PRESSRELEASE プレスリリース

第23036号

農畜水産加工品と乳油製品の国内市場を調査
―2023年市場予測(2022年見込比)―
■畜産加工品 8,417億円(100.6%)
減塩や健康訴求商品が伸びているソーセージ類が市場拡大をけん引
●冷凍野菜 1,759億円(107.0%)
収穫の際に熱処理にひと手間加えるなど、既存商品との差別化を図った展開が進む
●水産缶詰・パウチ 1,344億円(103.8%)
消費者ニーズの高いノンオイルやパウチ商品の伸長、利用シーンの提案によって伸びる

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は小容量化やバラエティ化などニーズに合わせた提案が進む農産加工品、価格改定や外食向けの回復がみられる畜産加工品、水産缶詰・パウチで商品施策やプロモーション強化が活発な水産加工品、チーズフード類や生クリームが好調な乳油製品の、計4カテゴリー74品目の調査結果を「2023年 食品マーケティング便覧 No.6」にまとめた。

◆注目市場

●冷凍野菜

2022年見込

2021年比

2023年予測

2022年見込比

1,644億円

107.5%

1,759億円

107.0%

下処理済を含む冷凍した野菜素材品を対象とする。煮物、炒め物などの味付け調理済み野菜や冷凍果実は対象としない。

調理時に下処理が不要な簡便性や、保存性や経済性が高いことから市場は拡大してきた。また、生鮮野菜と比べて、天候や自然災害の影響による価格変動幅が小さいこともあり需要が増えている。

2022年は、FFハンバーガー業態向けの安定した需要に加え、前年から引き続き料飲店やホテル・宿泊施設向けなど業務用が回復に向かっている。市販用でも食品ロス対策や簡便性を背景にユーザーの定着が進んでいるほか、価格改定により市場拡大が予想される。

今後は、カットタイプやミックスタイプの販売に加え、収穫の際の熱処理にひと手間加えるなど既存品との差別化を図り、ユーザーのニーズに応えた商品展開が進むことで市場は拡大するとみられる。

●ソーセージ類

2022年見込

2021年比

2023年予測

2022年見込比

3,743億円

100.9%

3,790億円

101.3%

2022年は、CVSカウンターフードや外食、ホテル向けなどの業務用が回復に向かっているほか、市販用は一部上位ブランドが苦戦したものの、価格改定の効果により伸びたことから、市場は前年比微増が予想される。

コロナ禍で需要を獲得した市販用大容量ジッパー付き袋入り商品は、外食の回復で伸びが期待しにくいが、減塩やたんぱく質補給訴求商品、鶏肉を使用した価格訴求力の高い商品の需要が増えるとみられ、2023年の市場は前年比1.3%増の3,790億円が予測される。

●水産缶詰・パウチ

 

2022年見込

2021年比

2023年予測

2022年見込比

全体

1,295億円

103.4%

1,344億円

103.8%

 

青魚缶詰・パウチ

338億円

105.3%

367億円

108.6%

※青魚缶詰・パウチは全体の内数

水産缶詰・パウチは、2022年は、外出頻度の増加に伴って料理素材やおつまみ需要の減少がみられる。しかし、原料や缶の高騰などを受けて価格が改定されたため、市場拡大が予想される。

2023年の市場は価格改定に伴って前年比3.8%増が予測されるが、以降は縮小が予想される。一方で、ノンオイルやパウチなど消費者ニーズを汲み取った商品の伸びや、参入企業によるフレーバーの多様化、特別感を演出するコンセプトを持った商品展開を背景とする利用シーンの増加がみられる。また、料理素材として活用される水煮が一定の需要を維持しているほか、備蓄、ローリングストックとしての需要喚起も継続しており、縮小は緩やかと予想される。

青魚缶詰・パウチの2022年の市場は、価格改定や付加価値商品の拡充によって、前年比5.3%増が見込まれる。一方で、漁獲量の減少や資材の高騰による価格上昇が止まらないことから、消費者離れもみられる。

規格外の小ぶりな国産青魚を缶詰化するなど、参入企業による生産量の増加と価格の安定化に向けた取り組みが、今後は進むと予想される。また、レシピ提案や洋風フレーバー、キャンプ飯など新たな商品や利用シーンの開拓を図る企業もみられるほか、“グルメ缶詰"といった外食の代替が可能な味付けやパッケージデザイン、製法や品質を訴求した商品も発売されており、価格改定の影響もあって2023年の市場は前年比8.6%増が予測される。

●チーズフード類

2022年見込

2021年比

2023年予測

2022年見込比

196億円

106.5%

197億円

100.5%

ナチュラルチーズやプロセスチーズを粉砕、混合、溶解、乳化し、油脂などの副原料や調味料を添加して製造されたチーズの代替商品を対象とする。また、豆乳加工食品や油脂加工食品のうちチーズの代替商品も対象とする。プロセスチーズやナチュラルチーズより単価が低く、チーズの風味や食感を出せるアイテムとして製菓・製パン 向けを中心に需要を獲得してきた。

2022年は業務・加工用において外食向けが回復に向かっているほか、メニュー価格の上昇を抑制するため、価格優位性の高いチーズフード類の需要が高まっており、市場は前年比6.5%増が見込まれる。

