PRESSRELEASE プレスリリース
血糖自己測定診断薬は縮小するものの、多くの検査項目が拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、国内の臨床検査市場を網羅する調査を行っている。調査は4回に分けて行い、その第3回目となる今回は、細菌検査、遺伝子検査、病理検査の3検査分野とPOCといった検査カテゴリーの市場を調査した。その結果を「2014 臨床検査市場 No.3」にまとめた。
この報告書では、対象とした3検査分野・1検査カテゴリーの検査薬(培地・試薬含む)と検査装置の市場を調査し、各市場を金額ベースと数量ベース(検査薬は検査数、装置は台数)で分析した。
◆調査結果の概要
1.POC検査薬市場
2014年見込 |
2013年比 |
2018年予測 |
2013年比 |
|
市場規模 |
1,040億円 |
101.3% |
1,062億円 |
103.4% |
POC検査は、Point Of Care(必要な場所、時、状況における必要な医療行為)に貢献する検査である。近年は、多くの検査項目が伸びているが、市場の40%を占める血糖自己測定診断薬の縮小が影響し、全体で横ばいとなっている。
感染症領域では、最も市場規模の大きいインフルエンザのキットは、2012年以降、目立ったインフルエンザの流行が無かったことから横ばいとなっている。RSウイルス、アデノウイルスなどの気道感染症、消化器感染症のキットは、認知が進んだことで伸びている。しかし、有効な治療薬が無いため、広範な普及には至っていない。2013年に発売されたマイコプラズマのキットは、初年から順調な立ち上がりとなった。マイコプラズマ感染の診断に基づき効果のある薬剤選択が可能なことが評価されたと考えられる。当面、拡大が予想される。ノロウイルスのキットは、2012年に直腸便に対応するキットが発売され急拡大した。3歳から64歳の患者では保険適用しないことや、有効な治療薬が無いなどのマイナス要因もあるが、潜在患者数は多い。肝炎マーカー関連のキットは、定量法(調査対象外)への移行により減少している。
その他の領域では、PCT(プロカルシトニン)のキットは、免疫装置による検査(調査対象外)が一般化してきているものの、微増を維持している。アレルギーはこれまで外注が一般的だったが、簡易なキットによって患者数の多い吸入系、食餌系の検査が院内で迅速に検査することができるようになったため、大きく伸びるとみられる。その他、便潜血のキットが検診需要を中心に安定しているほか、糖尿病専用システム用診断薬、心筋マーカーのキットは伸びている。心筋マーカーのキットは高齢化の進行による循環器系疾患患者の増加もあり、今後も拡大が予想される。
2.遺伝子検査薬市場
2014年見込 |
2013年比 |
2018年予測 |
2013年比 |
|
市場規模 |
92億円 |
102.2% |
98億円 |
108.9% |
遺伝子検査は、主に肝炎、結核、STD(性感染症)関連の検査項目で構成される。各検査項目はほぼ普及し、市場は自然増となっている。測定方法別にみると、PCR法とリアルタイムPCR法が優位にあり、市場の80%以上を占めている。
CR法による検査実施は、結核で僅かと、STD関連が残っているものの、それ以外の多くがリアルタイムPCR法に移行している。検査項目別にみると、最も市場規模の大きい結核関係は様々な測定方法が出揃ったこともあり、堅調に推移している。直近3年では、HPVで参入が目立つほか、クラミジア+淋菌でも参入があり、STD関連の検査項目の市場が活発化している。HCVは新しいC型肝炎治療薬の発売もあり、検査需要が高まっている。HCVに関しては今後も新たなC型肝炎治療薬の発売が予想されることから、検査需要の拡大が期待される。
3.病理検査薬市場
2014年見込 |
2013年比 |
2018年予測 |
2013年比 |
|
市場規模 |
68億円 |
104.6% |
114億円 |
175.4% |
