PRESSRELEASE プレスリリース

第19098号

熱を制御する放熱部材の世界市場を調査
●放熱部材の世界市場は23年に30億7,190万ドル(18年比:25.8%増)と予測

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、熱制御を目的にxEVの生産拡大や自動運転化が進む自動車分野、5Gへの移行が進む通信分野で需要が増加している放熱部材の市場を調査した。その結果を「2019年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」にまとめた。

この調査では、放熱部材(20品目)に加え、放熱フィラー(6品目)の市場を調査し、それらの用途(7品目)市場を動向・分析することで、今後を予想した。

◆調査結果の概要

■放熱部材の世界市場

【Thermal Interface Material(TIM)】

2018年の市場は6億3,680万ドルとなった。xEVの生産拡大に伴いインバーターやLiB(リチウムイオン二次電池)といった車載電装部品向けが大きく伸びている。また、5Gへの移行に伴い基地局をはじめとした通信機器向けも大きく伸びている。

【放熱基板】

2018年の市場は8億4,130万ドルとなった。自動車・産業分野向けパワーモジュールや自動車用LEDヘッドランプ用途がけん引し、市場は拡大している。2022年に市場は10億ドルに達するとみられており、このうちアルミナベース回路基板市場は自動車・産業分野向けの増加に伴い2022年に3億ドルを超すと予測される。

【放熱絶縁板】

2018年の市場は4,910万ドルとなった。窒化ケイ素白板は車載用パワーモジュールで採用されており、伸びている。また、放熱絶縁シートは家電用パワーモジュールやLED照明用途で安定的な需要を獲得しているのに加え、車載用パワーモジュールでも採用されており伸びている。

【その他放熱部材】

2018年の市場は9億1,430万ドルとなった。市場はグラファイトシートとヒートパイプで80%近くを占めている。グラファイトシートはスマートフォン向けが中心である。スマートフォンの生産は伸び悩んでいるが、高機能化に伴い1台あたりの使用量が増加していることから伸びている。ヒートパイプは主要用途であるノートPCの生産動向に連動しており、ノートPCの生産減少に伴い縮小していくとみられる。

◆注目市場

■放熱シート

2018年

2023年予測

2018年比

2億6,500万ドル

3億6,900万ドル

139.2%

シリコーン樹脂などの有機系バインダーに高熱伝導性フィラー(無機系粉末)を高密度に充填したシート状の放熱材料を対象とする。シート状であるため液状のように塗布量を管理する必要がなく、希望の箇所に貼り付けるだけで良いため作業性に優れる。

2018年の市場は2億6,500万ドルとなった。ノートPCや液晶テレビ、エアコン、洗濯機などの民生機器向けは伸び悩んでいるが、車載電装部品向けや通信機器向け、産業機器向けはxEVやADAS(先進運転支援システム)の普及、5Gへの移行などに伴い伸びている。TIM実装の自動化ニーズの高まりにより、手作業で貼るのが一般的である放熱シートから、塗布装置を導入するだけで自動化できる放熱ギャップフィラーへの切り替えの動きもみられるが、放熱シートも自動実装に対応する動きが進んでおり、今後も安定的な市場拡大が予想される。

■放熱ギャップフィラー

2018年

2023年予測

2018年比

1億2,640万ドル

2億7,870万ドル

2.2倍

有機系バインダーに高熱伝導性フィラー(無機系粉末)を高密度に充填した液状の放熱材料を対象とする。液状であるためシートを挿入できない複雑な形状の箇所にも使用できる。

2018年の市場は1億2,640万ドルとなった。液状で自動実装を導入しやすい放熱ギャップフィラーは、車載LiBを中心とした車載電装部品で自動実装ニーズが高まっていることを受け、採用が増加している。今後はxEVの生産拡大に伴い需要が増加するとみられる。また、5Gへの移行で設備投資が進む基地局やルーターといった通信機器でも自動実装ニーズが高まっており需要増加が期待される。

■窒化ケイ素ベース回路基板

2018年

2023年予測

2018年比

2,910万ドル

9,260万ドル

3.2倍

窒化ケイ素(Si3N4)基材にアルミ箔や銅箔を形成した金属張積層板にエッチングで回路パターンを形成した基板を対象とする。窒化ケイ素は灰色のセラミックスで耐熱衝撃抵抗性に優れた性質を有している。

2018年の市場は2,910万ドルとなった。自動車用パワーモジュール向けが中心である。これまでは窒化アルミベース回路基板が主流であったが、近年、強度を向上させる目的で窒化ケイ素ベース回路基板への置き換えが進んでいることから市場は拡大している。今後は、xEVの生産拡大により市場拡大が予想される。

■炭素繊維(放熱フィラー用)

2018年

2023年予測

2018年比

350万ドル

1,460万ドル

4.2倍

炭素繊維のうち、放熱フィラー(熱伝導性フィラー)として用いられるものを対象とする。

2018年の市場は350万ドルとなった。5Gへの移行により通信基地局などで放熱フィラーに炭素繊維を用いた20~30W/m・Kの高熱伝導放熱シートの需要が増加していることや、自動運転関連のECUや4K8K対応テレビなど車載向けや民生機器向けで高熱伝導放熱シートのニーズが高まっていることから、市場は拡大している。今後さらなる市場拡大が予想されるが、放熱フィラーに使用できる炭素繊維のサプライヤーが少ないこともあり供給能力が課題になるとみられる。

◆調査対象

放熱部材市場

【Thermal Interface Material(TIM)】

・放熱シート

・放熱ギャップフィラー

・フェイズチェンジシート

・放熱接着剤

・放熱両面テープ

・封止材

・放熱グリース

 

【放熱基板】

 

・放熱樹脂基板

・アルミナベース回路基板

・アルミベース回路基板

・窒化アルミベース回路基板

・銅ベース回路基板

・窒化ケイ素ベース回路基板

【放熱絶縁板】

 

・窒化ケイ素白板

・放熱絶縁シート

【その他放熱部材】

 

・グラファイトシート

・金属セラミックス複合材料(MMC)

・ヒートパイプ

・熱伝導樹脂

・ヒートシンク

 

放熱フィラー市場

・低ソーダアルミナ(放熱フィラー用)

・窒化ホウ素(放熱フィラー用)

・球状・丸み状・多面体アルミナ(放熱フィラー用)

・炭素繊維(放熱フィラー用)

・窒化アルミ(放熱フィラー用)

・アルミナナノファイバー(放熱フィラー用)

用途市場

・スマートフォン

・自動車(LEDヘッドランプ)

・自動車(インバーター)

・通信基地局

・自動車(ECU)

・産業機器

・自動車(LiB)

 

※網掛けは日本市場のみ対象


2019/11/21
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。