PRESSRELEASE プレスリリース

第26032号

エネルギーマネジメントシステム(EMS)関連の国内市場を調査
― 2040年度予測(2024年度比) ―
■EMS関連(システム、サービス、ハードウェア)の国内市場 3兆1,944億円(2.2倍)
現状は工場など産業施設が中心だが、今後店舗などの業務施設や住宅での、EMS導入が急伸

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、脱炭素、労働力不足・コスト高騰などへの対応で最適なエネルギー運用を目的に注目が集まるEMS関連(システム、サービス、ハードウェア)の国内市場を調査した。その結果を「エネルギーマネジメント・パワーシステム関連市場実態総調査 2026」にまとめた。

この調査では、EMS・関連システム11市場(EMS市場とその関連システム市場)、関連サービス4市場、関連ハードウェア10市場の最新動向をまとめ、将来を展望した。

◆調査結果の概要

■EMS関連(システム、サービス、ハードウェア)の国内市場

EMS関連(システム、サービス、ハードウェア)の国内市場

2025年度のEMS関連市場は、製造業を中心としたサプライチェーン全体での脱炭素対策の進展により、エネルギーの見える化需要が高まり、拡大している。また、脱炭素・エネルギーコスト削減対策として、省エネや再エネ導入に関連するEMSや、EMS関連のシステム、ハードウェアが市場を押し上げている。特に、DR(デマンドレスポンス)やVPP(バーチャルパワープラント)に関わる蓄電所ビジネスの活況に伴って系統用の蓄電システムが好調である。また、脱炭素だけでなく労働力不足を背景にAIやクラウド環境を活用した遠隔監視や運用・保全業務の外部化ニーズが高まっており、太陽光発電遠隔監視システムの伸長などが目立つ。

2026年度は、工場など製造業の現場に加え、店舗など業務施設でも脱炭素を目的とした導入が本格化し、裾野の広がりによって引き続き市場拡大が予想される。特に、需給調整市場(発電量と需要量をリアルタイムで一致させるため、電力広域的運営推進機関が調整力を取引・運用する仕組み)では、これまで火力発電やメガソーラー、高圧接続の大工場・大型蓄電池など「高圧リソース」だけが参加可能だったが、2026年度より家庭用蓄電システムや電気自動車などの「低圧リソース」が加わるため、住宅向けEMS(HEMS)の導入増加が期待される。さらに、労働力不足やコスト高騰を背景に、引き続き、AIやクラウド環境を活用した設備の遠隔監視や運用・保全のアウトソーシングが進むことで、市場は中長期的に拡大するとみられる。

◆注目市場

●住宅向けEMS(HEMS)【EMS・関連システム】

住宅向けEMS(HEMS)【EMS・関連システム】

住宅向けのEMSを対象とする。

2025年度は、GX志向型住宅補助事業により市場は拡大するとみられる。大手ハウスメーカーで太陽光発電システムや蓄電設備の設置が進み、HEMSにより住宅内のエネルギー使用量や使用状況を見える化し、場合によって機器を制御できることから、標準搭載が進展している。居住者側も、HEMSを通じて提供される家電や住設機器の遠隔操作、見守り、セキュリティなどの機能にメリットを感じているため、付加価値の高い住宅という観点から大手ハウスメーカーを始め搭載を進めている。

今後も、付加価値の高い住宅を供給する上で、搭載が続くと予想される。また、2026年度より、家庭用蓄電システムなどの低圧リソースが需給調整市場に加わるため、今後は低圧リソースの末端機器の位置づけでDR・VPPプラットフォームとしての需要が押し上げられ、成長が続くとみられる。将来的にはHEMSを通じて提供される機能の多様化が進むことも後押しし、2040年度は2024年度比69.8%増の107億円が予測される。

●空調設備監視制御システム【EMS・関連システム】

空調設備監視制御システム【EMS・関連システム】

パッケージエアコンなどの空調設備、チリングユニットやターボ冷凍機などの熱源設備の稼働状態を監視し、複数設備・施設の管理を一元化するシステムを対象とする。

2025年度は、小規模かつ多店舗の空調設備の一括管理ニーズ向上を背景に、新たに店舗向けシステムが発売され、従来は大規模施設中心だった導入対象が小規模店舗にも広がっていることから市場が拡大している。特に、設備管理者不足に伴って、省人化や省力化を求める事業者からの需要が高まっている。

2026年度以降の市場は、ビルなどの建物管理者不足による拠点統合監視ニーズの高まりに加え、企業の脱炭素経営の加速やエネルギー管理需要を背景に堅調な拡大が予想される。中・長期的には、各業種向けのサービス展開によって中小規模事業者への普及が進むとみられる。加えて、2035年度頃には更新需要も予想されるため、2040年度の市場は2024年度比5.0倍が予測される。

●V2X対応自動車用充放電器【EMS関連ハードウェア】

V2X対応自動車用充放電器【EMS関連ハードウェア】

EVやPHVなどの駆動用電池を利用し、建物や電力系統に対して電力供給を行う自動車用充放電器を対象とする。

補助金制度の恩恵を受けて2023年度は導入が好調であったが、2024年度以降補助金の要件が厳しくなったことから市場は縮小している。2025年度も、補助金総額が減少しているほか、EVの普及も停滞しているため、市場は2024年度比7.1%減が見込まれる。

しかし、今後は、FITの終了で、太陽光発電システムで発電した電力の、住宅での自家消費が増えることが予想されるため、この製品の市場拡大に繋がるとみられる。国の方針でも、新しいZEH(GX ZEH)の要件として太陽光発電システムと蓄電システムのセットが必須とされたことなどから、自家消費が後押しされる可能性は高い。また、2035年度の新車販売の電動自動車(HVを含む)比率を100%にする目標も追い風となり、家庭内でエネルギーを取り廻していくようになるため、2040年度に向けて市場は大きく拡大するとみられる。

◆調査対象

EMS・関連システム
・住宅向けEMS(HEMS)
・業務・産業向けEMS(BAS/BEMS/REMS/FEMS)
・CEMS(コミュニティ/エリア向け)
・EV向け充放電管理・制御システム
・空調設備監視制御システム
・創蓄連携EMS(ローカルEMS)
・照明設備監視制御システム
・蓄電設備監視制御システム
・太陽光発電遠隔監視システム
・建物OS/建物設備統合管理プラットフォーム
・直流給電システム

EMS関連サービス
・建物設備監視サービス
・エネルギーサービス(ESCO/ESP)
・高圧一括受電サービス
・GHG排出量算定・可視化サービス

EMS関連ハードウェア
発電・蓄電
・蓄電システム
・V2X対応自動車用充放電器
・コージェネレーションシステム/燃料電池
送配電・受電
・見える化ツール
・分電盤
・キュービクル式高圧受電設備
・電力スマートメーター
・ガス絶縁開閉装置(GIS)
・配電用変圧器
・保護継電器


2026/3/31
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。