PRESSRELEASE プレスリリース

第26107号

自動車内装で使用される表皮材の世界市場を調査
― 2035年世界市場予測(2025年比) ―
■自動車内装で使用される表皮材 1兆8,671億円(111.5%)
意匠性の観点などから、PVCレザーをはじめとした皮革系への需要シフトが進む

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、内装の見栄えや高級感の演出など車内の視覚イメージを構成し、自動車室内の快適性を左右する重要な内装材として存在感が増している、自動車内装で使用される表皮材の世界市場を調査した。 その結果を「2026 自動車内装表皮材の最新市場動向と将来展望」にまとめた。

この調査では、自動車内装で使用される表皮材の世界市場について皮革系、プラスチック系、繊維系に分類して、現状を把握し、将来を予想した。また、適用部位別の需要、環境対応動向に加え、自動車のセグメント別の表皮材需要についても整理した。

◆調査結果の概要

■自動車内装で使用される表皮材の世界市場

自動車内装で使用される表皮材の世界市場

市場は皮革系やプラスチック系の伸びにより、堅調な拡大が期待され、2035年には2025年比11.5%増の1兆8,671億円が予測される。内装空間のトレンドの一つにシームレスがあげられ、ドアトリムからインパネにかけて同一素材を用いて、スムーズでシンプルなライン表現などが好まれる傾向にある。また、表皮材のデザイントレンドとしては、皮シボや木目調などの質感重視から、スムース調や幾何学模様などの人工的な意匠への変化もみられる。それらに対応する形で表皮材の採用が進んでいる。

適用面積が広く使用量が多いシート用途がけん引している。また、インパネやドアトリムでの需要が増加しており、人が触れる内装箇所で表皮材の使用が増えている。近年は、同一車種でもグレードが多様化しており、競合他社との差別化だけでなく、同社同一車種間でのグレード差別化に表皮材を活用する傾向もみられる。

意匠性の観点により、PVCレザーなど皮革系表皮材の採用が増加している。繊維系のファブリックなどからの需要シフトが進んでおり、特に北米や中国自動車メーカーでは合成皮革やPVCレザー、欧州自動車メーカーではPVCレザーの採用が増えている。一方、日本自動車メーカーでは、近年の車両コスト上昇を受けて、内装材コスト抑制を目的に、表皮材を使用せずPP(ポリプロピレン)の射出成形による打ちっぱなしを採用する動きもみられる。

皮革系は、シートやステアリングホイールなどでの使用が多い。PVCレザーは耐久性に優れ、かつ安価であるため、今後需要が増加するとみられる。シートやドアトリム、インパネなど幅広く採用されている。シートではサイド材への使用が一般的だが、オールPVCレザーのシートも一部車種ではみられ、今後も需要増加が予想される。また、合成皮革は耐久性に優れシート材などでの採用が多く、安価なPVCレザーへの需要シフトが一部でみられるものの、底堅い需要があり今後も伸びるとみられる。現状では本革は金額ベースで約4割を占めるが、動物愛護の観点から欧州を中心に需要縮小が予想される。

プラスチック系は、PVC(ポリ塩化ビニール)とTPU(熱可塑性ポリウレタン)が中心である。PVCは質感やコストメリットに優れ、インパネをはじめ広く採用が増えており、今後も堅調な伸びが期待される。TPUはパウダースラッシュ成形が高価格なこともあり、需要は縮小している。また、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)はリサイクル性に優れるため、自動車リサイクルの観点からドアトリムやインパネなどで採用が増えるとみられる。

繊維系は、需要が縮小傾向にある。ファブリックは、コストメリットなどから大衆車での採用が一般的であるが、皮革系に比べ意匠性に欠ける印象を持たれやすく、また、主要用途であるシートでは革のような質感が希求されるケースもあり、皮革系への需要シフトがみられる。PVCレザーへの切り替えが進んでいるため、今後は採用減少が予想される。

◆調査対象

内装表皮材

皮革系
・本革
・人工皮革
・合成皮革
・PVCレザー

プラスチック系
・PVC(ポリ塩化ビニール)
・TPU(熱可塑性ポリウレタン)
・TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)
・SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合樹脂)

繊維系
・ファブリック
・不織布

適用部位
・インパネ
・ドアトリム
・シート
・ルーフ
・その他

自動車セグメント
・Aセグメント(全長3.6m未満の乗用車)
・Bセグメント(全長3.6m以上~4.1m未満の乗用車)
・Cセグメント(全長4.1m以上~4.6m未満の乗用車)
・Dセグメント(全長4.6m以上~4.8m未満の乗用車)
・Eセグメント(全長4.8m以上~5.1m未満の乗用車)
・Fセグメント(全長5.1m以上の乗用車)


2026/10/5
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