PRESSRELEASE プレスリリース

第15111号

プラスチックフィルム、機能性コーティング材の世界市場を調査
−2019年市場予測(2014年比)−
機能性コーティング材4,845億円(7.2%増)導電や表面改質機能のコーティング材が堅調
  OLED用封止材81億円(5.4倍)OLEDディスプレイの需要増に伴い拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、薄型TVや、タッチパネルを搭載したスマートフォンやタブレット端末向けを中心に拡大してきた高機能なプラスチックフィルム、また、これらのプラスチックフィルムに塗工することで導電機能、表面改質機能、接着・剥離機能、光学機能、バリア・封止機能などをさらに付与する機能性コーティング材の市場を調査した。その結果を報告書「2016 高機能フィルム&コーティング材の市場展望とメーカー戦略」にまとめた。

この報告書ではプラスチックフィルム(原反フィルム)12品目、機能性コーティング材20品目の市場を調査・分析し、将来を予測すると共に、有力メーカー23社の企業事例を取り上げた。薄型TVやスマートフォン、タブレット端末の普及が進み生産拡大が頭打ちとなりつつある中、今後はそれらに使用されるプラスチックフィルムや機能性コーティング材の伸びも鈍化するとみられ、各メーカーは新たなフィルム高機能化策に基づく市場の開拓を進めている。

◆調査結果の概要

1.機能性コーティング材20品目の世界市場

2014年
2019年予測
2014年比
市場規模
4,521億円
4,845億円
107.2%

※光触媒フィルム用コーティング材は日本市場のみを対象とした

2014年の市場は前年比2.2%増の4,521億円となった。粘着テープ用粘着剤が全体の80%を占めた。粘着テープは光学、電気電子、自動車、建築、包装分野など幅広く用いられ、今後も堅調な需要が予想される。他の品目ではLCD用反射防止フィルムで使用されLCD-TVの生産拡大に伴い需要が増加したフィルム用ハードコーティング材、プロテクトフィルムで多く使われる帯電防止用コーティング材、スマートフォンやタブレット端末のタッチパネル用導電性フィルムで使用される導電性ペースト、タッチパネル電極用ITOフィルムに用いられるターゲット材(透明導電性フィルム用)などの市場規模が大きく、今後もこれらの伸びが市場拡大をけん引するとみられる。 

1)導電機能材

対象品目としては、製造工程や搬送時の埃の付着や素子へのダメージを防ぐプロテクトフィルムなどに用いられる帯電防止用コーティング材、プラスチックフィルムに導電機能を付与し電子デバイスとして機能させる導電性ペーストやターゲット材、導電性ナノ粒子インクなどがあげられる。導電機能材は、使用される量は少ないが、ITOや銀などを材料とするため単価が高く市場規模が大きい。タッチパネルを使用するスマートフォンやタブレット端末の市場成熟により、導電機能材全体の市場は2016年以降年率2〜3%の伸びにとどまると予想されるが、導電性ナノ粒子インクは有機TFTや有機EL照明、有機薄膜太陽電池などの量産化が進むことで大きな伸びが期待される。

2)表面改質機能材

対象品目としては、フィルムの表面硬度を高めるために用いるフィルム用ハードコーティング材などがあげられる。生産台数の多いスマートフォンやタブレット端末のITOフィルム用途、面積の大きいLCD-TVの反射防止フィルム用途で使用される。ITOフィルム用途は伸び悩むとみられるが、反射防止フィルム用途はLCD-TVの画面サイズの大型化により今後も堅調な需要が期待される。

3)その他機能材

接着・剥離機能材の対象品目としては、PETフィルム易接着処理用ポリエステル樹脂、フィルム用剥離剤などがあげられる。単価は下落傾向にあるが、使用される量が増えるため、今後も安定した市場が予想される。光学機能材はフィルムに入射する光の屈折をコントロールする反射防止コーティング材(AR/LR)や高・低屈折率コーティング材などがあげられる。LCD-TVやスマートフォン、タブレット端末の市場が成熟しているため、今後は横ばいが予想される。バリア・封止機能材はハイバリアフィルム用バリア材料やOLED用封止材などがあげられる。まだ市場規模は小さいが、OLEDディスプレイや照明の普及に伴う需要増加が期待される。

2.プラスチックフィルム(原反フィルム)12品目の世界市場

2014年
2019年予測
2014年比
市場規模
7,687億円
8,294億円
107.9%

※PPフィルム(工業用)は日本市場のみを対象とした

LCD-TVの偏光板やバックライト周り、スマートフォンのLCDやタッチパネル周りで用いられる光学フィルムが、それらの生産拡大に伴い高い伸びを維持してきた。光学フィルム以外にもコンデンサやFPC(フレキシブルプリント基板)の基材、また工程用保護フィルムや離型フィルムとしての利用が多い。需要の中心となるLCD-TVやスマートフォンの生産拡大が鈍化するため、プラスチックフィルムの市場も以前のような大きな伸びは難しいが、2019年は2014年比7.9%増の8,294億円が予想される。