病理検査は、免疫染色用抗体・キット、また、病理部門で実施する遺伝子法キットを対象としている。免疫病理染色は、煩雑な手技と判断が求められる。自動化ニーズが高いため、特にフルオート化対応の抗体・キットが実績を伸ばしている。
近年は、毎年のようにコンパニオン・ダイアグノスティックス(特定の治療薬の投与可否を決定するための検査薬)が発売されており、市場拡大要因となっているが、患者1回の検査であることや対象に希少疾患が多い。また、コスト高や検査実施可能施設が限られること、検査結果判定まで時間を要することなどが課題となっているものもあるが、治療過程において今後重要度が増せば大きく伸びる可能がある。今後も新たなコンパニオン・ダイアグノスティックスの発売が考えられることから市場の拡大は続くとみられる。
4.細菌検査薬(培地など)市場
2014年見込 |
2013年比 |
2018年予測 |
2013年比 |
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市場規模 |
219億円 |
102.3% |
232億円 |
108.4% |
細菌検査は、培地による微生物培養検査、装置による同定・感受性検査、装置による血液培養検査に大別される。微生物培養検査は、分画培地が順調に伸びている。血液培養検査は、近年、検査精度の向上のため採血箇所が1か所から2ヶ所、培養も1セットから2セットに増加していることから好調である。主にこれらが、他の減少分をカバーする形となっている。 今後も分画培地や、同定・感受性検査、血液培養検査といった装置による検査は堅調に拡大すると予想される。
◆調査対象
| POC | POC検査薬 | 尿検査薬、便潜血キット、簡易分析装置用診断薬、HCG簡易キット、LH簡易キット、HBs抗原・抗体簡易キット、HCV抗体簡易キット、マイコプラズマ抗原キット、PCT簡易キット、ロタウイルス抗原キット、A群β連鎖球菌ダイレクトキット、アデノウイルス抗原キット、RSV抗原キット、インフルエンザ抗原迅速キット、ノロウイルス抗原キット、尿中アルブミン定性キット、糖尿病専用システム用診断薬、心筋マーカー迅速検査キット、アレルギー簡易キット、CRP専用装置用診断薬、OTC検査キット、血糖自己測定診断薬・穿刺針 |
| POC検査装置 | 尿検査装置(オート、セミオート、マニュアル)、便潜血装置(オート、セミオート)、簡易分析装置、糖尿病専用システム、心筋マーカー迅速検査装置、CRP専用装置、血糖自己測定装置 | |
| 遺伝子 | 遺伝子検査薬 | HCV定量、HBV定量、HBVプレコア/コアプロモーター、結核菌、結核菌群リファンピシン耐性遺伝子、非定型抗酸菌、クラミジア、淋菌、クラミジア+淋菌、HPV、HIV、白血球中敗血症菌DNA、 SARSコロナウイルス、H5亜型インフルエンザ、新型インフルエンザ、A型インフルエンザ、レジオネラ、マイコプラズマ・ニューモニエ、WT-1定量、UGT1A1遺伝子多型、Major BCR-ABL mRNA定量、KRAS遺伝子変異、EGFR遺伝子変異 |
| 遺伝子検査装置 | 前処理装置(リアルタイムPCR法)、検出装置(LAMP法、PCR-Luminex法など)、オート装置(PCR法、リアルタイムPCR法、LAMP法など) | |
| 病理 | 病理検査薬 | 免疫染色用抗体・キット(HER2タンパク、ER/PGR、EGFRタンパク、CCR4タンパク、ALK融合タンパク、CD30タンパク、その他)、遺伝子法キット(HER2FISH、ALK融合遺伝子、術中遺伝子検査) |
| 病理検査装置 | 免疫染色装置(オート、セミオート) | |
| 細菌 | 細菌検査薬 (培地・試薬) |
生培地、粉末培地、ガスパック、血液培養ボトル、感受性ディスク、簡易同定キット、装置用培養・感受性・同定キット |
| 細菌検査装置 | 血液培養・抗酸菌培養装置、感受性装置、同定+感受性装置、同定(質量分析)装置 |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
