PRESSRELEASE プレスリリース
2035年に5,250億円(予測)
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、幅広い用途で採用される放熱部材の中でも、高出力化の進展により今後高い伸びが予想される高熱伝導率製品の世界市場を調査した。その結果を「2025年版 高熱伝導放熱樹脂複合材の用途展開と将来展望」にまとめた。
この調査では、TIM(Thermal Interface Material)、基板材、封止材といった放熱部材の中で、特に注目される高熱伝導率製品市場を品目別、用途別、熱伝導率別に整理、分析した。
◆調査結果の概要
■放熱部材の高熱伝導率製品の世界市場

自動車分野や産業分野におけるパワーモジュールの小型化・効率化、通信基地局やAIデータセンター/サーバーなど通信分野における半導体チップの需要増加などに伴い、放熱部材では高熱伝導率製品の市場が拡大している。中国メーカーが価格競争力により低熱伝導率製品の販売を強みとする一方で、日本メーカーは付加価値の高い高熱伝導率製品の開発・販売に注力している。
TIMや放熱絶縁シート、封止材では、現状低・中熱伝導率製品が使用される用途においても、今後高熱伝導率製品の採用が増えていくことで、伸長が予想される。また、金属ベース回路基板でデンソーの「パワーカード」に高熱伝導率銅ベース回路基板が採用されたことで、車載インバーター向けが大きく伸びるとみられる。
◆注目市場
●放熱ギャップフィラーの高熱伝導率製品(5W/m・K以上)

放熱ギャップフィラー全体では、車載リチウムイオン電池で採用される熱伝導率1W~2W/m・K製品が占める割合が極めて高い(本市場対象外・数量ベース)。このため近年では、車載リチウムイオン電池向けに安価かつ低熱伝導率の製品を大量に販売するメーカーと、他の用途で高熱伝導率製品の展開に注力するメーカーに二極化している。
高熱伝導率放熱ギャップフィラーとしては、熱伝導率6W~7W/m・K製品が通信基地局向けで増加しており、自動車分野ではECU向けでの採用が検討されている。
熱伝導率10W/m・K以上の製品では、2025年より通信基地局やデータセンター、サーバーなど通信分野での需要が大きく伸びており、今後も採用増加による市場拡大が予想される。また、2027年から2028年以降には自動車分野でも一定程度の需要獲得が進むとみられ、2035年には、10W/m・K以上の製品が市場の4割程度を占めると予想される。
●金属ベース回路基板の高熱伝導率製品(10W/m・K以上)

金属ベース回路基板は、アルミベース回路基板と銅ベース回路基板を対象とした。
熱伝導率10W/m・Kの金属ベース回路基板では、産業分野・自動車分野のいずれもパワーモジュール向けで一定程度の需要がみられる。このうち自動車分野では、銅ベース回路基板によるインバーター向けが主である。
熱伝導率11W~14.9W/m・Kの製品では、12W/m・K程度までは熱伝導率10W/m・K製品と同様の用途が想定されるが、より高い放熱性能が要求される応用製品においてセラミックベース回路基板からの切り替えが可能となることから、2030年には10W~10.9W/m・K製品の市場を上回るとみられる。
熱伝導率15W/m・K以上の製品では、デンソーの「パワーカード」に銅ベース回路基板が採用されたことで2025年より急速に拡大しており、今後も「パワーカード」の搭載車種が拡大し、生産・販売台数が増加することで、車載インバーター向けが大幅に拡大し、2035年には市場の8割以上を占めると予想される。
◆調査対象
TIM・放熱シート(絶縁性):熱伝導率5W/m・K以上
・放熱シート(非絶縁性):原則的に全体を対象
・フェイズチェンジシート:熱伝導率5W/m・K以上
・放熱ギャップフィラー:熱伝導率5W/m・K以上
・放熱グリース:熱伝導率5W/m・K以上
・放熱接着剤:熱伝導率5W/m・K以上
基板・その他
・金属ベース回路基板:熱伝導率10W/m・K以上
・放熱絶縁シート:熱伝導率5W/m・K以上
・封止材:熱伝導率3W/m・K以上
