PRESSRELEASE プレスリリース

第26067号

環境対応で大幅な伸びが期待されるリサイクルコンパウンドなど
注目のコンパウンド市場を調査
― 2030年国内市場予測(2024年比) ―
■リサイクルコンパウンド 48.9万トン(12.9%増)
環境規制強化に伴い、自動車用途が2028年頃から大きく伸びる
■自動車用リサイクルコンパウンド 6.1万トン(2.2倍)
MR-PPとMR-PAの構成比が大きいが、MR-ABSやMR-PCなどの需要も増加

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、環境対応の取り組みから大幅な伸びが期待されるリサイクルコンパウンドや、今後の機能性コンパウンドの使用拡大をけん引する自動車用途や電気電子用途など、注目のコンパウンド市場を調査した。その結果を「2026年 コンパウンド市場の展望とグローバルメーカー戦略 下巻」にまとめた。

この調査では、環境対応の視点から注目されるリサイクルコンパウンドと生分解性樹脂コンパウンドの市場、また、機能性コンパウンドの需要増加の視点から注目される自動車用途や電気電子用途などの市場の現状を捉え、将来を予想した。加えて、世界の有力樹脂メーカー・コンパウンドメーカー・リサイクルメーカー64社を取り上げ、各社の展開を環境対応への取り組みなどを踏まえて整理するとともに、環境対応製品が拡充しているフィラーや添加剤の市場動向も捉えた。

◆調査結果の概要

【環境対応コンパウンドの国内市場動向】

■リサイクルコンパウンドの国内市場

リサイクルコンパウンドの国内市場

使用済みプラスチックを回収・洗浄・粉砕し、再び原材料として利用するマテリアルリサイクル(MR)、化学的に分解し原料に戻して再利用するケミカルリサイクル(CR)に大別され、現状はMRが大部分を占めている。家電や容器・包装、自動車を中心とした官民をあげたリサイクル推進が図られている。

現状、リサイクル製品が使用されるのはバージン品よりも安価な場合が多く、原材料費を押さえることを目的としており、環境対応を目的とする使用は一部にとどまっている。原料は廃容器や廃建材、廃家電などリサイクル法に基づいて回収された一般(家庭)系廃プラスチックが多い。

主要用途は、電気電子製品や物流資材、土木建築資材、日用品などである。電気電子製品は、家電・OA機器、PC、電子部品などの外装材や内部部品で使用されている。MR-PP(ポリプロピレン)やMR-PE(ポリエチレン)をはじめ、MR-PS(ポリスチレン)やMR-ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)などが中心である。家電リサイクル法や環境配慮製品を示すEPEAT認証により回収ルートが確立し、家電・OA機器メーカーによる水平リサイクルが進められていることも、使用増を後押ししている。耐熱性に優れるMR-PC(ポリカーボネート)やMR-PA(ポリアミド)も需要が増えている。また、MR-PP、MR-PEは物流資材(パレット)での使用も多いほか、土木建築資材や自動車など幅広い用途をカバーしている。

■自動車用リサイクルコンパウンドの国内市場

自動車用リサイクルコンパウンドの国内市場

リサイクル品は特性や品質、成形性、外観などでバージン品に劣ることや、原料の回収が進んでいないことから、市場は2023年まで横ばいで推移してきた。しかし、2023年に欧州ELV規則案が公表されて以降、リサイクルコンパウンドを各部品で使用する車種が増えている。2025年12月に欧州ELV規則案が暫定合意されるなど、将来的に再生プラスチックの使用義務化が進み、2028年頃からモデルチェンジを契機に様々な車種でMR-PPを中心に使用が本格化し、市場拡大が予想される。

現状、MR-PPとMR-PAが大部分を占め、一部車種のバンパーやアンダーカバーなどで使われている。内装部品では、車両床下やエンジンルームなど人目のつかない部位で使用されるケースが多いが、一部シートなど内装材でも検討されている。外装部品は、バンパーでMR-PPが使用されることが多く、回収したバンパーを原材料としたMR-PPを配合した製品も展開されている。アンダーボンネットやハーネスカバーなどはMR-PAの使用が多い。2024年以降、MR-ABSやMR-PCなどの使用検討も進んでおり、MR-ABSはフロントグリルやスポイラーで使用の動きがみられる。

CRは、生産能力が小規模で、開発・実証段階のものも多いが、自動車以外で使用が進み生産能力が増強されることにより、2030年代前半頃から市場の立ち上がりが期待される。


