PRESSRELEASE プレスリリース
はちみつ(市販用)213億円(23.1%増)
ヨーグルトなどの組み合わせがTV番組で紹介され新規需要を獲得し高い伸び
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2015年8月より6回に分けて27カテゴリー410品目の加工食品国内市場について調査を行っている。その第5回目の結果を報告書「2016年 食品マーケティング便覧 No.5」にまとめた。
この報告書では農産加工品26品目、畜産加工品12品目、水産加工品20品目、乳油製品15品目、計73品目の市場を調査・分析した。なお、第6回目は果実飲料、炭酸飲料、乳性飲料、嗜好飲料、健康飲料、その他飲料、嗜好品の市場を「2016年 食品マーケティング便覧 No.6」で調査・分析する。この結果は追って発表する。
◆注目市場
1.はちみつ(市販用)【農産加工品】
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
173億円 |
102.4% |
213億円 |
123.1% |
「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」で定めている4分類(純正はちみつ、精製はちみつ、加糖はちみつ、巣はちみつおよび巣はちみつ入り)の市販用はちみつを対象とし、はちみつ加工品は対象外としている。 2014年は大手NBメーカーが値上げを実施したものの、ヨーグルトやグラノーラなどにかけて食べるユーザーが増え、需要増加により市場が拡大した。
2015年は主要原料である中国産の採蜜状況が芳しくないことから原料価格の高騰が続いており、前年に引き続き値上げを実施するメーカーが多数見られたが、はちみつとヨーグルトやグラノーラとの組み合わせが美肌やダイエットに効果があるとTV番組で多数紹介されたことで、新規需要を獲得しており市場は近年稀に見る高い伸びが見込まれる。
2.ナチュラルチーズ【乳油製品】
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
1,467億円 |
102.4% |
1,503億円 |
102.5% |
加熱処理されていないハード・セミハードチーズ、クリームチーズ、カマンベールチーズなどを対象としている。 2014年は主な乳業メーカーの主要ブランドがやや苦戦したが、カマンベールチーズやモッツァレラチーズといった注力商品がメニュー提案やおつまみ需要を獲得したことで伸びた。これにより市場はプラスとなった。
2015年は市販用で最も構成比の高いシュレッドタイプのチーズの需要がチーズフードカテゴリーの「スティリーノ」(マリンフーズ)にシフトしており、数量ベースでは前年割れが見込まれる。一方、前年から好調なカマンベールチーズは成分のアルツハイマー予防効果がTV番組で紹介されたことで二桁増、クリームチーズは下げ止まり感が見られることから、市場は前年と同程度の伸びが見込まれる。
3.納豆【農産加工品】
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
1,165億円 |
100.6% |
1,188億円 |
102.0% |
2014年は前年のひきわり納豆ブームの反動からメーカーによってはマイナスとなったが、上位メーカーが差別化や品質訴求の商品販促によりプラスを維持し、市場は前年比0.6%増となった。
2015年は納豆の健康性の高さがTV番組で紹介されたことを追い風に、主力商品の配荷を広げて売上を伸ばすメーカーも多く見られ、続伸が見込まれる。
4.チキン加工品【畜産加工品】
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
1,758億円 |
98.8% |
1,783億円 |
101.4% |
冷凍、チルドのからあげ、チキンナゲット、ローストチキン、フライドチキンなど、鶏肉を使った加工食品を対象としている。 2014年は日本国内に卸す中国食品メーカーの消費期限切れ問題がチキンナゲットのイメージを悪化させ、販売に悪影響を与えたことが市場を押し下げ、前年割れとなった。
2015年は中国食品メーカー問題の影響が薄れてチキンナゲットの販売が回復に向かっているほか、CVSを中心にサラダチキンが好調で市場を底上げしており、プラスに転ずると見込まれる。
5.ちくわ【水産加工品】
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
640億円 |
100.8% |
643億円 |
100.5% |
