PRESSRELEASE プレスリリース
■AI関連の国内市場 3兆1,779億円(2.1倍)
AIエージェントや、エッジ環境での学習・推論によるフィジカルAIの本格化などで市場拡大
●対話型生成AIアプリケーション 498億円(8.9倍)
特に、IT投資予算が大きい製造業や、金融業、流通業での伸びが予想される
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、少子高齢化を背景とした労働人口減少への対応やDX化による生産性向上などに向け、2025年度には業務に「組み込む」段階に入っており、今後の伸びが予想されるAI関連の国内市場を調査した。その結果を「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」にまとめた。
この調査では、サービス、アプリケーション、プラットフォーム、インフラに分け、AI関連市場の現状を把握し、将来を展望した。
◆調査結果の概要
■AI関連の国内市場

生成AI関連が市場拡大をけん引している。生成AIは、従来のAIとの組み合わせによって、分析や予測、意思決定、コンテンツ生成まで一貫して行えるよう進展していることが、利用を後押ししている。特に、製造業や金融業、情報通信業での普及が進んでいる。また、外部のデータベースを検索し、それに基づいた回答を生成するRAG(検索拡張生成)を用いた汎用型AI基盤モデルの利用も一般化しつつある。2025年度の市場は1兆8,301億円、そのうち生成AI関連は36.4%を占めると見込まれる。
従来のAIと生成AIを組み合わせた活用や、RAG利用は今後も増えるとみられる。また、2026年度頃からはAIエージェント活用の本格化や、学習・推論データのセキュリティやプライバシー保護の観点などからエッジAIの活用が進むとみられる。これらは2020年代後半に、エージェント型AIの本格化やフィジカルAIの実装に繋がるとみられ、引き続き市場は拡大が予想される。
◆注目市場
●対話型生成AIアプリケーション【アプリケーション】

2022年11月に公開された「ChatGPT」(OpenAI)が契機となり、生成AI技術が広く認知されることとなった。2024年度頃から、国内のビジネスシーンにおいて生成AI使用に対する理解が進み、市場が拡大している。また、2024年9月から「Claude for Enterprise」(Anthropic)の提供が開始されたことも後押しし、2025年度の市場は、132億円が見込まれる。
今後も、「ChatGPT Enterprise」「ChatGPT Business」「Claude for Enterprise」が市場拡大をけん引するとみられる。様々な業務で活用できるため、幅広い業種での活用が進んでいる。特に、IT投資予算が大きい製造業や、金融業の活用が増えており、今後もこれらの業種や流通業での普及が市場拡大に繋がるとみられる。
●LLM/SLM【プラットフォーム】

大規模な計算量やパラメーター数を前提として深層学習によって開発された言語モデルであるLLM(大規模言語モデル)、また、LLMと比較して少ないパラメーター数を前提とした深層学習によって開発されたSLM(小規模言語モデル)と応答可能なクラウドAPIサービスを対象とする。
2024年度は、APIを活用して生成AIプロダクトを提供することの多い情報通信業での利用が7割強を占めた。また、自社で独自の生成AIシステムを構築するための利用もみられ、2025年度の市場は、357億円が見込まれる。ただし、公共向けでは、自治体などでは自前で生成AIシステムを構築するエンジニアリソースが不足しており、既製の生成AIプロダクトを利用するケースが多いため、現時点では活用が少ない。
今後は、AIエージェントの普及により、情報通信業では、生成AIを活用したプロダクトの提供をより進めるとみられるため、普及が予想される。情報通信以外の業種でもそれぞれの課題を解決する独自生成AIシステムの構築が本格化すると予想され、製品の活用が進むことから、市場は拡大するとみられる。
●GPUクラウド/ホスティングサービス【インフラ】

インターネットなどのネットワークサービスを通じてサービスプロバイダーが保有するGPUサーバーを利用できるサービスである。GPUサーバーは、CPU(中央演算処理装置)に加え、GPU(画像処理半導体)を搭載したサーバー設備である。このサービスでは、生成AIの使用に加え、生成AIの学習や学習したモデルを特定の目的に合わせて調整するファインチューニングのほか、従来のスーパーコンピューターで行う数値シミュレーションなど高速演算処理用途での利用も進んでいる。
独自AI基盤の開発やファインチューニングの用途が多い自動車会社や、自社サービスに関連機能を実装する用途のWebコンテンツを扱うエンターテインメント系のITサービス会社、独立系ソフトウェアベンダーなどで需要が高まっている。また、幅広い業種で短期間のファインチューニングやシミュレーションを行う際に、利用が進んでいるため、市場は拡大している。
現在は、PoCなどを目的とする小規模な基盤モデルの開発やカスタマイズが多いものの、今後は全社利用に向けた活用が進むとみられ、2029年度の市場は、2024年度比2.7倍が予測される。
◆調査対象
サービス・アノテーション
・データ秘匿化
・データ活用基盤構築
・データ活用支援
・AIコンサルティングサービス
・AIアプリケーション開発・構築
・MCP対応支援
・組み込みAIアプリケーション開発・構築
・AI/DX人材教育サービス
・GPUサーバー設計・構築
・GPUサーバー向けハウジング
・その他(AIアプリケーション運用・保守、非GPUサーバー向けハウジングなど)
アプリケーション
・対話型生成AIアプリケーション
・サードパーティ対話型生成AIアプリケーション
・AIコーディングアシスタント
・生成AI/AIエージェントアドオン
・営業支援
・バックオフィス業務支援
・AI-OCR
・チャットボット/ボイスボット
・FAQナレッジ管理
・翻訳/通訳
・AI外観検査
・AI行動分析
・その他(統計解析、データマイニング、テキストマイニング、バイオメトリクス、その他AI搭載アプリケーションなど)
プラットフォーム
・AIエンジン
・LLM/SLM
・RAG連携向け検索エンジン
・AI/MLプラットフォーム
・ノーコードAI開発プラットフォーム
・その他(基盤モデル(画像生成、音声生成、音楽生成など)など)
インフラ
・GPUサーバー
・GPUクラウド/ホスティングサービス
・エッジAIサーバー
・エッジAIゲートウェイ
・その他(ミドルウェア(データベース、データウェアハウス、データ連携など)、ハードウェア(サーバー[非GPU]、ストレージ)、IaaS/ホスティング(サーバー[非GPU]、ストレージ)など)
