PRESSRELEASE プレスリリース

第20094号

化粧品の国内市場を調査
一部下方修正して総括、価格帯別にも分析
―2020年見込(2019年比)―
■化粧品の国内市場 2兆5,948億円(7.8%減)
~東日本大震災があった2011年から9年ぶりの縮小~
■高価格帯化粧品市場 7,830億円(13.3%減)
~比率の高い百貨店や訪問販売の休業、営業自粛により大幅減~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、スキンケア、フレグランス、ヘアケア・ヘアメイク、メンズコスメティックス、メイクアップ(ベースメイク・ポイントメイク)、ボディケアのカテゴリー別に調査を行った国内化粧品市場を、価格帯別、注目コンセプトなどの視点から横断的に分析した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2020 総括編」にまとめた。

なお、1月から3月にかけて調査を行ったスキンケア、フレグランス、ヘアケア・ヘアメイク、メンズコスメティックスの4カテゴリーについては、4月以降の緊急事態宣言の発出に伴う影響を織り込み、市場の見直しを行った。

◆調査結果の概要

■化粧品の国内市場

2019年は、中国での新EC法施行に伴うソーシャルバイヤー(代理購入者)の買い控えや、円高・人民元安により高価格帯品を中心にインバウンド需要の獲得に苦戦した。また、内需は化粧品が軽減税率の対象ではなかったことから消費税の増税前に駆け込み需要がみられたが、その後の反動による減少も大きく、化粧品の国内市場は伸びが前年より鈍化し、2018年比1.1%増の2兆8,149億円となった。

2020年も市場は拡大が期待されていたことから、1月から3月にかけて調査したスキンケア、フレグランス、ヘアケア・ヘアメイク、メンズコスメティックスは2020年初時点で各カテゴリー2019年比0.5%から3.0%程度の伸びが見込まれていたが、4月以降の緊急事態宣言の発出に伴う影響を織り込み、市場を下方修正した。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大による渡航制限によってインバウンド需要が激減し、内需についても緊急事態宣言の発出による百貨店や駅ビルの休業、外出自粛に伴うメイクアップ機会の低下など化粧品そのものの需要減少により、2019年比7.8%減の2兆5,948億円が見込まれる。

【カテゴリー別動向】

 

2019年

2020年見込

2019年比

スキンケア

1兆2,854億円

1兆1,802億円

91.8%

フレグランス

432億円

349億円

80.8%

ヘアケア・ヘアメイク

5,558億円

5,400億円

97.2%

メンズコスメティックス

1,199億円

1,145億円

95.5%

メイクアップ

6,090億円

5,374億円

88.2%

ボディケア

2,017億円

1,879億円

93.2%

※1月~3月に調査したスキンケアフレグランス、ヘアケア・ヘアメイク、メンズコスメティックスは

4月以降の緊急事態宣言の発出に伴う影響を織り込み、市場の見直しを行った

[2020年見込]

スキンケアは、ほかのカテゴリーと比較しインバウンド需要が大きかったため、渡航制限による訪日観光客の減少の影響を受けたほか、タッチアップの自粛などでカウンセリングによる需要喚起が難しくなっている。市場は、1兆1,802億円へ下方修正し、2019年と比較し1,000億円以上の縮小が見込まれる。

フレグランスは、百貨店やライフスタイル提案型ブランドの直営店舗、バラエティショップなどの休業に加え、エントリー需要獲得を目的に行っていたイベント開催や試香の実施が難しくなり、市場は拡大が期待されていたものの、2019年比二桁減が見込まれる。

ヘアケア・ヘアメイクは、都市部を中心に一部の理美容室が休業したことに加え、消費者が理美容室利用を控えたことから業務用が苦戦しているが、市販用は必需品としての位置づけが強いことから需要減少の影響は小さく、市場縮小は小幅にとどまるとみられる。

メンズコスメティックスは、外出機会の減少から顔拭きシートや、においケアを訴求する商品、シェービング料、メンズスタイリング剤などの需要が減少し、市場が縮小するとみられる。

■価格帯別化粧品市場

 

2019年

2018年比

2020年見込

2019年比

市販用

高価格帯

9,029億円

102.1%

7,830億円

86.7%

中価格帯

1兆 543億円

100.9%

9,912億円

94.0%

低価格帯

6,606億円

99.6%

6,320億円

95.7%

業務用

1,972億円

103.0%

1,886億円

95.6%

合 計

2兆8,149億円

101.1%

2兆5,948億円

92.2%

※市場データは四捨五入している

高価格帯は、制度品系や外資系メーカーがポイントメイクアイテムをフックに若年層を中心とした新規需要の取り込みを行っているほか、パーソナル訴求の高付加価値ヘアケアブランドのラインアップ拡充、アンチエイジングブランドの好調などにより、2019年の市場は拡大した。

高価格帯は百貨店や訪問販売での販売比率が高く、2020年はその百貨店や訪問販売が休業や営業自粛を行ったこともあり、市場は2019年比二桁減が見込まれる。

中価格帯は、しわ改善機能を持つスペシャルケアアイテムが好調だが、機能性やプレステージ性の高い高価格帯ブランドへの需要シフトや、低価格帯でも機能性の高いブランドの増加など競合は厳しさを増しており、2019年の市場は微増にとどまった。

2020年は、メインチャネルとするドラッグストアやGMSは休業が少なかったことや、通販ブランドは店舗休業が広がった中で需要を取り込んでいることから、化粧品そのものの需要減少を受けて市場は縮小するものの、高価格帯ほどの落ち込みにはならないとみられる。

低価格帯は、価格志向の強まりから高・中価格帯からの需要シフトにより市場の拡大が続いていた。しかし、2019年はゴールデンウィーク以降の長雨や台風によってサンスクリーンが、暖冬によりリップクリームやボディクリーム・ローションが伸び悩み、インバウンド需要ではソーシャルバイヤーの大量購入が落ち着いたことで人気の高かった洗顔料やシートパックなどが減少し、市場は縮小に転じた。

2020年は、ドラッグストアなどセルフルートを主体とした展開であるため、店舗休業やカウンセリングの自粛などの影響が少なく、景況感も不透明感が増す中で高・中価格帯からの需要シフトも期待できるため、市場の落ち込みは限定的とみられる。

業務用はヘアカラーの好調と、それに合わせたトリートメントの展開強化により、2019年の市場は拡大した。しかし、2020年は理美容室の休業や消費者の来店自粛によって苦戦しており、市場も縮小するとみられる。

◆調査対象

カテゴリー別

価格帯別

低価格

中価格

高価格

・スキンケア

2,000円未満

2,000円~6,000円未満

6,000円以上

・フレグランス

2,000円未満

2,000円~5,000円未満

5,000円以上

・ヘアケア・ヘアメイク

650円未満

650円~1,000円未満

1,000円以上

・メンズコスメティックス

750円未満

750円~2,000円未満

2,000円以上

・ベースメイク

3,000円未満

3,000円~4,500円未満

4,500円以上

・ポイントメイク

2,000円未満

2,000円~3,500円未満

3,500円以上

・ボディケア

1,000円未満

1,000円~3,000円未満

3,000円以上


2020/09/03
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