PRESSRELEASE プレスリリース

第23019号

サービスロボット市場を調査
オフィス・店舗などのロボットが大きく伸びる
―2030年予測(2022年比)―
■サービスロボットの世界市場 4兆1,850億円(178.5%)
ロボットの置き換えによる費用対効果の高い業務での導入が加速するほか、
複数業務への対応やデータ分析による効率化など高付加価値化も追い風となって市場拡大
●デリバリーロボット(屋外)の世界市場 1,230億円(10.7倍)
公道走行が一部許可されている米国や中国を中心に伸びる
◆ロボットプラットフォームの国内市場 350億円(43.8倍)
大企業を中心にロボットの統合管理ニーズが高まっており、2025年以降本格的な普及が進む

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、人手不足や非接触ニーズなどを背景に、世界中で需要が高まるサービスロボットの世界市場を調査した。その結果を「2023年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 サービスロボット編」にまとめた。

この調査では、医療・介護用7品目、家庭用3品目、オフィス・店舗用9品目、建設/農業/物流・搬送/ インフラ用9品目計28品目のサービスロボットと、国内における注目サービスロボット関連ソリューション1品目について現状を明らかにし、将来を展望した。

◆調査結果の概要

■サービスロボットの世界市場

 

 

2022年

2021年比

2030年予測

2022年比

全体

2兆3,447億円

127.6%

4兆1,850億円

178.5%

 

オフィス・店舗用

1,028億円

139.1%

2,478億円

2.4倍

 

建設、農業、物流・搬送、

インフラ

1兆1,294億円

130.1%

2兆 282億円

179.6%

※オフィス・店舗用と建設、農業、物流・搬送、インフラ用は全体の内数

世界的な人手不足や人件費の高騰に加え、非接触や遠隔ニーズの高まりを背景に、市場は急拡大している。特に、ロボットへの置き換えによる費用対効果が明確で導入リスクの低い業務での導入が本格化しており、2022年の市場は前年比27.6%増の2兆3,447億円となった。

今後は、引き続き費用対効果の高い業務での導入が加速するとともに、製造コストの低下による単価引き下げに伴う販売台数の増加やロボットの高付加価値化、導入・活用関連ビジネスの伸長も追い風となり、2030年に向けて普及がさらに進むとみられる。

オフィス・店舗用は、新型コロナウイルス感染症の流行以降、非接触や人手不足対応のニーズが高まっている。

2022年は、業務用清掃ロボットや配膳・下膳/配送ロボット(施設内)、棚卸しロボットが好調であった。調理工程の自動化が可能な調理ロボットも大きく伸びたことなどから、市場は前年比39.1%増となった。

2023年以降も人手不足対策やロボットを活用した業務の効率化ニーズの高まりを受け、市場は拡大すると予想される。現在好調な業務用清掃ロボットや配膳・下膳/配送ロボット(施設内)など用途に特化したロボットは、中長期的には警備や棚卸しなどの複数業務への対応が進むほか、各ロボットの稼働データの分析を通じた業務効率化など高付加価値化によって導入がさらに進み、2030年の市場は2022年比2.4倍が予測される。

建設/農業/物流・搬送/インフラ用は、いずれも人手不足と技術者不足が著しい分野であり、省人化や技術伝承の手段として導入への関心が高まっている。

2022年は、市場の6割市場を占めるドローン・無人ヘリが好調であったほか、無人農業機械や自動収穫ロボットが、日本の大手農機メーカーや海外のスタートアップ企業による新商品発売に伴って伸長した。

中長期的には、世界人口の増加による食糧需要の増加や農業人口の減少を受け、農作業の自動化ニーズがさらに高まるとともに、参入メーカーにより製品ラインアップが拡充されることから、市場は拡大するとみられる。また、デリバリーロボット(屋外)や無人農業機械、自動収穫ロボットは、グローバルで商品化や実証実験、導入が進んでおり、今後の市場拡大に寄与すると予想される。

◆注目市場

●デリバリーロボット(屋外)の世界市場

2022年

2021年比

2030年予測

2022年比

115億円

3.0倍

1,230億円

10.7倍

レーザーやセンサー、LiDARなどにより、自己位置を認識し、ボックスなどに物品を乗せて店舗や物流拠点から屋外を経由し、オフィスや自宅などへ荷物を運搬するロボットを対象とする。

一般郵便物やEC商品、フードデリバリー、医薬品など多様な商品の配送に利用されている。一部公道走行が認められている米国や中国での導入が先行している。

2022年においては市場の大部分が海外であり、非接触による配送ニーズやEC需要の増加、物流業界の人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズの高まりから伸長した。国内では改正道路交通法の成立に伴って参入メーカーによる実用化を見据えた取り組みが本格化している。

