PRESSRELEASE プレスリリース

第14044号

循環器官用剤、脳疾患治療剤、消化器科治療剤の国内市場を調査
−医療用医薬品市場調査(1)−

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋)は、医師の診断に基づいて処方される医療用医薬品について、国内市場の動向を2年間にわたって調査する。 このたび、第1回(全6回)として、循環器官用剤(8品目)、脳疾患治療剤(2品目)、消化器科疾患治療剤(9品目)の3薬効領域(計19品目)の市場調査結果を報告書「2014 医療用医薬品データブック No.1」にまとめた。

◆調査結果の概要

1.循環器官用剤(8品目)

2013年
前年比
2022年予測
2013年比
市場規模
1兆3,574億円
102.3%
1兆1,543億円
85.0%

循環器官用剤の2013年の市場は、前年比2.3%増の1兆3,574億円となった。市場の60%以上を占める高血圧症治療剤が薬価改定の影響により縮小したものの、抗血小板剤・末梢血管拡張剤と抗凝固剤・ヘパリン製剤がけん引し、市場は微増となった。

抗血小板剤・末梢血管拡張剤は、一部のブランドがジェネリック医薬品の発売を受けて低調である一方、トップブランドが市場の拡大をけん引している。抗凝固剤・へパリン製剤は、2011年、2012年に新規作用機序を持つ抗凝固剤が相次いで発売されて以降、実績を大きく伸ばしている。また、狭心症治療剤、不整脈治療剤、心不全治療剤は、新薬の発売が少なく、ジェネリック医薬品の浸透や薬価の引き下げにより、苦戦している。

2022年の市場は、2013年比15.0%減の1兆1,543億円が予測される。高齢者人口の増加により、多くの循環器疾患において患者数が増加するとみられるが、構成比の最も高い高血圧症治療剤が、薬価改定などの厚生労働省が進めるジェネリック医薬品の浸透施策により市場を縮小させることが、循環器官用剤全体の市場縮小の要因となると考えられる。

2.脳疾患治療剤(2品目)

2013年
前年比
2022年予測
2013年比
市場規模
409億円
93.2%
160億円
39.1%

脳疾患治療剤の2013年の市場は、前年比6.8%減の409億円となった。2012年にトップブランドである「ラジカット」(田辺三菱製薬)が、市場拡大再算定による17.7%の大幅な薬価引き下げとなったことが影響している。

2022年の脳疾患治療剤市場は、2013年比60.9%減の160億円が予測される。上位品目が長期収載品となっているため、薬価の引き下げやジェネリック医薬品への切り替えが影響し、市場は縮小するとみられる。

3.消化器科治療剤(9品目)

2013年
前年比
2022年予測
2013年比
市場規模
5,360億円
99.9%
5,519億円
103.0%

消化器科治療剤の2013年の市場は、前年比0.1%減の5,360億円となった。市場の50%以上を占める消化性潰瘍等治療剤がけん引してきたが、ジェネリック医薬品や薬価改定、患者数の減少などで実績が縮小し、全体市場も微減となった。ただし、胃食道逆流症等治療剤、薬物性潰瘍治療剤はPPI(プロトンポンプ阻害剤)の適応拡大や新製品の投入などにより市場を拡大させた。

2022年の市場は、2013年比3.0%増の5,519億円が予測される。市場をけん引してきた消化性潰瘍等治療剤は今後も縮小が続くとみられる。一方、胃食道逆流症等治療剤や薬物性潰瘍治療剤は今後も新製品の投入による市場拡大が期待され、また、肝疾患治療剤はB型肝炎治療の抗肝炎ウイルス剤の成長が予測される。品目別のシェアは大きく変化しながら、市場は5,500億円規模を維持するとみられる。

◆注目市場

1.高血圧症治療剤【循環器官用剤】

2013年
前年比
2022年予測
2013年比
市場規模
8,465億円
98.8%
4,910億円
58.0%

高血圧症治療剤の2013年の市場は、前年比1.2%減の8,465億円となった。市場の60%を占めるARB・配合剤がけん引してきたが、薬価改定の影響で頭打ちとなった。一部の新製品が伸長しているものの、ARB・配合剤全体では苦戦している。Ca拮抗剤は、高血圧症の第一選択薬として多くの処方を獲得しているものの、大型ブランドのジェネリック医薬品への切り替えが進んでおり市場は縮小している。また、ACE阻害剤やα、β、αβ遮断剤、利尿剤は長期収載品が中心であるため、薬価改定やジェネリック医薬品の浸透により今後も市場の縮小が続くとみられる。

2022年の市場は2013年比42.0%減の4,910億円が予測される。上位品のジェネリック医薬品が2014年に発売されるとみられ、市場の拡大を担う大型新薬の登場も考えにくいため、大幅に縮小するとみられる。

2.抗凝固剤・へパリン製剤【循環器官用剤】

2013年
前年比
2022年予測
2013年比
市場規模
723億円
133.1%
1,647億円
2.3倍

抗凝固剤・へパリン製剤の2013年の市場は、前年比33.1%増の723億円となった。2011年以降、「プラザキサ」(日本ベーリンガーインゲルハイム)、「イグザレルト」(バイエル薬品)など新規の抗凝固剤が相次いで投入され、市場拡大に貢献している。

2022年の市場は、2013年比2.3倍の1,647億円が予測される。今後も高齢者人口の増加などを背景とし、心房細動や脳卒中の予防などで抗凝固剤の処方が増えるとみられる。また、2014年1月に発表された「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)」では、新規の抗凝固剤であるダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンの4剤が取り上げられており、同ガイドラインの普及により新規の抗凝固剤の使用がさらに広がるとみられる。一方、ヘパリン製剤市場は用途が人工透析時などに限られていることや、薬価改定の影響も大きく、今後大型新薬の投入も期待できないことから、市場は縮小が予測される。

3.胃食道逆流症等治療剤【消化器科疾患治療剤】

2013年
前年比
2022年予測
2013年比
市場規模
922億円
128.4%
1,380億円
149.7%

胃食道逆流症等治療剤の2013年の市場は、前年比28.4%増の922億円となった。2011年9月に発売された「ネキシウム」(第一三共)が胃食道逆流症(GERD、NERD)治療をターゲットとして、新たな需要を掘り起こし、市場の拡大に貢献している。

2022年の市場は、2013年比49.7%増の1,380億円が予測される。胃食道逆流症は患者数の増加に加え、啓発活動の進展が市場の拡大を後押しすると考えられる。今後もPPIが中心になるとみられる。また、FD(機能性ディスペプシア)治療剤については、「アコファイド」(アステラス製薬、ゼリア新薬工業)が2013年6月に日本初のFD適応として投入され、積極的なプロモーションにより医師への認知を獲得しており、また潜在患者数も多いとみられることから市場拡大が期待される。

◆調査対象

循環器官用剤 高血圧症治療剤、心不全治療剤、不整脈治療剤、狭心症治療剤、抗凝固剤・ヘパリン製剤、抗血小板剤・末梢血管拡張剤、腰部脊椎管狭窄症治療剤、肺高血圧症治療剤
脳疾患治療剤 脳卒中急性期治療剤、脳卒中慢性期治療剤
消化器科治療剤 消化性潰瘍等治療剤、胃食道逆流症等治療剤、薬物性潰瘍治療剤、H.pylori関連剤、過敏性腸症候群治療剤、腸疾患治療剤・下剤等下部消化管治療剤、肝疾患治療剤、膵疾患治療剤、胆道疾患治療剤

 


2014/06/30
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。