2014年は水産練製品市場の縮小が続く中で、ちくわは調理なしでそのまま食べることを想定し、且つ原料に拘り高品質を訴求した商品がけん引して市場が拡大した。
2015年も価格競争は続いているが高付加価値商品の好調が続いており、上位メーカーが伸ばしていることから、市場は僅かながらも前年を上回るとみられる。
◆調査結果の概要
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
農産加工品(26品目) |
1兆2,787億円 |
99.1% |
1兆2,760億円 |
99.8% |
畜産加工品(12品目) |
9,210億円 |
100.7% |
9,193億円 |
99.8% |
水産加工品(20品目) |
8,849億円 |
99.2% |
8,833億円 |
99.8% |
乳油製品(15品目) |
6,432億円 |
100.2% |
6,560億円 |
102.0% |
農産加工品は、家庭での調理や若年層の喫食の機会減少によって実績が低迷する品目が多い中で、納豆や凍豆腐はTV番組で健康性の高さが紹介され、消費者の注目を集めたことで配荷が広がっており、2015年は伸長が見込まれる。 また、サラダ類も市販用、業務・加工用共に簡便性や汎用性の高さが支持され、2012年、2013年と好調で、2014年はやや伸びが鈍化したが、上位メーカーの拡販や商品バリエーションの多様化によって2015年は前年を超える伸長が見込まれる。さらに、はちみつ(市販用)はヨーグルトやグラノーラとの組み合わせが美肌やダイエットに効果があるとTV番組で多数紹介され高い伸長が見込まれる。
畜肉加工品は、多くの品目で原料価格の高騰による値上げが実施されているものの市場への影響は軽微であり、全体的には内食需要の高まりを追い風に堅調となっている。一方、2015年10月にWHO付属機関によるハム・ソーセージの発がん性リスクに関する発表され、特にソーセージ類の需要に影響を与えている。今後どの程度影響が長引くか懸念される。
水産加工品は、食の多様化などの影響から縮小している品目が多く、市場規模が大きい水産練製品では原料事情の悪化や物流の効率化などを目的に上位メーカー間の業務提携が相次いでおり、今後も上位メーカーへの集約が予想される。しかし、風味かまぼこでは新奇性の高い商品がSNSなどで話題となりヒットしたほか、ちくわでも高付加価値商品が好調を維持しており、水産練製品は市場の縮小が予想される中で価格以外での価値提案が目立っている。
乳油製品は、バターでは前半に供給制限があったものの、後半にかけて生乳不足が解消され、各社が供給量を取り戻している。業務用ルートでは乳脂肪分の高いマーガリンにシフトするケースも見られるが、製パンなど大口顧客はバター回帰がスムーズに進んだ。 チーズはプロセスチーズ、ナチュラルチーズともにおつまみ需要を獲得するために市販用商品が強化されており、売場ではクロスマーチャンダイジングも活発に実施されたことで例年以上に伸長するメーカーが増加している。特にカマンベールチーズは成分のアルツハイマー予防に効果があることが広まり、今後は継続的にシニア需要の獲得が期待される。
◆調査対象
農産加工品 |
漬物、(キムチ) 、煮豆、納豆、凍豆腐、豆腐、豆腐加工品、(味付油揚げ)、こんにゃく、なめ茸茶漬類、山菜加工品、味付けメンマ、はるさめ、工ごま、ジャム類、スプレッド類(市販用)、素材系トマト、サラダ類、素材缶詰、果実缶詰、冷凍野菜、(ポテト加工品)、(素材系ミックス・市販用)、冷凍果実(市販用)、はちみつ(市販用)、こんにゃく米 |
畜産加工品 |
ハム類、(ベーコン)、(生ハム)、ソーセージ類、(ドライソーセージ)、チキン加工品、焼肉類、牛肉味付缶詰・パウチ、コンビーフ類、食肉加工品缶詰・パウチ、やきとり缶詰、(おつまみ缶詰) |
水産加工品 |
魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、(風味かまぼこ)、(ちくわ)、パックおでん、のり、(韓国のり)、海苔佃煮、昆布佃煮、かつおパック、塩辛、もずく酢、かぶ、スモークサーモン、水産缶詰、(青魚缶詰) 、(ツナ加工品)、子明太子、鮭フレーク(市販用)、乾燥わかめ(市販用) |
乳油製品 |
バター、市販用マーガリン類、業務用マーガリン類、プロセスチーズ、ナチュラルチーズ、(クリームチーズ)、(カマンベールチーズ) 、チーズフード、(チーズフォンデュ)、(チーズスプレッド)、(市販用チーズ)、生クリーム、(コーヒー用クリーム)、ポーションクリーム、インスタントクリーミーパウダー |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
