PRESSRELEASE プレスリリース

第22026号

機能性コンパウンドの世界市場を調査
EV化や車載電装化の進展に伴い、自動車分野を中心に堅調に拡大
―2030年予測(2020年比)―
■コンパウンド20品目の世界市場 4,068万トン(30.6%増)
~自動車分野での採用増により拡大。特にスーパーエンプラの伸びが大きい~
●PPSコンパウンド 20万トン(66.7%増)
~EV化や車載電装化に伴い自動車一台あたりの使用量が増加~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 清口 正夫 03-3241-3470)は、着色剤の配合による外観性の向上、強化繊維の配合による機械的強度の向上、難燃剤の配合による難燃性の向上などが図れるため、自動車分野や電気電子分野を中心に広く使用されている機能性コンパウンドの世界市場を調査した。その結果を「2022 コンパウンド市場の展望とグローバルメーカー戦略」にまとめた。

この調査では、汎用樹脂コンパウンド7品目、汎用エンプラコンパウンド7品目、スーパーエンプラコンパウンド8品目に加えて、添加剤・フィラー10品目の市場について、その現状を調査し、将来を予想した。加えて、日本、中国・台湾、韓国、米国、欧州などの樹脂メーカーおよびコンパウンドメーカー60社の動向を整理した。

◆調査結果の概要

■コンパウンド20品目の世界市場

 

2022年予測

2020年比

2030年予測

2020年比

汎用樹脂

2,859万トン

107.4%

3,474万トン

130.6%

汎用エンプラ

486万トン

113.0%

552万トン

128.4%

スーパーエンプラ

30万トン

120.0%

42万トン

168.0%

合 計

3,375万トン

108.3%

4,068万トン

130.6%

2020年は、新型コロナウイルス流行の影響を受け、グローバルな経済活動が一時的に停滞したことで、コンパウンドの販売数量も大きく減少した。中国を中心に後半は、自動車分野を軸に需要はやや回復したものの、市場は前年比7.9%減となった。また、金額ベースではナフサなどの原料価格が大幅に下落し、連動して汎用樹脂コンパウンドの価格が下がったことから、前年比20%以上の縮小となった。

2021年は、前半は経済活動の回復に伴い好調であったが、後半は車載半導体をはじめとした自動車部品の不足、東南アジアなどでのロックダウンに伴う工場の稼働休止、世界的な物流停滞などを要因としたサプライチェーンの混乱などの影響を受け、市場は前年比3.3%増が見込まれるものの、2019年の規模は下回るとみられる。一方、金額ベースでは原料価格や船賃の高騰、急激な回復による需給逼迫により製品価格が上昇していることから、2019年の規模を上回るとみられる。

長期的には、EV化や車載電装化に伴う自動車分野での需要増加や、中国やインド、東南アジアなどの経済成長などを背景に、堅調な市場拡大が予想される。

カテゴリー別にみると、汎用樹脂コンパウンドが8割以上を占めている。PP(ポリプロピレン)コンパウンドをはじめ、自動車分野で使用される製品が多いため、自動車生産台数の増加に伴い、市場拡大が予想される。また、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は家電・OA機器、PE(ポリエチレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)コンパウンドは住宅やインフラでも一定の需要があるため、新興国の経済発展が市場拡大を後押しするとみられる。

汎用エンプラコンパウンドは、自動車や電気電子分野での採用が中心である。2021年は成形メーカーや部品メーカーによる購入が増えており、PA6(ポリアミド6)コンパウンドやPOM(ポリアセタール)コンパウンド、m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)などを中心に伸びるとみられる。

スーパーエンプラコンパウンドは、2020年は自動車での採用が多いPA6TコンパウンドやPPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンドなどが落ち込んだが、自動車生産台数の増加に伴い、今後は伸びが期待される。PA9TコンパウンドやLCPは電気電子分野の採用が多いため、テレワーク需要や巣ごもり需要により、堅調な伸びが続いている。

用途別では、主軸となる自動車と電気電子がそれぞれ3割以上を占める(2020年)。自動車分野は、自動車の需要が大部分を占めるPPの比率が高く、市場をけん引している。PVCも自動車内装材で多く使用されている。また、汎用エンプラでは燃料系や機構部品、電装部品などでPA6やPA66、PBTも多く用いられている。電気電子分野は、電線被覆で使用されるPVCや、家電やOA機器など広く採用されるABSの比率が高い。

地域別需要では、家電製品やOA機器の生産地となっている中国の占める割合が大きく、2020年は4割以上を占めた。特に、汎用樹脂コンパウンドは中国需要が45%以上を占めている。汎用エンプラやスーパーエンプラコンパウンドについても、自動車などの品質向上が求められているため、利用が増えるとみられる。今後、中国からの工場移管が進む東南アジアなどで汎用樹脂コンパウンドの需要増加が予想される。日本は、自動車向けのPPSコンパウンドやPA6Tなどスーパーエンプラコンパウンドの需要地となっている。

