PRESSRELEASE プレスリリース

第26044号

製薬業界のアライアンス動向に関する調査結果
― 2025年のアライアンス販売動向 ―
■販売提携を行う医療用医薬品18領域359製品では
コ・プロモーションが32.3%、コ・マーケティングが23.1%。
■注目4領域では、中枢神経領域はコ・マーケティングの比率が大きく、
他領域はコ・プロモーションの展開が目立つ

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、開発コスト上昇に伴い販売施策として重要性を増す、製薬業界のアライアンス動向を調査した。その結果を「2026年版 製薬企業マーケティング/アライアンス戦略」にまとめた。

この調査では、注目疾患領域(中枢神経、オンコロジー、糖尿病・代謝、自己免疫疾患)の製品を中心にアライアンス状況をマッピングするとともに、製品の売上(2023年から2025年見込、2030年予測)や取り巻く環境変化、注目製品と競合製品のFTE(フルタイム当量)ベースでのMR数比較と売上高の変化、注目領域における上位企業の位置付け変化(2025年現在/2030年予測)をまとめた。さらに、アライアンスに積極的な企業事例を分析し、様々な角度から製薬業界のマーケティング動向を捉えた。

◆調査結果の概要

■販売提携を行う医療用医薬品(18領域359製品)と注目4領域におけるアライアンス状況[2025年]

販売提携を行う医療用医薬品(18領域359製品)と注目4領域におけるアライアンス状況[2025年]

コ・マーケティング(併売)は、同一製品(または同一成分を含む製品)を複数の企業がそれぞれ販売するアライアンスを対象とし、コ・プロモーションは、同一製品を複数の企業が協力してプロモーション活動(営業や医療関係者向けの情報提供など)を行い、製品の販売権や流通は一社に集約するアライアンスを対象としている。また、その他には流通提携などを含んでいる。

近年はコ・プロモーションが主流となっているが、以前はコ・マーケティングも多くみられた。従来、日本企業同士のアライアンスでは、MRのモチベーション向上の観点から、販売する企業ごとに売上が計上されるコ・マーケティングが一般的であった。しかし、2010年代に入り、有望な新薬はグローバルで資金力のある外資企業による展開が多いことから、外資企業と日本企業のアライアンスが増えており、展開元の意向が優先され、コ・プロモーションが増加している。

コ・マーケティングでは、役割分担が不明確なこともあり、同一製品を共同で販売する企業間で競合するケースが起きたことも、コ・プロモーションが主流となっている要因であるが、2010年代後半以降もコ・マーケティングが展開されるケースがあり、直近では大型化が期待される睡眠障害関連の製品で進められている。アライアンスは、製品売上が上昇している間は有効な販売戦略であるが、年月が経過しジェネリック医薬品の発売などで売上が停滞すると、企業間に温度差が生じることが多く、2010年代に発売された製品では近年アライアンス解消が多くみられる。

注目4領域では、中枢神経領域(44製品)はコ・マーケティングが31.8%を占める。一方、オンコロジー領域(28製品)、糖尿病・代謝領域(21製品)はコ・プロモーションの比率が大きく、それぞれ50%を超えている。また、自己免疫疾患領域(29製品)は、バイオ製剤やJAK阻害剤など比較的新しい製品が多いこともありコ・プロモーションの比率が高い。

中枢神経領域は、抗うつ剤や統合失調症治療剤などで販売提携している製品が多いが、発売から年月が経っている製品があり、売上はピークを過ぎているケースがみられる。睡眠障害治療剤は新薬の発売などで注目度が高まっているが、積極的なアライアンスが進められている一方、単独販売が行われるケースも出ている。

オンコロジー領域は、抗がん剤など製品多様性と併用療法の複雑化、情報更新の速さから新規参入のハードルが高い。そのため、以前は販売提携が盛んに行われ、販売実績のある企業が提携先として選ばれるケースが多かったが、業界経験の豊富なMRの製薬企業間での移籍が活発化したことなどから、現在はMRを多く抱えた製薬企業では単独販売を行うケースが主流となっている。分子標的治療剤では2010年代後半に外資企業の製品は日本企業とのコ・プロモーションがみられたが、2020年代に入り評価が高まっている大手日本企業の製品では、販売面でのアライアンスは減少している。

糖尿病・代謝領域は、DPP4阻害剤の登場以降、アライアンスが目立つようになった。2010年代にSGLT2阻害剤が発売されると、コ・プロモーションなどの展開が広がった。現状、発売から10数年が経過したことから、ジェネリック医薬品が登場していることや、売上のピークを過ぎたことから、提携解消や市場撤退の動きもみられる。市場のポイントは経口剤から注射剤に移っているが、注射剤では有力な外資企業が日本企業とのアライアンス(コ・プロモーション)を積極的に進めている。

自己免疫疾患領域は、関節・皮膚・消化器・呼吸器と営業先が広く、新薬の発売に伴いMRが大量投入され、市場は拡大してきた。製品によって、アライアンスから単独販売への切り替えなどがみられるが、コ・プロモーションや販売委託の展開は依然として多い。

◆調査対象

領域別アライアンス(18領域359製品)
中枢神経
オンコロジー
糖尿病・代謝
自己免疫疾患
・循環器
・感染症
・消化器
・皮膚
・整形
・疼痛
・ワクチン
・呼吸器
・腎・透析
・アレルギー
・眼科
・血液
・泌尿器
・婦人科
・その他
 ※下線を引いた領域は注目4領域

・アライアンス製品の売上推移(2023年から2025年見込、2030年予測)
・注目アライアンス製品のFTEベースMR数比較と売上高の変化(2024年、2025年)
・注目領域における上位企業の位置付け変化(2025年現在と2030年予測比較)
・注目上位企業10社の注力製品の領域・アライアンス戦略

2026/4/23
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。