PRESSRELEASE プレスリリース
■アニオン交換膜(AEM)型水素製造装置 8,790億円
システムコスト低減や耐久性向上、大規模化の実現などに向けて開発が進展中
2030年ごろから本格的な導入が始まり、グリーン水素の利用本格化に伴い需要が増加
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、グリーン水素の需要が高まる中、次世代の水素製造技術として注目を集めているアニオン交換膜(AEM)型水電解に関連する水素製造装置の市場や開発プロジェクトの動向、構成部材の開発動向を調査した。その結果を「アニオン交換膜(AEM)型水素製造・主要部材に関する調査」にまとめた。
この調査では、AEM型水素製造装置市場の最新動向を捉え、将来を展望した。また関連する技術開発や国内外の関連企業の動向をまとめた。
◆調査結果の概要
■アニオン交換膜(AEM)型水素製造装置の世界市場

世界的な脱化石燃料の流れにより、グリーン水素(太陽光や水力、風力など再生可能エネルギー由来の電力を用いて製造された水素)の需要が増加し、製造プロジェクトが広く進められている。現在先行しているのはPEM(固体高分子)型やALK(アルカリ)型の水素製造装置であるが、次世代の水素製造技術としてAEM型水素製造装置が注目を集めている。PEM型やALK型の課題に対応できる技術であると目されており、低価格化やレアメタルフリー、耐久性向上、大規模化などを目標とした開発が国内外の企業や研究機関により進められている。
2024年の市場は80億円である。PEM型やALK型の水素製造装置と比較すると技術的に未熟であり、現状は要素技術の開発がメインであるが、欧州や中国のスタートアップを中心に商用展開を行っている企業が数社みられる。
2020年代後半から商用を想定した実証が進み、2030年ごろから本格的な導入が始まり、グリーン水素の需要増加に伴って大きく伸びると予想される。
2040年の市場は2035年比で縮小すると予想されるが、量産化やレアメタルの使用量低減・レアメタルフリーの実現で単価が下がることが要因である。装置の導入が進むため容量ベースでは順調に拡大するとみられる。
【国内市場の動向】
現状は研究や実証を目的とした導入に留まる。国内では産学連携の取り組みが多く、産業技術総合研究所や大学を中心に主要部材やスタックの研究開発が進められ、ラボスケールでは海外で活用されている部材性能を上回る実証結果も出ている。
AEM型を商用展開する国内企業はまだないものの、住友電気工業、三菱重工業、富士電機など複数の企業が研究開発を進めている。2030年ごろから商用化が始まり、2040年の市場は600億円が予測される。
◆調査対象
・アニオン交換膜(AEM)型水素製造装置