2023年は海外では引き続き、米国や中国を中心に物流関連の需要増加を受けて伸びるとみられる。国内では改正道路交通法が施行されることから、以降、郵便・物流事業者や一部の小売店、フードデリバリー業界、自治体への試験的な導入が進み、市場は本格化すると予想される。

●ロボットプラットフォームの国内市場

2022年

2021年比

2030年予測

2022年比

8億円

160.0%

350億円

43.8倍

複数のサービスロボットとの連携や統合管理機能を有するプラットフォームおよびソリューションを対象とする。コンサルティングやインテグレーション、通信インフラ環境構築などを含むイニシャルコストや、クラウドサービス利用料、保守費などのランニングコストを対象とし、ロボット本体の導入費は含まない。

新型コロナの流行による非接触ニーズの高まりや人手不足を背景としたサービスロボットの需要増加に伴って、市場は拡大している。

2022年は、ビルやインフラ向けでの清掃や警備、配膳・配送、点検業務を中心に、複数ロボットの統合管理、エレベータや自動ドアとサービスロボットの連携に関するPoC(概念実証)、本格導入が好調であったため、市場は拡大した。

大企業を中心にサービスロボットの統合管理に対するニーズは高まっているため、2025年まではPoCを中心に市場拡大が続くとみられる。2025年以降は、サービスロボットの本格的な普及が進むのに伴い市場は大幅な拡大が予想される。

●業務用セキュリティロボットの世界市場

2022年

2021年比

2030年予測

2022年比

65億円

118.2%

189億円

2.9倍

ビルや商業施設、公共施設などで警備・監視を行う自律型ロボットを対象とする。施設内を走行し、侵入者・不審者の検知や、警備員・管制センターへの通知、音やサイレンなどで威嚇を行う。監視カメラや各種センサーを搭載して撮影や録画などを行うほか、侵入者撃退用の霧噴射装置などのオプションもある。

2022年は、国内では大手警備会社が新商品やサービスを発表したことから導入が増加し好調となった。市場の8割強を占める海外ではグローバル上位メーカーが後継モデルを発売したため伸長している。

警備業界の人手不足などを背景に、今後さらに需要が高まるとみられる。現在では実証実験レベルも多いが、実績を積み重ねることで信頼性の確立やユーザーの認知度向上につながるため、2030年に向けて市場は拡大していくとみられる。

●配膳・下膳/配送ロボット(施設内)の世界市場

2022年

2021年比

2030年予測

2022年比

370億円

157.4%

605億円

163.5%

レーザーやセンサー、LiDARなどを活用して、自己位置を認識し、収納台やボックスなどに食事や物品を乗せて目的地まで屋内を自走するロボットを対象とする。

2022年は、市場の4割強を占める国内では大手飲食チェーンの大規模導入があったため、大幅に伸長した。また、海外では販路拡大や配膳・配送業務の自動化・省人化などが活性化しているため、市場は大きく拡大した。

2023年は、国内では前年の大型案件の反動を受け、一時的に縮小するとみられる。一方、海外では人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズは今後も高まっていくとみられ、活発な販促活動によるユーザー層の広がりなどに伴って伸長するとみられる。既に導入済みの施設や飲食店における更新需要が2025年頃から本格化するとみられ、市場拡大につながるとみられる。

◆調査対象

サービスロボット(28品目)

医療・介護用

・パワーアシスト・

・紫外線照射ロボット

・入浴支援ロボット

増幅スーツ

・移乗ロボット

・セラピーロボット

・手術支援ロボット

・排泄支援ロボット

 

家庭用

・家庭用清掃ロボット

・家庭用コミュニケーションロボット

・家庭用ロボット芝刈機

 

オフィス・店舗用

・業務用コミュニケーション

・業務用セキュリティ

・業務用清掃ロボット

ロボット

ロボット

・レジロボット

・テレプレゼンスロボット

・配膳・下膳/

・棚卸しロボット

・自律型受付案内ロボット

配送ロボット(施設内)

・調理ロボット

建設、農業、物流・搬送、インフラ用

・自動建設ロボット

・ドローン・無人ヘリ

・無人農業機械

・無人建設機械

・AGV

・自動収穫ロボット

・レスキューロボット

・デリバリーロボット

 

・インフラ点検ロボット

(屋外)

 

注目サービスロボット関連ソリューション(1品目)

・ロボットプラットフォーム

※ロボットプラットフォームは国内市場のみ


2023/02/17
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。