【機能性コンパウンドの注目用途別の世界市場動向】

■自動車

自動車

内外装部品や電装部品、機構部品、エンジン・バッテリー周りまで幅広い部位で使用され、市場は自動車生産台数に連動する。

2026年以降、インドなど一部の国・地域を除いて、先進国を中心に自動車生産台数が頭打ちになるとみられるため、特に連動性が強い汎用樹脂コンパウンドやエラストマーコンパウンド、熱硬化性樹脂コンパウンドは微増が予想される。一方、スーパーエンプラコンパウンドは、耐熱性や機械的強度に優れていることから、金属代替で継続的に需要増加が期待され、年率3.0%程度の伸びが続くと予想される。

汎用樹脂コンパウンドは、低比重で安価なため、様々な部品で大量に使用されている。特にPPはバンパーやハウジング、カバーなど広く用いられており、リサイクル性も考慮した単一素材化を進める上でも注目されている。汎用エンプラコンパウンドやスーパーエンプラコンパウンドは、鉄やアルミなどの金属代替素材として、耐熱性や機械的強度が要求される部位で使用されている。特にPA6(ポリアミド6)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)はコストパフォーマンスに優れるため多用されている。エラストマーコンパウンドは、成形性や柔軟性により採用が増えており、ゴムと比べてリサイクル性に優れるため、ゴム代替需要も増えている。熱硬化性樹脂コンパウンドは、耐熱性や耐クリープ性、耐薬品性などに優れており、材料が安価なことから多用途で使用されている。

■電気電子製品

電気電子製品

2026年は、汎用樹脂コンパウンドや汎用エンプラコンパウンドが電子機器筐体や車載電装品の素材として安定した需要があり、堅調な市場拡大が予想される。

現状、汎用樹脂コンパウンドが大部分を占めている。絶縁性に優れ、低比重で安価なことから、筐体やカバー、被覆材など様々な用途で使用されている。ただし、耐熱性や機械的強度が要求される小型電子部品での使用は限られている。一方、汎用エンプラコンパウンドは、耐熱性や機械的強度に優れていることから小型電子部品に多用されている。耐衝撃性や難燃性に優れ、透明性を有するPCは、ABSやポリエステルと混合され筐体などで使用されている。

今後の伸びが期待されるのは、熱硬化性樹脂コンパウンドやスーパーエンプラコンパウンド、エラストマーコンパウンドである。熱硬化性樹脂コンパウンドは、半導体パッケージ用でEMC(エポキシ樹脂成形コンパウンド)が伸びており、AIブームによる半導体産業の活性化により、今後も需要増加が予想される。スーパーエンプラコンパウンドは、汎用エンプラ以上の耐熱性、機械的強度を有するため、小型電子部品、特に物性に対する要求水準が厳しい用途で使用されている。安定した買い替え需要に加え、様々な製品で高機能化に伴う部品点数が増加しているため、順調な伸びが予想される。中でもLCPコンパウンド(液晶ポリマー)は優れた流動性や耐熱性、寸法安定などから、モバイル端末用コネクターを中心とした小型電子部品に加えて、近年はデータセンター用部品での使用が増えている。

◆調査対象

【環境対応コンパウンド】
・リサイクルコンパウンド
・生分解性樹脂コンパウンド
・自動車用リサイクルコンパウンド

【機能性コンパウンドの注目用途別】
・自動車用
・電気電子用

【企業事例】
・日系企業 36社
・中国系企業 11社
・台湾系企業 2社
・韓国系企業 2社
・インド系企業 3社
・欧米系企業、ほか 10社

【対象とした機能性コンパウンド】
汎用樹脂
・PPコンパウンド
・PEコンパウンド
・PVCコンパウンド
・PSコンパウンド
・ABS

汎用エンプラ
・PCコンパウンド
・m-PPE
・POMコンパウンド
・PA6コンパウンド
・PA66コンパウンド
・PBTコンパウンド
・GF-PET

スーパーエンプラ
・PPSコンパウンド
・LCPコンパウンド
・PA6Tコンパウンド
・PA9Tコンパウンド
・PEEKコンパウンド
・PTFEコンパウンド
・溶融フッ素樹脂コンパウンド

エラストマー
・TPV(架橋型オレフィン系エラストマー)
・水添TPSコンパウンド(水添スチレン系エラストマーコンパウンド)
・TPVC(塩ビ系エラストマー)
・TPC(ポリエステル系エラストマー)

熱硬化性樹脂
・PMC(フェノール樹脂成形コンパウンド)
・EMC(エポキシ樹脂成形コンパウンド)
・SMC/BMC(不飽和ポリエステル樹脂成形コンパウンド)

【添加剤・フィラー】
環境対応品
・リサイクル樹脂用相容化剤
・臭気・VOC低減剤
・生分解促進剤
・PFASフリー加工助剤
・バイオマスフィラー

難燃剤、フィラー、着色剤
・臭素系難燃剤
・リン系難燃剤
・難燃助剤(三酸化アンチモン)
・ガラス繊維
・炭素繊維
・セルロースファイバー
・着色剤


2026/6/29
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