◆注目市場

●PPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンド 【スーパーエンプラ】

2022年予測

2020年比

2030年予測

2020年比

14万トン

116.7%

20万トン

166.7%

PPSコンパウンドは、自動車の電動部品や電装部品などでの採用が中心である。ほかには、半導体装置部品やSMTコネクターなどの電気電子分野、また、水道混合水栓や給湯器の電磁弁など水回り部品でも使用される。

市場は、新型コロナ流行による経済活動の停滞や自動車生産の落ち込みの影響を受けているが、比較的需要は堅調であり、今後も自動車分野を中心に市場拡大が期待される。特にEV化や車載電装化に伴い自動車一台あたりの使用量が顕著に増えており、需要増加が予想される。

地域別では、現状、日本と中国の需要がそれぞれ3割程度を占めている。日本では、xEV関連や半導体製造装置用の新規ニーズがみられ、2021年は堅調に伸びている。2022年以降も自動車生産の回復、EVや電装部品の増加、半導体製造の活発化により、需要増加が期待される。ただし、長期的には自動車生産台数の縮小が予想されるため、新規用途の開拓が必要になるとみられる。中国では、2020年半ばから経済活動の回復が進み、大手メーカーが実績を伸ばしている。急速なEV化による自動車部品用途での新規需要の創出や、電気電子分野での採用も堅調であることから、今後も高い伸びが期待される。

●PBT(ポリブチレンテレフタレート)コンパウンド 【汎用エンプラ】

2022年予測

2020年比

2030年予測

2020年比

106万トン

110.4%

131万トン

136.5%

PBTコンパウンドは、電気電子や自動車分野での使用が多い。電気電子分野ではコネクター、自動車分野では主に電装部品や機構部品などでの採用が中心である。

2020年は、OA機器コネクターの生産数量や自動車の生産台数が落ち込んだことにより、大幅な市場縮小となった。2021年は、前年の反動もあり需要は回復に向かっているが、原料である1,4-BD(ブダンジオール)の不足や、自然災害による米国生産拠点で稼働休止の影響で、前年比3.1%増にとどまるとみられる。今後、長期的にはEV化や自動車電装化の進展に伴い、1台当たりの電装部品が増加するため、電気特性に優れるPBTの需要も増えるとみられる。主にワイヤーハーネスコネクターやECUケースで使われており、今後はバッテリーやブレーキ周りでの採用も進むとみられる。

販売地域別にみると、中国が全体の5割近くを占める。自動車分野の占める割合が大きい。欧州や北米、日本などでも自動車分野を中心に、今後も安定した需要が期待される。

●PP(ポリプロピレン)コンパウンド 【汎用樹脂】

2022年予測

2020年比

2030年予測

2020年比

531万トン

107.9%

667万トン

135.6%

自動車分野での使用が9割を占めているため、市場は自動車生産台数に連動している。2020年は新型コロナ流行により世界的に需要が落ち込んだ。2021年は需要回復の兆しがみられたものの、世界的な半導体不足と東南アジアなどでの部品工場稼働休止に伴う自動車生産の低迷が影響し、市場はほぼ横ばいとなった。2022年以降の市場は順調に回復に向かい、その後は自動車生産台数の増加に連動して拡大が予想される。

需要の中心は中国や北米である。中国では自動車生産台数の増加に加え、中国自動車メーカーが軽量化を目的にPPの使用量を増やしており、伸びを後押しするとみられる。北米では外板の樹脂化が進んでおり、今後も需要増加が予想される。また、欧州ではEVの生産増に伴い外装部品を中心に需要が増えるとみられる。

◆調査対象

機能性コンパウンド・添加剤・フィラー

汎用樹脂

コンパウンド

・PPコンパウンド

・PSコンパウンド 

・AS

・PEコンパウンド

・ABS 

 

・PVCコンパウンド

・ASA/AES

 

汎用エンプラ

コンパウンド

・PCコンパウンド

・POMコンパウンド

・GF-PET

・PA6コンパウンド

・m-PPE

 

・PA66コンパウンド

・PBTコンパウンド

 

スーパーエンプラ

コンパウンド

・PPSコンパウンド

・PA9Tコンパウンド

・PTFEコンパウンド

・LCPコンパウンド

・PA10Tコンパウンド

・溶融フッ素樹脂コンパ

・PA6Tコンパウンド

・PEEKコンパウンド

ウンド

添加剤・フィラー

・臭素系難燃剤

・炭素繊維

・紙パウダー

・リン系難燃剤

・セルロースナノファイバー

・ノイズ抑制材料(ミリ波用)

・難燃助剤

・タルク

 

・ガラス繊維

・木質・バイオ系フィラー

 

企業事例

日系32社、中国・台湾系13社、韓国系3社、米国系3社、欧州系他9社

※PA10Tコンパウンド、溶融フッ素樹脂コンパウンドの市場は算出していない


2022/03/17
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。