PRESSRELEASE プレスリリース
■ドライ式電極製造プロセスを採用したEV用液系LiB 2兆6,730億円(215.6倍)
ウェット式の課題を解決できることで採用が徐々に進む
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、従来の製造方法よりも省エネルギーなどの特徴を持つドライ式の電極製造プロセスを採用したEV用液系LiB(リチウムイオン電池)の世界市場を調査した。その結果を「LiB製造におけるドライプロセスの適合状況と市場展望に関する調査」にまとめた。
この調査では、今後の普及が予想されるドライ式の電極製造プロセスを採用したEV用液系LiB市場の現状を把握し、将来を展望した。なお、主流である三元系とLFP系の正極材を使用する液系LiBを対象とした。
LiBの電極は、製造プロセス別に、ウェット式(湿式)とドライ式(乾式)に分けられる。ウェット式は、活物質とバインダー溶剤を混合したスラリー合剤を集電体に塗布するが、塗工後に、スラリー合剤からバインダー溶剤を乾燥・回収する際に多量のエネルギーを使用するため環境対応の面で課題となっている。ドライ式は、溶媒を使用せずに活物質や導電助剤などの混合粉末をシート状にし、集電箔上に貼るため、これらの乾燥工程を用いないことから、ウェット式の課題を解決する製造法として注目が集まっている。ただし、現在は合剤の結着や均一な成膜が難しいため、安定した量産化に向けて開発が進んでいる段階である。
◆調査結果の概要
■ドライ式電極製造プロセスを採用したEV用液系LiBの世界市場

現在、電極製造プロセスでは、活物質とバインダー溶剤を混合したスラリー合剤を集電体に塗布するウェット式が主に採用されているが、今後、ウェット式の課題に対応できるドライ式の採用が進むとみられる。
現状、ドライ式電極製造プロセスは量産技術が確立されていないため、採用は一部の生産ラインに留まっており、2025年のドライ式で電極製造したEV用液系LiBの市場は124億円が見込まれる程度である。
今後、量産技術が確立すれば、ドライ式を採用した電極製造のコストは、現行のウェット式と比べて2割程度削減できるとみられる。乾燥や溶媒回収が不要となるため省エネルギーであり、CO2排出量が削減可能なことから、環境規制の強化が進む欧州を中心に普及が加速するとみられる。ドライ式の電極製造プロセスを採用したEV用LiBの世界市場は、2040年には2兆6,730億円が予測される。
◆調査対象
EV用液系LiB・ドライ式電極製造プロセスを採用したEV用液系LiB
