディングIoT照明ソリューションの発展が期待され、2030年代に大きく拡大すると予想される。

◆注目市場

●LED一体型ベースライト(バータイプ)

LED一体型ベースライト(バータイプ)

照明器具にLEDを組み込んだ製品であり、オフィスの天井照明などで使用される。

HIDランプや蛍光灯の生産終了に向け、照明のLED化ニーズが今後顕在化し、市場はLED直管ランプやLED高天井照明などと共に2025年以降伸びが予想される。市場のピークは2027年とみられ、2023年比10.5%増の1,280億円が予測される。その後は改修需要の落ち着きなどから縮小していき、2040年の市場は945億円が予測される。

●無線式照明制御ソリューション(照明器具含む)

無線式照明制御ソリューション(照明器具含む)

市場は2014年ごろに本格的に形成され、2020年以降順調に拡大している。現状、自動調光・点灯・消灯による省エネ性の向上やコスト削減、有線式に対して省施工性で優れることが主な導入目的である。2024年から2025年にかけて、主要各社がボリュームゾーンである1システム100台から200台前後の小規模向け無線制御システムの新商品を投入するなど参入企業の注力度が高く、市場はさらに拡大するとみられる。

調色・カラー制御による空間快適性の向上や、空間演出による集客効果、センサーなどとの連携によるソリューション提案など、新たな価値創出につながる用途開発が進められているほか、延床面積1万平方メートル以上の新設物件など、案件の大規模化もみられ、今後も順調に市場拡大していくと予想される。空間プラットフォームや上位システム(EMS、ビルオートメーションシステム、建物OSなど)との連携事例も増加し、質的な向上も進むとみられる。

●ビルディングIoT照明ソリューション

ビルディングIoT照明ソリューション

建築のIoT化(ビルディングIoT)で照明が連携されるケースを対象とし、有線制御でビルシステムと連携し導入されるBA(ビル・オートメーション)/BEMS連携と、無線制御によって連携するBA・空間設備連携に大別される。市場は照明器具の販売に紐付くため、参入企業の多くは照明器具メーカーである。

無線BAや空間設備連携の普及により市場が拡大すると予想され、オフィスや店舗、工場・倉庫、官公庁施設、スポーツ施設、介護・福祉施設など様々なシーンで採用が広がる見通しである。また、カメラや空調、ロボットなどとの連携、画像や位置情報などのデータ連携といった多様なソリューションが開発されると期待される。

今後、無線BA・空間設備連携が大きく伸びて市場を底上げするとみられる。2023年時点では市場の2%程度であるが、既設物件のIoT化に際して、無線BA・空間設備連携が採用されると想定されるため、2030年以降成長が加速し、2040年には市場の50%以上になると予想される。

◆調査対象

LED照明器具
・白熱・ハロゲン灯代替
・蛍光灯代替
・HID灯代替
・防災用器具

LED管球ランプ
・白熱ランプ代替形
・ハロゲンランプ代替形
・蛍光ランプ代替形
・HIDランプ代替形

需要分野
・住宅
・オフィス・ビル
・店舗
・施設
・屋外

主要製品
・LEDシーリングライト
・LED一体型ベースライト(バータイプ)
・LED直管ランプ
・LED高天井照明

照明ソリューション
・有線式照明制御ソリューション
・無線式照明制御ソリューション
・景観演出照明ソリューション
・建材一体化照明ソリューション
・カメラ機能付き照明ソリューション
・映像演出照明ソリューション
・空間除菌照明ソリューション
・自然光再現照明/可視光通信/PoE照明/直流給電照明ソリューション
・ホームIoT照明ソリューション
・ビルディングIoT照明ソリューション
・シティ・インフラIoT照明ソリューション


2025/2/17
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