PRESSRELEASE プレスリリース

第19111号

ティッシュエンジニアリング関連の国内市場を調査
―2030年市場予測(2018年比)―
<調査結果の概要>
■ティッシュエンジニアリング関連 1,977億円(74.3%増)
~ 細胞培養向けの各種製品や培養施設、細胞培養受託サービスなどが伸び、市場拡大 ~
<注目市場>
■iPS細胞/ES細胞 13億円(3.3倍)
~ 新製品の開発により市場の活性化が進む ~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、再生医療・細胞治療や細胞創薬に関連した研究の活発化に伴い拡大しているティッシュエンジニアリング関連の市場を調査した。その結果を「ティッシュエンジニアリング関連市場の最新動向と将来性 2019」にまとめた。

この調査では、再生医療等製品5品目、細胞3品目、細胞培養施設/サービス4品目、ライフサイエンス研究用製品7品目、細胞保管/輸送製品4品目、細胞培養/分離製品8品目、イメージング装置/検査用製品8品目、セルカルチャーウェア/細胞分離製品5品目、試薬7品目の市場を調査・分析し、将来を展望した。

◆調査結果の概要

■ティッシュエンジニアリング関連市場

2018年のティッシュエンジニアリング関連市場は1,134億円(2017年比2.8%増)となった。再生医療・細胞治療や細胞創薬に関連した研究が活発化していることに伴い、細胞培養向けや観察・解析向け製品が伸びており市場は拡大している。今後は、他家細胞を大量培養するニーズが高まるため、細胞培養向けの各種製品や培養施設、細胞培養受託サービスなどが大幅に伸び市場は拡大するとみられ、2030年の市場は1,977億円(2018年比74.3%増)と予測される。

ユーザー別にみると、細胞に関連した研究を行っている研究者が多いこともあり、大学・研究機関向けが中心だったが、近年、大学の研究室によっては装置や消耗品類の購入予算が削減されているケースもあり縮小している。一方、民間企業は再生医療・細胞治療の研究が活発化しているほか、細胞培養/加工受託サービスのニーズも拡大しており伸びている。医療機関は整形外科領域を中心に間葉系幹細胞やPRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)療法用キットを用いた治療が増加しており好調である。今後は、大学病院や大手総合病院で行われている再生医療・細胞治療が地域のクリニックへ普及することで伸びが期待される。

◆注目市場

■iPS細胞/ES細胞

2018年

2030年予測

2018年比

4億円

13億円

3.3倍

市販されているヒト由来iPS細胞(induced pluripotent stem cells:人工多能性幹細胞)、およびヒト由来ES細胞(Embryonic stem cells:胚性幹細胞)を対象とする。iPS細胞は、人間の皮膚などの体細胞に極少数の因子を導入し培養することでさまざまな組織や臓器の細胞に分化する能力と、ほぼ無限に増殖する能力を有している。ES細胞は、動物の発生初期に形成される胚盤胞から作製した細胞でありiPS細胞同様の分化多能性を有している。なお、ES細胞も多能性細胞でありほぼ無限に増殖するといった高い能力を持っているが、胚を減失させるため倫理上の問題や拒絶反応を起こす場合もあり、日本では研究が遅れている。

製薬企業を中心にiPS細胞由来心筋細胞や神経細胞を用いた創薬関連の研究が活況を呈しており、市場は拡大している。iPS細胞は新製品の開発に積極的で製品のラインアップを拡充する企業や、新規参入企業の増加から市場が活性化しており、今後伸びるとみられる。一方、ES細胞は倫理的課題から日本では研究者が少ないこともあり、市場は横ばいとみられる。

■細胞培養/加工受託サービス

2018年

2030年予測

2018年比

53億円

130億円

2.5倍

製薬企業などの民間企業や大学・研究機関、医療機関が利用する細胞培養受託サービスおよび、細胞加工受託サービスを対象とする。なお、治療目的で培養や加工を行う細胞のバンクサービスも含む。

