PRESSRELEASE プレスリリース

第26010号

市販薬の国内市場を調査
制酸薬や点鼻薬、しみ改善薬などが注目
― 2026年市場予測(2024年比) ―
●制酸薬 60億円(27.7%増) 2025年のプロトンポンプ阻害薬発売が貢献
●点鼻薬 90億円(25.0%増) 花粉飛散量の増加と上位企業の販売強化により拡大が続く
■市販薬の国内市場 7,289億円(3.5%増)
「医療用と同成分配合」をセールスポイントにした高価格帯製品などが伸びる

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、2025年は、CVSへの販売条件緩和、要指導医薬品のオンライン販売解禁などの改正薬機法の可決・成立、また、OTC類似薬制度見直しの議論などにより注目される市販薬の国内市場を調査した。その結果を「一般用医薬品データブック 2025-2026」にまとめた。

この調査では、17カテゴリー74品目の市販薬の市場規模推移、市場占有状況、製品トレンド状況などを捉えた。また、品目によっては市販薬の市場動向に大きな影響を与える指定医薬部外品についても市場動向を把握している。

◆注目市場

●制酸薬

制酸薬の国内市場規模

ストレスなどに起因して過剰に分泌された胃酸を中和して取り除き、胃の機能回復を促進する胃腸薬を対象とする。ストレスによる胃酸逆流だけでなく、飲み過ぎによる胸やけや胃もたれ、吐き気などの悩みを抱える人は多いことから潜在需要が大きい。しかし、未利用者の開拓が進みにくく、総合胃腸薬などへの需要流出もみられたため、2024年まで市場縮小が続いた。

2025年に胃散の分泌を抑え、胸やけ、胃痛などに効果のあるプロトンポンプ阻害薬が要指導医薬品として承認された。それに伴い発売された3製品は、展開する企業が重点製品と位置づけて販売を強化しており、要指導医薬品の取り扱い可能な店舗への配荷率も高い。また、プロトンポンプ阻害薬の登場を受けて、既存製品の販売強化を再開する動きもあり、市場は拡大に転じるとみられる。

プロトンポンプ阻害薬は医療用から転用されているが、展開する企業は医療用の使用経験のない人に対してアプローチするため、2026年以降もプロモーション活動の強化を続ける意向であり、市場は堅調な伸びが予想される。将来的に、プロトンポンプ阻害薬が第1類、第2類へとリスク区分が変更されれば、さらなる市場拡大の可能性もある。

●点鼻薬

点鼻薬市場規模

外用薬である鼻炎用点鼻薬を対象としている。薬効分類上、感冒関連用薬の耳鼻科用薬に含まれ、鼻水・鼻づまり等のアレルギー症状に対して使用される。花粉の飛散量により市場は左右される傾向にある。

2024年は前年に比べると花粉の飛散量が少なかったため市場は微減となったが、2025年は前年と比べて花粉飛散量が増えたことや、有力製品のリスク区分が第1類から第2類へ移行したこと、また、上位企業が新製品を発売し積極的なプロモーションを行っていることから、市場は前年比二桁増になるとみられる。

温暖化の影響で毎年夏場の猛暑が続いていることから花粉の飛散量は年々増えており、それに伴い花粉症患者数、点鼻薬の需要は増加が続くと予想される。

●しみ改善薬

しみ改善薬市場規模

しみ・そばかすの緩和などを効果・効能とするビタミンC主薬製剤、L-システイン製剤、トラネキサム酸製剤などを対象とする。

コロナ禍で一時需要が低迷したが、2022年以降は再び市場拡大が続いている。2024年は、前年までの急拡大の反動や一部製品が供給不足となったため市場の伸びは鈍化したが、インバウンド需要の増加やSNSを通じて若年層を中心に需要開拓が進むなどのプラス要因もみられた。

2025年は、店頭販売製品の主要ブランドが積極的なプロモーション展開によって好調である。また、インバウンド需要が継続しているほか、広告を変更したことで急激に売れ行きが伸びた通販製品があり、市場は前年比二桁近く伸長するとみられる。2026年は、店頭販売製品の好調が続くことに加え、通販製品の大幅な伸びが貢献することから、順調な市場拡大が予想される。