用途別では、電子部品・実装分野が2014年に数量ベースで50%以上を占めた。ドライフィルムレジスト、銅張り積層板、感光性カバーレイ、層間絶縁フィルムといったFPC関連部材やフィルムコンデンサ基材などでPETフィルムやPIフィルムなどが用いられている。FPD分野は30%以上を占めた。LCD用偏光板の保護フィルムなどにTACフィルムやCOPフィルムなどが使われている。TACフィルムの需要が大きいが、光透過性や低複屈折を活かすPMMAフィルムへの代替も進んでいる。エネルギー分野では、PETフィルムやフッ素樹脂フィルムが太陽電池用バックシートやフロントシートに用いられ、PPフィルムがLiB用アルミラミネートパウチ、PENフィルムがLiB電極用絶縁材に用いられる。

◆注目市場

1.フィルム用剥離剤 【機能性コーティング材】

2014年
2019年予測
2014年比
市場規模
21億円
26億円
123.8%

粘着加工製品用剥離フィルム(セパレータ)や工程用離型フィルムに用いられる剥離剤を対象とする。溶剤系の熱硬化型が主流であるが、他にUV硬化型がある。2014年はLCD-TVの大型化やスマートフォンの生産拡大などによりFPDやMLCC(積層セラミックコンデンサ)用の剥離フィルムが伸びたため、市場が拡大した。今後フィルム用剥離剤の伸びは鈍化するものの、2019年には2014年比23.8%増の26億円が予想される。

剥離剤は用途やユーザーごとに様々なニーズがあるため、それに応じられる開発力、供給能力が求められる。日本市場が50%以上を占めており、特に日系ユーザーからの要求が多様なため、樹脂の配合技術や変性技術の優れたノウハウが必要となっている。

2.OLED用封止材 【機能性コーティング材】

2014年
2019年予測
2014年比
市場規模
15億円
81億円
5.4倍

OLEDディスプレイや照明の封止に用いられる樹脂封止材を対象とする。2014年はLG EI.によるOLED-TVの量産などによりOLED用封止材の需要が増大した。2015年は「Galaxy S6 edge」(Samsung EI.)や「Apple Watch」(Apple)などの発売により、封止材の使用量が多い全面封止を採用するOLEDディスプレイの生産が増えるため、更なる需要増加が見込まれる。 今後はスマートフォンやスマートウォッチなどでの樹脂基板の使用、またフレキシブル化などで全面封止を採用するOLEDディスプレイの増加、加えてOLED照明向けの需要増加も期待され、OLED用封止材の大幅な市場拡大が予想される。

◆調査対象

プラスチックフィルム(原反フィルム) PPフィルム(工業用)、PETフィルム 3.PENフィルム、PMPフィルム、PCフィルム 、PMMAフィルム 、TACフィルム、COPフィルム、PIフィルム 、LCPフィルム、PPSフィルム、フッ素樹脂フィルム
機能性コーティング材 PETフィルム易接着処理用ポリエステル樹脂、フィルム用剥離剤 、粘着テープ用粘着剤、フィルム用ハードコーティング材、フィルム用耐指紋・防汚コーティング材 、光触媒フィルム用コーティング材、反射防止コーティング材(AR/LR)、高・低屈折率コーティング材、UVナノインプリント用樹脂、モスアイフィルム用コーティング材、.熱線遮蔽コーティング材、.帯電防止用コーティング材、ターゲット材(透明導電性フィルム用)、導電性ペースト、導電性ナノ粒子インク、Agナノワイヤインク、無電解めっき用パターニング材 (メタルメッシュ用)、ハイバリアフィルム用バリア材料、.透明蒸着フィルム用蒸着材料、OLED用封止材
メーカー企業事例 帝人、東洋紡、.東レ、東レ・デュポン、東レKPフィルム、東レフィルム加工、三井化学東セロ、積水化学工業、リンテック、デクセリアルズ、.きもと、東山フィルム、尾池工業、日東電工、富士フイルム、大日本印刷、凸版印刷、SKC HAAS Display
Films Company、Shinwha Intertek Corporation、MIRAENANOTECH、SANGBO Corp、LG Chem、i-components

※PPフィルム(工業用)、光触媒フィルム用コーティング材は日本市場のみを対象とした

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/11/26
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