PRESSRELEASE プレスリリース
整形外科領域、アレルギー疾患治療剤などを調査
骨粗鬆症治療剤3,745億円(45.3%増)関節リウマチ治療剤2,857億円(26.9%増)
高齢化による骨関連疾患患者増加で拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、医師の診断に基づいて処方される医療用医薬品の国内市場を2016年から2017年にかけ、7回に分けて調査する。
今回は第3回目として、整形外科領域(5品目)、アレルギー疾患治療剤(2品目)、呼吸器疾患治療剤(6品目)、免疫抑制剤(移植処方分、ネフローゼ症候群・エリテマトーデス・ループス腎炎処方分)の市場を調査した。その結果を報告書「2016 医療用医薬品データブック No.3」にまとめた。
◆注目の市場
1.骨粗鬆症治療剤 【整形外科領域】
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
2,635億円 |
102.3% |
3,745億円 |
145.3% |
骨粗鬆症治療剤はビスフォスフォネート製剤の構成比が最も高い。
ビスフォスフォネート製剤は一部のシェア上位製品がジェネリック医薬品の影響を受けているが、「ボノテオ」(アステラス製薬)、「リカルボン」(小野薬品工業)、「ボンビバ」(中外製薬、大正富山医薬品)が好調でプラス成長している。副甲状腺ホルモン製剤は2010年に発売された「フォルテオ」(日本イーライリリー)が、強い骨形成促進作用が評価され伸びており、プラス成長を維持していたが、2016年は市場拡大再算定によりマイナス改定となり縮小が見込まれる。
今後は、ビスフォスフォネート製剤で「ボンビバ」は簡便性訴求で続伸することや「リクラスト点滴静注液」(旭化成ファーマ)が骨粗鬆症の適応拡大を受け発売されることで伸長するとみられるが、一部の上位製品がジェネリック医薬品との競合による縮小が続くと予想される。その他の骨粗鬆症治療剤では、「プラリア」(第一三共)が臨床的な高い効果で評価され伸び続けることに加え、2018年にはアステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬が開発中の骨形成促進と骨吸収抑制の効果を持つヒト化モノクローナル抗体・ロモソズマブの発売が予想される。
2.関節リウマチ治療剤 【整形外科領域】
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
2,397億円 |
106.4% |
2,857億円 |
126.9% |
関節リウマチ治療剤は、生物学的製剤が伸び続けている。2014年11月から上位製品の「レミケード」(田辺三菱製薬)とバイオシミラーとの競合が始まっている。免疫抑制剤は処方が増えるが、ジェネリック医薬品への移行により横ばいとみられる。2016年は、2015年比6.4%増の2,397億円が見込まれる。
今後は、治療患者は疾患啓発にともない増えていくと予想される。メトトレキサートの伸びと、生物学的製剤の普及にともない市場が拡大するが、生物学的製剤の上位製品に対するバイオシミラーが発売されることで、拡大ペースは徐々に減速するとみられる。
3.喘息治療剤 【呼吸器疾患治療剤】
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
2,048億円 |
94.7% |
2,050億円 |
94.8% |
喘息治療剤は2015年にロイコトリエン受容体拮抗剤「キプレス/シングレア」(杏林製薬/MSD)のOD錠が発売され剤型のラインアップが充実したことなどが、市場拡大に寄与した。2016年は吸入ステロイド剤の伸びに加えて「ヌーカラ」(グラクソ・スミスクライン)の発売や「スピリーバ」(日本ベーリンガーインゲルハイム)が適応拡大となったものの、「キプレス/シングレア」が特許切れからジェネリック医薬品が発売されたことから縮小が予想され、市場は前年割れが見込まれる。
今後は、吸入ステロイド剤のジェネリック医薬品の発売が予想され、2018年までは市場は縮小するとみられる。現在フェーズIIIの開発品が順調に進めば2018年以降に発売されるとみられることから、新製品の浸透とともに市場は回復に向かうと期待される。
◆調査結果の概要
1.整形外科領域
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
5,501億円 |
103.4% |
7,033億円 |
132.2% |