2014年11月に「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が施行されたことを契機に、病院などで民間企業への細胞培養委託が可能になったため市場は形成された。また、同法律の施行により再生医療等製品は安全性の確認および有効性が推定された段階で「条件および期限付き承認」が与えられることとなり、再生医療の早期実用化の期待から複数企業が参入を果たしている。2018年は再生医療等製品の発売に向けた臨床研究や、治験薬製造の受託ニーズを背景に市場は拡大した。今後も臨床研究ニーズは高まるとみられ、市場の拡大が予想される。

■PRP療法用キット

2018年

2030年予測

2018年比

2億円

40億円

20.0倍

PRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)療法を行うためのキットを対象とする。また、次世代のPRP療法と呼ばれているAPS療法用キットも含む。患者自身の血液から作製したPRPには、血小板の成長因子が持つ組織修復能力が含まれており、人本来の治癒能力や組織修復能力をサポートするといわれている。

2017年までは自由診療のため認知度が低く患者数も少なかったが、2018年に最新医療を紹介するテレビ番組で新たな関節症治療の方法として特集されたことを契機に、整形外科領域でのPRP療法の認知度が向上し患者数も急速に増え、市場は拡大している。認知度の向上に伴いPRP療法を新たに開始するための再生医療等提供計画を厚生労働省に提出する医療機関も増加しており、今後市場はさらなる成長が期待される。また、整形外科領域だけではなく、形成外科や眼科、歯科などでも採用が増えており、PRP療法を行う診療科の増加も予想される。

■細胞濃縮・洗浄装置

2018年

2030年予測

2018年比

1億円

4億円

4.0倍

ろ過システムなどを用いて培養した細胞から培地を洗浄し、濃縮する機器を対象とする。

細胞濃縮・洗浄装置は大学や研究機関などでは、再生医療関連の基礎研究で採用されている。民間企業では製薬企業や細胞培養/加工受託サービス企業で需要が高まっており、市場は拡大している。今後は再生医療の産業化に伴い、自動化ニーズは高まるとみられ市場は拡大していくとみられる。

◆調査対象

再生医療等製品

・培養軟膏

・心筋シート

・細胞治療製品(細胞性医薬品)/

・培養皮膚

・細胞シート(未上市領域)

CAR-T細胞療法

細胞

・ヒト細胞

・三次元ヒト組織モデル

・iPS細胞/ES細胞

細胞培養施設/サービス

・細胞培養センター(CPC)/

・細胞培養/加工受託サービス

・細胞搬送サービス

細胞製造プラント

・細胞/組織バンク

 

ライフサイエンス研究用製品

・マイクロプレートリーダー

・エレクトロポレーター

・トランスフェクション試薬

・細胞破砕装置/切片装置

・滅菌機

 

・分光光度計

・超純水製造装置

 

細胞保管/輸送製品

・超低温フリーザー/メディカルフリーザー/

・薬用冷蔵ショーケース/

・凍結保存容器

プログラムフリーザー

薬用保冷庫

・細胞搬送容器/ドライシッパー

細胞培養/分離製品

・遠心分離機

・アイソレーター

・自動分注ワークステーション

・CO2インキュベーター

・安全キャビネット/クリーンベンチ

・細胞濃縮・洗浄装置

・自動培養装置

・三次元バイオプリンター

 

イメージング装置/検査用製品

・フローサイトメーター

・細胞観察用顕微鏡

・エンドトキシン検査システム

・細胞計数分析装置

・リアルタイムPCR装置

・マイコプラズマ検査キット

・セルイメージングシステム

・液体クロマトグラフ質量分析装置

 

セルカルチャーウェア/細胞分離製品

・細胞培養用シャーレ/プレート/

・遠沈管/ピペット

・セルストレーナー

フラスコ

・PRP療法用キット

・細胞培養用バッグ

試薬

・細胞培養用培地

・細胞外マトリクス

・細胞培養用スキャホールド

・細胞培養用血清

・細胞培養用添加剤・増殖因子

 

・細胞凍結保存液

・細胞剥離・分離用試薬

 


2019/12/19
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。