PRESSRELEASE プレスリリース

第20002号

自動車の内装材・剤世界市場を調査
―2030年市場予測(2018年比)―
<調査結果の概要>
■自動車用内装材・剤 1兆44億円(27.2%増)
~ 自動車室内の快適性向上ニーズの高まりにより、需要増加 ~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、自動車室内の快適性向上ニーズの高まりにより高級感や静粛性、衛生機能などが求められている自動車用内装材・剤の世界市場を調査した。その結果を「2020年 自動車室内の快適性向上技術と市場展望」にまとめた。

この調査では、視覚関連2品目、聴覚関連2品目、触覚関連4品目、嗅覚関連4品目、計12品目の内装材市場を調査・分析し、将来を展望した。また、五感訴求技術の動向についてもまとめた。

◆調査結果の概要

■自動車用内装材・剤の世界市場

自動車用内装材・剤の世界市場は2018年に7,895億円となった。自動車室内の快適性向上ニーズの高まりにより各種内装材・剤の需要は増加しており、今後も市場は拡大していくとみられ、2030年には1兆44億円(2018年比27.2%増)が予測される。

視覚関連は意匠性が重要視されており、従来、シート、インパネ、ステアリング、シフトレバーに採用されていた表皮材(繊維製品・皮革製品)が、天井材やドアトリムにも採用が進み需要が増加している。加飾フィルムはミドルクラスや軽自動車における内装の高級化やインテリアデザインの多様性を背景に伸びている。

聴覚関連は静粛性ニーズが高まっていることを受け市場が拡大している。吸音材は適用部位の広がりにより使用量が増えるとみられ、伸びが予想される。制振材は静粛性ニーズが高まっているものの、軽量化要求も多いため使用は必要最小限にとどめられている。

触覚関連は遮熱材が市場の拡大をけん引している。遮熱材は窓ガラスから入射する赤外線の低減を目的に採用が進み伸びている。また、良触感樹脂は高級車だけではなくミドルクラスにおいても需要が増加しており伸びている。

嗅覚関連は低VOC製品が市場の9割以上(2018年実績)を占めており、拡大をけん引している。また、消臭剤や抗菌剤・抗ウイルス剤が自動車室内の清潔要求の高まりから伸びている。消臭剤は生活臭やたばこ臭対策で需要が増加している。2019年は自動車の生産台数が落ち込むものの、タクシーやシェアカー市場の拡大に伴う消臭機能の需要増加により伸びるとみられる。抗菌剤・抗ウイルス剤はタクシーや女性をターゲットとした車種で需要が増加し伸びている。現状はエアコンフィルターやステアリング用途での利用がメインであるが、シート素材への採用増加による伸びが期待される。

◆注目市場

■吸音材

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

1,118億円

100.1%

1,369億円

122.6%

多孔質型吸音材であるフェルト、不織布、ウレタンフォーム、メラミンフォームを対象とする。吸音材はエンジンやタイヤなどから放射される音を閉じ込め、窒素、酸素など空気を構成する粒子の持つ運動エネルギーを熱エネルギーに変換し減音させる。吸音材は原反ないしブロックの状態から切断加工され、表皮材や遮音材と熱プレスで一体化され防音部品として車体に設置される。

自動車室内の静粛性ニーズの高まりに伴い、吸音材の適用部位が増加し、また、フロアカーペットやダッシュインナーに吸遮音性能の向上が求められており需要が増加しているため市場は拡大している。2019年は自動車生産台数が減少するが吸音材の適用部位は引き続き増加するとみられ、市場は横ばいが見込まれる。今後は、自動車生産台数の増加や、自動車室内の静粛性向上を背景に吸音材の需要は増加していくとみられ市場の拡大が予想される。また、欧州での安定した需要が市場の拡大に寄与するとみられる。

■消臭剤

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

2億円

100.0%

4億円

2.0倍

化学吸着による無機系消臭剤を対象とし、マスキング剤(芳香剤など)は対象としていない。消臭剤はシートや天井材、フロアマットなどのシート繊維に練り込んで使用する。VOC対策用途の際は、スプレー状に加工し、使用部位に散布するケースが多い。

生活臭やたばこ臭対策の需要が増加しており市場は拡大している。また、VOC対策としての需要も増加しており市場の拡大に寄与している。2019年は自動車生産台数が減少するものの、タクシーやシェアカー市場の拡大に伴い消臭機能の需要は高まるとみられ、市場は横ばいが見込まれる。中国ではVOC対策需要が増加しており、中国向けに研究開発されている消臭剤が2025年に実用化するとみられ利用が大幅に増加し、市場は拡大すると予想される。2030年以降はシェアカー市場のさらなる拡大や、自動車室内環境の快適化ニーズの高まりにより消臭剤の需要は増加するとみられ、市場の拡大が予想される。

■良触感樹脂

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

201億円

102.0%

316億円

160.4%

自動車室内の高級感・質感の向上や、意匠性の向上ニーズの高まりを背景に触感の良いソフトな素材を用いた内装部品が求められはじめている。良触感樹脂は、軟質感(柔らかさ)だけではなく、べたつき低減、さらさら感、本革のようなしっとり感などを添加剤による処方で実現したものを指し、TPU(Thermoplastic Polyurethane:ウレタン系エラストマー)、TPVC(Thermoplastic Polyvinyl chloride:塩ビ系エラストマー)、TPS(Thermoplastic Styrenic Elastomer:スチレン系エラストマー)の内装部品用途を対象とする。

2018年は、197億円となった。高級車だけではなくミドルクラスにおいても採用が増加しており、市場は拡大した。2019年は、自動車生産台数が減少しているものの、引き続きミドルクラスの車種において採用が増加しており市場の拡大が予想される。今後は内装の高級化および自動車室内の快適性向上ニーズが高まることで市場は拡大していくとみられる。2025年以降もミドルクラスの車種における内装の高級化のために良触感樹脂の採用は広がっていくとみられ拡大が予想される。

◆調査対象

内装材

視覚に関連する内装材

 

 

 

・表皮材

・加飾フィルム

聴覚に関連する内装材

 

 

・吸音材

・制振材

触覚に関連する内装材

 

 

・良触感樹脂

・ソフトフィール塗料

・断熱材

・遮熱材

嗅覚に関連する内装材

 

 

・消臭剤

・防汚剤

・抗菌剤・抗ウイルス剤

・低VOC製品(接着剤・塗料・テープ)

五感訴求技術

・高級感のある内装の演出

・衛生対策

・ライトによる快適性向上技術

・車酔い防止技術

・車室内の騒音対策

・車内センサーによる快適性向上技術

・車室内のサーマルマネージメント

 


2020/01/10
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