整形外科領域は、骨粗鬆症治療剤と関節リウマチ治療剤で90%を占めている。高齢化に伴う骨関連疾患患者の増加により市場も大きく拡大している。
骨粗鬆症治療剤はビスフォスフォネート製剤で「ボノテオ」(アステラス製薬)、「リカルボン」(小野薬品工業)が伸びており、「ボンビバ」(中外製薬、大正富山医薬品)が月1回1ショット静脈注射の簡便性を訴求し伸長している。その他に、副甲状腺ホルモン製剤が急速に伸びている。また、関節リウマチ治療剤は生物学的製剤が約80%を占め、伸長が続いていることから、2016年は2015年比3.4%増の5,501億円が見込まれる。
今後は、骨粗鬆症治療剤は新薬の登場による市場拡大とジェネリック医薬品やバイオシミラー発売の影響による縮小が同時進行するため、微増が続くと予想される。関節リウマチ治療剤も伸びるが、その伸びは徐々に鈍化していくとみられる。
2.アレルギー疾患治療剤
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
1,709億円 |
94.2% |
2,112億円 |
116.4% |
アレルギー疾患治療剤は、抗アレルギー剤とアレルゲン免疫療法剤で構成される。市場のほとんどを抗アレルギー剤が占めている。
抗アレルギー剤はヒスタミンH1拮抗剤の割合が大きいが、2015年にその上位製品が大幅に縮小し前年を下回った。2016年は「キプレス/シングレア」(杏林製薬/MSD)が特許期限切れから、ジェネリック医薬品が発売されたことで、市場は前年割れが見込まれる。
今後は、抗アレルギー剤に占めるヒスタミンH1拮抗剤の割合に変わりはないほか、新製品の開発が進み発売されることで市場拡大が期待される。アレルゲン免疫療法剤は医師・患者双方の認知度向上、アレルギー性鼻炎患者の増加に伴い、市場は堅調に拡大すると予想される。
3.呼吸器疾患治療剤
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
3,157億円 |
97.9% |
3,501億円 |
108.5% |
呼吸器疾患治療剤は喘息治療剤が約70%を占めている。また、喘息治療剤はロイコトリエン受容体拮抗剤と吸入ステロイド剤の2剤で約8割を占めている。
2016年の市場はロイコトリエン受容体拮抗剤が、2015年好調だった上位製品の「キプレス/シングレア」(杏林製薬/MSD)がジェネリック医薬品発売の影響を受けたことから縮小し、前年割れが見込まれる。
今後、喘息治療剤はロイコトリエン受容体拮抗剤の上位製品がジェネリック医薬品の影響を受けていることに加え、吸入ステロイド剤もジェネリック医薬品の発売が予想され、2018年まで縮小が続くと予想される。一方で、COPD治療剤は配合剤を含む抗コリン剤で多くの新製品投入が予想されることから伸長し、市場拡大をけん引していくと期待される。
4.免疫抑制剤 (移植処方分、ネフローゼ症候群・エリテマトーデス・ループス腎炎処方分)
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
537億円 |
102.1% |
671億円 |
127.6% |
免疫抑制剤は移植処方分とネフローゼ症候群・エリテマトーデス・ループス腎炎処方分を対象とし、90%以上を移植処方分が占めている。
移植処方分は上位製品がジェネリック医薬品の影響を受け縮小したが、先発品に対する評価が高いことから2015年は微減にとどまった。ネフローゼ症候群・エリテマトーデス・ループス腎炎処方分も上位製品にジェネリック医薬品が発売されたが2015年以降新製品の発売もあり、2016年の市場は微増が見込まれる。
今後、移植処方分は既存製品による展開が中心になると考えられる。ネフローゼ症候群・エリテマトーデス・ループス腎炎処方分では、2016年に「セルセプト」(中外製薬)がループス腎炎の適応拡大を取得したことに加え、抗インターフェロン抗体など、開発品の発売も予想されることから、市場は拡大が期待される。
◆調査対象
| 整形外科領域 | 関節リウマチ治療剤、強直性脊椎炎治療剤、若年性特発性関節炎治療剤、骨粗鬆症治療剤、変形性関節症治療剤 |
| アレルギー疾患治療剤 | 抗アレルギー剤(点眼剤、外用剤は除く)、アレルゲン免疫療法剤 |
| 呼吸器疾患治療剤 | 喘息治療剤、COPD治療剤、鎮咳・去痰剤、禁煙補助剤、特発性肺線維症治療剤、その他呼吸器疾患治療剤 |
| 免疫抑制剤 | 免疫抑制剤(移植処方分)、免疫抑制剤(ネフローゼ症候群・エリテマトーデス・ループス腎炎処方分) |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
