PRESSRELEASE プレスリリース
血液疾患領域、予防医療・ワクチン製剤などを調査
血友病治療剤692億円(23.1%増)生物材料を使わない遺伝子組み換え製剤が伸長
予防医療・ワクチン製剤2,450億円(6.5%増)成人、高齢者への定期接種ワクチン増加
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、医師の診断に基づいて処方される医療用医薬品の国内市場を2016年から2017年にかけ、7回に分けて調査する。今回は第4回目として、産婦人科領域(5品目)、ヒト成長ホルモン剤、感染症領域(6品目)、予防医療・ワクチン製剤、甲状腺機能障害治療剤、体内診断薬、血液疾患領域(6品目)の市場を調査した。その結果を報告書「2016 医療用医薬品データブック No.4」にまとめた。
◆注目の市場
1.血友病治療剤 【血液疾患領域】
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
573億円 |
102.0% |
692億円 |
123.1% |
血友病治療剤は、生物材料を使わずに製造する感染症リスクのない遺伝子組換え製剤が実績を伸ばしている。今後は、患者の高齢化、定期補充療法による使用量の増加、インヒビター治療剤の使用量の増加などにより市場は拡大していくとみられる。また、インヒビター発生率の低さ、長時間作用型などが今後、開発の争点になると予想される。
2.予防医療・ワクチン製剤
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
2,327億円 |
101.1% |
2,450億円 |
106.5% |
予防医療・ワクチン製剤は、少子化の影響はあるものの、従来の定期接種ワクチン(日本脳炎、ポリオ、麻しん・風しん、BCG、インフルエンザ)に、2013年度からヒブ、DPT・IPV(4種混合)、小児用肺炎球菌、子宮頸がん予防ワクチンが加わり、2014年度から、水痘、成人(高齢者)肺炎球菌ワクチンが加わったことで市場が拡大している。更に、2016年度からB型肝炎ワクチンなどが加わり幼児、小児だけでなく、成人・高齢者への定期接種ワクチンが増えたことで2016年は前年比1.1%増の2,327億円になるとみられる。今後は、新たなワクチンの定期接種が加わらない限り市場は、2020年頃から横ばいが予想される。
3.肝炎治療剤 【感染症領域】
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
4,157億円 |
120.3% |
1,472億円 |
42.6% |
肝炎治療剤は、インターフェロンフリーのC型肝炎治療剤として2015年5月に発売された「ソバルディ」(ギリアド・サイエンシズ)、同年9月に発売された「ハーボニー」(ギリアド・サイエンシズ)が共に売上を急拡大させ、市場は大幅に拡大した。しかし、今後はC型肝炎治療が一巡したところで肝炎治療剤市場は縮小するとみられる。
◆調査結果の概要
1.産婦人科領域
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
703億円 |
101.2% |
781億円 |
112.4% |
産婦人科領域は、子宮筋腫・子宮内膜症治療剤と更年期障害治療剤・月経障害治療剤で市場の約60%を占めている。子宮筋腫・子宮内膜症治療剤は、2008年に「ディナゲスト」(持田製薬)が発売されて以降、同剤がけん引する形で市場は堅調に拡大している。今後は、2017年に「ディナゲスト」(持田製薬)のオーソライズドジェネリックの発売が予想されることから、市場は縮小するとみられる。しかし、2022年頃にGn-RHアゴニスト製剤が発売されるとみられ、以降の市場拡大が期待される。
2.ヒト成長ホルモン剤
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
529億円 |
100.4% |
575億円 |
109.1% |
ヒト成長ホルモン剤は、対象患者の中心が小児であるため少子化が市場のマイナス要素になっている。ここ数年は、2013年に一部製品の終売があり、2014年は薬価引き下げの影響を受けたため市場が縮小した。2015年は上位企業を中心に自己注射の際の注入器の改良やプロモーションの再構築が図られ、市場は拡大している。今後は、製品リニューアルによる単価アップにより、市場は拡大するが、根本的な患者数の増加ではないことから大幅な拡大は考えにくい。
3.感染症領域
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
8,500億円 |
106.8% |
5,552億円 |
69.8% |
感染症領域は、抗生物質と肝炎治療剤で市場の約80%を占めている。抗生物質は、耐性菌対策による適正使用の流れやジェネリック医薬品への切り替えや薬価改定の影響を受け市場が縮小している。今後は、画期的新薬や大型化が目指せる新薬の登場が期待できない状況であるため市場の縮小は続くとみられる。
4.甲状腺機能障害治療剤
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
72億円 |
110.8% |
93億円 |
143.1% |
甲状腺機能障害は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)と、甲状腺ホルモン分泌量が少ない甲状腺機能低下症(橋本病)に分けられ、バセドウ病に対しては対甲状腺薬が用いられ、橋本病に対しては甲状腺ホルモン剤が処方される。甲状腺機能障害治療剤は、2012年から2016年にかけて薬価改定による薬価の引き下げがほとんどなく、今後も現状の薬価を維持すれば、患者数の増加に伴い市場拡大が予想される。
5.体内診断薬
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
1,181億円 |
97.5% |
1,057億円 |
87.3% |
体内診断薬は、市場の中心である造影剤の処方が落ち着き、薬価改定やジェネリック医薬品への切り替えによって市場が縮小している。今後は、既存品の改良や新たな疾患分野の開拓が中心となり、当面は市場の大きな動きは見込まれず、横ばいが予想される。
6.血液疾患領域
2016年見込 |
2015年比 |
2024年予測 |
2015年比 |
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市場規模 |
3,360億円 |
100.7% |
3,540億円 |
106.1% |
血液疾患領域は、遺伝子組み換え技術によりロングアクティブ製品が相次いで発売されている血友病治療剤の伸びが大きく、他治療剤の減少を補っており、市場は微増で推移している。今後も、血友病治療剤が市場をけん引していくとみられる。その他の血液製剤・止血剤に関しては、薬価や患者数の増減の影響を受けにくいことから横ばいが予想される。また、特発性血小板減少性紫斑病治療剤が伸びるとみられる。
◆調査対象
| 産婦人科領域 | 子宮筋腫・子宮内膜症治療剤、.経口避妊薬(緊急避妊薬含む)、切迫早産治療剤・陣痛促進剤、更年期障害治療剤・月経障害治療剤、.不妊治療剤 |
| ヒト成長ホルモン剤 | − |
| 感染症領域 | 抗生物質 、HIV治療剤 、インフルエンザウイルス治療剤 、抗ヘルペスウイルス剤、抗RSウイルス剤 、.抗真菌剤 、肝炎治療剤 |
| 予防医療・ワクチン製剤 | − |
| 甲状腺機能障害治療剤 | − |
| 体内診断薬 | − |
| 血液疾患領域 | 鉄剤、血友病治療剤、その他の血液製剤・止血剤、播種性血管内凝固症候群治療剤、発作性夜間ヘモグロビン尿症治療剤、.特発性血小板減少性紫斑病治療剤 |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
