PRESSRELEASE プレスリリース
■自動車用アンビエントライト 2,852億円(89.5%増)
欧州や中国を中心に需要は堅調に増加。2027年頃からの光透過タイプの搭載増にも期待
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、欧州や中国で普及が先行する中、日本自動車メーカーの導入事例が増えており、本格的な広がりが期待される自動車用アンビエントライト(車内の間接照明)の世界市場について調査した。その結果を「2025 自動車用アンビエントライトの将来展望と高機能化動向」にまとめた。
この調査では、自動車用アンビエントライト市場とともに部位別需要や高機能化動向、また、構成部材の市場を調査し、将来を分析した。
◆調査結果の概要
■自動車用アンビエントライトの世界市場(ライトユニットベース)
アンビエントライトは「雰囲気照明」とも呼ばれており、車室内を様々に演出できる間接照明としてダッシュボード下部から前席、後席のドアトリム、センターコンソールなどに搭載されている。市場はRGB-LEDモジュール(マイコン・ワイヤハーネス実装)を導光体に組み付けたライン状ランプのライトユニットベースで捉えた。欧州で展開するFORVIAやGrupo Antolin-Irausa、中国に拠点を置くYanfeng Automotive Interiorsなどが積極的に取り組んでいる。国内では、豊田合成やアルプスアルパイン、マレリなどが日本自動車メーカーを中心に提供している。
欧州や中国では幅広い車種に搭載されており、米国でもEVを中心に搭載車数が増加している。主にインパネやドアトリムに搭載されていたが、車内演出の高機能化に伴いコンソールやルーフなど適用部位が広がっている。ADAS連動のアラート通知や音楽連携や動的表現などの機能が普及してきており、今後は自動車ならではの強みを活かしたエンターテイメント性やリラクゼーション性など、乗員の体験価値を向上させる高機能化がさらに進むとみられる。
搭載率の上昇に伴って市場は拡大しているが、規模の大きい中国でLEDパッケージの低価格化が進んでいるため、数量ベースと比べると近年の伸長率は緩やかである。2027年以降、欧州を中心に高いデザイン性などを実現できる光透過の面発光タイプ製品の搭載が増えるとみられ、それに適応したミッドパワーLEDなど高付加価値パッケージが増加することなどにより、順調な市場拡大が予想される。
日本では、EV向けやグレードの高い車種で先進性の付与を目的に搭載率での増加が予想される。中国のように搭載が一般化する可能性は低く、日本の内装メーカーや電装メーカーは光透過型製品などの高機能品に注力するとみられる。
部位別にみると、現状はドアトリムやインパネへの搭載が多い。また、欧州自動車メーカーを中心にコンソールでの搭載も増加している。欧州や中国のハイグレード車種ではルーフにも搭載されている。2027年頃に発売される自動車での採用に向けて開発が進む光透過タイプ製品は、ドアトリムへの搭載が中心になるとみられる。将来的には、自動運転車でハンドル部分や運転手の視界に入るインパネ部分などにも搭載される可能性もあり、用途の広がりが期待される。
◆調査対象
アンビエントライト
・ライトユニット
アンビエントライト用材料
・LEDパッケージ
・導光体・拡散板用透明樹脂