市販用ではプロセスチーズやナチュラルチーズの値上がりを背景に、代替品として注目が集まっており、需要増加はしばらく続くとみられる。また、業務用では外食向けが回復しつつあり、加工用では冷凍パンを中心に冷凍耐性のニーズも高まっていることなどから、商品改良やメニュー提案によって今後さらに市場拡大するとみられる。

◆調査結果の概要

 

2022年見込

2021年比

2023年予測

2022年見込比

農産加工品

1兆2,630億円

100.1%

1兆2,668億円

100.3%

畜産加工品

8,366億円

100.2%

8,417億円

100.6%

水産加工品

9,176億円

101.0%

9,313億円

101.5%

乳油製品

7,067億円

101.6%

7,069億円

100.0%

農産加工品は、2022年は価格改定が進まなかったことなどから漬物や豆腐、納豆は苦戦を強いられているものの、小容量化やバラエティ化など消費者のニーズに合わせた商品展開が進んでいる。また、冷凍野菜では業務用が回復に向かっていることや価格改定により伸びており、市場は前年比微増が予想される。

健康志向の高まりなどによって需要が増えることから、2023年の市場は拡大が予想される。一方、原料や商品の輸入割合の高さを背景とした価格改定が消費者に敬遠されていることや、低価格ニーズの高い品目では価格改定が進みにくいことなどから、長期的には市場が徐々に縮小していくとみられる。

畜産加工品は、2022年の市場は価格改定や外食向けの回復に伴って、市場は前年比微増が予想される。

ハム類は低価格志向の高まり、サラダチキン(市販用)は需要の頭打ちによってそれぞれ縮小が予想される。一方、ベーコンでは厚切りタイプ、PB商品の展開が少ないブロックタイプで需要増加が予想されるほか、減塩や健康訴求商品が好調なソーセージ類が伸長することから、市場拡大をけん引するとみられる。

水産加工品は、2022年は調理素材としての需要に落ち着きがみられるものの、参入企業による商品施策やプロモーションの強化が活発な水産缶詰・パウチが市場拡大をけん引している。生食タイプが好調なちくわや高たんぱく、高級感を訴求した風味かまぼこも伸びている。

2023年は、消費者ニーズを汲み取った商品や利用シーン増加を目的とした参入企業の展開によって、引き続き青魚缶詰・パウチやツナ加工品が大きく伸びるとみられる。また、観光客や出張者の増加に伴って辛子明太子の伸長が予想され、市場は前年比1.5%増が予測される。

乳油製品は、2022年は価格改定の影響でマーガリンなど油脂製品の販売量が減少している。一方、バターやナチュラルチーズなどの乳製品は供給が安定しており、コロナ禍で取り込んだ家庭内需要を維持するために、参入企業が販促を強化していることから市場拡大が予想される。

2023年は、バターは加工用生乳価格の引き上げに伴って価格改定が想定され、マーガリンへの需要流出が懸念されるほか、コロナ禍で増加した家庭内調理機会や家飲み需要の反動を受けてプロセスチーズが減少すると予想される。一方、ベーカリーショップや洋菓子店の客数、旅行需要が回復に向かうことなどから、業務用マーガリン類や生クリーム、チーズフード類が伸び、前年と同程度の市場規模を保つと予想される。

◆調査対象

農産加工品

 

 

・漬物

・山菜加工品

・冷凍野菜

・キムチ

・味付けメンマ

・ポテト加工品

・煮豆

・はるさめ

・素材系ミックス(市販用)

・納豆

・加工ごま

・冷凍果実(市販用)

・凍豆腐

・ジャム類

・はちみつ(市販用)

・豆腐

・スプレッド類(市販用)

・マヌカハニー(市販用)

・豆腐加工品

・素材系トマト

・こんにゃく米

・味付油揚げ

・サラダ類

・こんにゃく・豆腐めん

・こんにゃく

・素材缶詰

 

・なめ茸茶漬類

・果実缶詰・パウチ

 

畜産加工品

 

 

・ハム類

・ドライソーセージ

・コンビーフ類

・生ハム

・サラダチキン(市販用)

・食肉加工品缶詰・パウチ

・ベーコン

・焼豚

・やきとり缶詰

・ソーセージ類

・焼肉類

・おつまみ缶詰

水産加工品

 

 

・魚肉ハム・ソーセージ

・海苔佃煮

・水産缶詰・パウチ

・水産練製品

・昆布佃煮

・青魚缶詰・パウチ

・風味かまぼこ

・削り節・花かつお

・ツナ加工品

・ちくわ

・塩辛

・辛子明太子

・パックおでん

・もずく酢

・鮭フレーク(市販用)

・のり

・めかぶ

・乾燥わかめ(市販用)

・韓国のり

・スモークサーモン

 

乳油製品

 

 

・バター

・クリームチーズ

・生クリーム

・市販用マーガリン類

・カマンベールチーズ

・コーヒー用クリーム

・業務用マーガリン類

・チーズフード類

・ポーションクリーム

・プロセスチーズ

・チーズスプレッド

・インスタントクリーミーパウダー

・ナチュラルチーズ

・市販用チーズ

 


2023/03/28
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。