PRESSRELEASE プレスリリース

第25018号

データセンターなど注目施設・設備の電力需要を予測
― 2040年度電力需要予測(2023年度比) ―
■データセンター、半導体工場、EV充電の合計1,377億kWh(2.8倍)
長期的に国内電力需要を底上げ

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、国内の電力消費量が減少するなか、今後増加するとみられる施設・設備の電力需要を調査した。その結果を「データセンター・半導体工場・EV充電 エネルギー需要動向調査」にまとめた。

この調査では、今後電力需要が増加するとみられる注目の施設・設備として、データセンター、半導体工場(電子部品・デバイス・電子回路製造)、EV充電を取り上げ、現状の電力消費量と将来の電力需要を予想した。また、再エネ調達の手法・方向性、加えて、主要な大手電力需要家の再エネ調達の動向についてもまとめた。

◆調査結果の概要

1.国内注目施設・設備の電力需要

国内注目施設・設備の電力需要

データセンターは、近年、生成AIの利用拡大に伴いハイパースケールデータセンターの建設が相次いでおり、1施設当たりの電力需要が高まっている。また、サーバーの高密度化、1台あたりの情報量や計算負荷の増加により、ラック単位での電力需要も増加している。

データセンター内の消費電力の多くを占めるのが空調関連設備である。主流は空冷式・水冷式であるが、より冷却効率が高い液浸冷却の商用ベースでの研究・開発が進められている。サーバーの高性能化・高集積化により発熱量が増加するため期待されており、将来的に本格導入が進むと予想される。

半導体関連は、製造業の中でも設備投資が活発であり、大型工場の新設計画も多い。現在着工中の大型工場が竣工して稼働を開始する2027年度以降、電力需要が拡大すると予想される。

また、半導体は微細化・高集積化に伴い、製造にかかる電力消費量が増加する。今後も半導体の微細化・高集積化、それら先端半導体の国内生産の増加に伴い、電力需要は拡大すると予想される。

EV充電は、車を使わない時間帯に自宅や事務所などで行う基礎充電が多くを占めるが、ここでは移動途中や目的地で行う外部充電を対象とする。EV充電による電力消費量の3割程度が外部充電であり、2024年度は3億kWhと見込まれ、その多くは急速充電器から供給されている。

近年、EV充電サービス事業者は増加しており、充電網の拡充に各社注力している。また、政府は2030年度までに充電器の設置目標を30万口に引き上げ、充電時間を短くするための急速充電器の出力も現状の40kWから80kWへの引き上げを目指している。世界のトレンドに連動して日本でもEV化が進むとみられることから、EV充電での電力需要は増加すると予想される。

2.国内電力需要における注目施設・設備の電力需要

国内電力需要における注目施設・設備の電力需要

経済産業省「総合エネルギー統計」によると、自家消費を含めた国内の電力消費量は、2023年度に前年度比2.5%減の8,792億kWhであった。近年は省エネの進展や節電志向などによって、電力消費量は年々減少している。一方で、長期的にはデータセンター、半導体工場、EV充電の電力需要は増加が予想される。

◆調査対象

【注目施設・設備】
・データセンター
・半導体工場(電子部品・デバイス・電子回路製造)
・EV充電

【主要大手需要家の再エネ調達の動向一覧】
・運輸・郵便系
・鉄鋼
・GMS・小売系
・金融・保険系など


2025/2/19
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