今後も若年男性層などの新規需要を獲得し拡大が続くとみられるが、物価高の影響を受けて、低価格なビタミンCサプリメントへの需要流出などが懸念される。

◆調査結果の概要

■市販薬の国内市場

2025年は、需要が低価格帯と高価格帯に二極化する動きがみられ、特に「医療用と同成分配合」をセールスポイントにした高価格帯製品は効果が実感しやすいなどの要因から好調で、市場拡大をけん引している。

カテゴリー別ではアレルギー用薬、ビタミン剤、胃腸・消化器官用薬、ドリンク剤、生活改善薬などが好調である。アレルギー用薬は2025年春先の花粉飛散量が多かったことから、特に点鼻薬が大きく伸びている。ビタミン剤はインバウンド需要拡大やSNSにより若年層需要を開拓しているしみ改善薬、シェア上位企業の積極的なプロモーションが奏功しているビタミンB1B6B12主薬製剤がけん引している。胃腸・消化器官用薬はプロトンポンプ阻害薬の発売が需要の活性化につながっている。

また、近年好調な漢方処方エキス製剤では、防風通聖散は伸長が続いてきた反動がみられるが、八味丸・八味地黄丸や柴胡加竜骨牡蛎湯、加味逍遥散などの需要が高まっている。市場規模の大きい感冒関連用薬は、パーソナル対応製品、高機能製品が好調である。

◆調査対象

ドリンク剤

・ドリンク剤
・ミニドリンク剤

ビタミン剤

・ビタミンB1主薬製剤
・ビタミンB2主薬製剤
・ビタミンB1B6B12主薬製剤
・しみ改善薬
・ビタミンE主薬製剤
・総合ビタミン剤
・ビタミンA・D主薬製剤

滋養強壮保健薬

・滋養強壮剤
・薬用酒
・強肝解毒栄養剤
・カルシウム剤
・造血剤

検査薬

・妊娠検査薬
・排卵日検査薬
・尿糖・尿蛋白検査薬

女性関連薬

・女性保健薬
・月経前症候群治療薬
・腟カンジダ治療薬

神経用薬

・鎮暈剤
・小児五疳薬

胃腸・消化器官用薬

・総合胃腸薬
・健胃・消化薬
・制酸薬
・鎮痛鎮痙胃腸薬
・過敏性腸症候群改善薬
・胃腸内服液
・整腸薬
・止瀉薬
・便秘薬
・痔疾用薬

オーラルケア関連用薬

・歯槽膿漏治療剤
・外用歯痛剤
・むし歯予防薬
・口内炎治療剤

漢方製剤

・漢方処方エキス製剤

感冒関連用薬

・総合感冒薬
・風邪滋養内服液
・葛根湯液
・解熱鎮痛剤
・鎮咳去痰剤
・含嗽剤
・殺菌塗布剤

アレルギー用薬

・鼻炎治療剤(内服)
・点鼻薬
・抗ヒスタミン剤

生活習慣病関連用薬

・肥満改善薬
・血清高コレステロール改善薬
・中性脂肪値改善薬
・強心剤
・内臓脂肪減少薬

外皮用薬

・鎮痒剤
・乾燥皮膚用薬
・あかぎれ用薬
・皮膚治療薬
・外用殺菌消毒剤
・救急絆創膏
・液体絆創膏
・水虫薬
・イボ・ウオノメ薬
・ニキビ用薬
・口唇ヘルペス治療薬
・外用消炎鎮痛剤

毛髪用薬

・発毛剤

生活改善薬

・禁煙補助薬
・頻尿・尿もれ改善薬
・催眠鎮静剤
・眠気倦怠防止剤
・足のむくみ改善薬

環境衛生用薬

・殺虫剤
・手指消毒剤
・哺乳瓶消毒剤

眼科用薬

・目薬


2026/2/5
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