PRESSRELEASE プレスリリース
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、環境対策などから各国でPHV・EVの普及が進んでいることで、燃費向上のための軽量化対策などから電池や電気・電子部品で需要が増加し、新規採用や置き換えが進む自動車用プラスチックや無機材料の世界市場を調査した。その結果を報告書「2017年 EV・HEV用プラスチック&無機材料の市場展望」にまとめた。
この報告書では、汎用樹脂4品目、エンプラ7品目、スーパーエンプラ10品目、ゴム・エラストマー5品目、熱硬化性樹脂5品目など計40品目のプラスチック・無機材料市場を調査・分析し、採用動向を車種別、地域別など多角的に捉え、将来を展望した。また燃料系部品や機構部品など10部位における材料別の主要使用部品や採用動向もまとめた。
◆調査結果の概要
1.自動車一台あたりのプラスチック&無機材料主要5品目の使用量(2016年)

内燃車を含む自動車向け平均と比較すると、EVでは、リチウムイオン二次電池(Lib)の正極バインダなどに採用されるフッ素樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などスーパーエンプラの使用量が多い。PHV・HVでは、汎用樹脂やエンプラ、スーパーエンプラ、熱硬化樹脂などの使用量が増加する。特にPPS、PA6(ポリアミド6)などの使用量が多くなる。
2.環境対応車用プラスチック&無機材料世界市場
2016年 |
2025年予測 |
||
汎用樹脂 |
EV用 |
3万0,405トン |
11万8,350トン |
PHV・HV用 |
19万0,845トン |
78万5,680トン |
|
エンプラ |
EV用 |
1万0,514トン |
4万0,180トン |
PHV・HV用 |
2,333トン |
9,135トン |
|
スーパーエンプラ |
EV用 |
8万4,190トン |
34万0,980トン |
PHV・HV用 |
1万0,100トン |
4万4,488トン |
|
エラストマー |
EV用 |
2,345トン |
8,855トン |
PHV・HV用 |
1万3,125トン |
5万2,780トン |
|
熱硬化性樹脂 |
EV用 |
9,360トン |
3万6,170トン |
PHV・HV用 |
5万6,440トン |
22万8,990トン |
|
合成ゴム |
EV用 |
3万6,200トン |
13万4,600トン |
PHV・HV用 |
22万3,500トン |
89万6,100トン |
|
金属 |
EV用 |
15万4,500トン |
63万8,800トン |
PHV・HV用 |
86万9,100トン |
386万8,200トン |
|
ガラス |
EV用 |
3万1,000トン |
11万2,200トン |
PHV・HV用 |
17万2,300トン |
67万2,300トン |
【汎用樹脂】 PP、ABS、PVC、PMMA
PP(ポリプロピレン)はPHV・HVではバッテリー周辺や電気・電子部品での採用が増加しており、今後も生産台数と連動して市場は堅調に拡大していくとみられる。PVC(ポリ塩化ビニル)はEV、PHV・HV 共にワイヤーハーネスで需要が増加しており、特にEVでは一台あたりの使用量が増加している。
【エンプラ】 PC、POM、PBT、m-PPE、GF-PET、PA6、PA66
PC(ポリカーボネート)は、EV、PHV・HV 共にヘッドランプレンズ、光学部品などでの採用が中心であり、環境対応車の生産台数の拡大に伴い需要が増加していくとみられる。m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)はEVではLibケースなどで採用され、内燃車よりも使用量が多い。PHV・HVではバッテリーケースやAC用ケーブルなどで採用されており、今後も市場は堅調に拡大していくとみられる。PA6、PA66(ポリアミド66) はPHV・HVではモーター周辺部品で採用が広がっている。
【スーパーエンプラ】 PA46、PA11・12、PA6T、PA9T、PPS、LCP、SPS、COP・COC、フッ素樹脂、PEEK
スーパーエンプラでは近年、PA9T(ポリアミド9T)の需要が増加しており、エンジンルーム、電気・電子部品、燃料系部品での使用割合が高い。PPSはEVではモーター部材、PHV・HVではエンジンルームや電気・電子部品での採用が増え、堅調に拡大していくとみられる。フッ素樹脂はEVではLibバインダで需要が、PHV・HVでは電気・電子部品や機構部品での採用が増加するため、伸長するとみられる。
◆注目市場
1.PP【汎用樹脂】
2016年 |
2025年予測 |
||
市場規模 |
EV用 |
2万2,400トン |
8万7,600トン |
PHV・HV用 |
14万3,900トン |
59万7,300トン |
PPは自動車の生産台数に連動して需要が増加しており、近年、軽量化のためさらに採用が拡大している。しかし樹脂部品の薄型化が進められており、日本や東南アジア、欧州などでは小型自動車が好まれることから、自動車の生産台数よりも高い伸びで推移するものの、差は小幅にとどまるとみられる。
2.PA9T【スーパーエンプラ】
2016年 |
2025年予測 |
||
市場規模
|
EV用 |
20トン |
90トン |
PHV・HV用 |
180トン |
1,430トン |
PA9Tは低吸水性、耐薬品性、摺動性、耐熱性、ガソリンバリア性などに優れており、エンジンルーム、電気・電子部品、燃料系部品で使用割合が高い。特に、車載電装品の高度化・複雑化に伴い、電気・電子部品での採用が増加するとみられる。EV化により内燃機関やその周辺部の部品消滅によるマイナス要因はあるものの、今後は電気・電子部品のほか大型射出成形部品で採用が進むため、使用量は増加するとみられる。
3.PPS【スーパーエンプラ】
2016年 |
2025年予測 |
||
市場規模
|
EV用 |
500トン |
2,150トン |
PHV・HV用 |
5,200トン |
2万2,000トン |
EV、PHV・HVでは一台あたりの使用量が増加している。PHV・HVではモーター、インバーター、コンデンサーなど耐熱性が求められる各部品に使用されている。世界的に環境対応車への切り替えが進められていることから、伸長が期待される。
◆調査対象
1.部位編
| − | エンジンルーム、電気・電子部品、電池・バッテリー、光学部品、燃料系部品、機構部品、機能部品、車体・骨格、.内装、外装 |
2.材料編
| 汎用樹脂 | PP、ABS、PVC、PMMA |
| エンプラ | PC、POM、PBT、m-PPE 5、GF-PET、PA6、PA66 |
| スーパーエンプラ | PA46、PA11・12、PA6T、PA9T、PPS、LCP、SPS、COP・COC、フッ素樹脂、PEEK |
| エラストマー | TPO、TPS、TPC、TPU |
| 熱硬化性樹脂 | エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂 |
| 合成ゴム | 合成ゴム |
| 炭素繊維強化 | CFRP、CFRTP |
| 金属 | 高張力鋼板、ホットスタンプ鋼板、アルミ合金 |
| ガラス | 自動車用ガラス |
| その他注目材料 | カーボンナノチューブ(CNT)、セルロースナノファイバー(CNF)、構造用接着剤(CFR(T)P用) |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
