PRESSRELEASE プレスリリース

第26055号

xEV(環境配慮型車両)向け空調の採用冷媒の構成比などを調査
― 2040年世界予測 ―
■xEV向け空調の採用冷媒の構成比(台数ベース)
R1234yfが6割を占めるが、欧州を中心に自然冷媒のR290の採用が増加
■xEV向け空調の採用コンプレッサーの構成比(台数ベース)
スクロール式が高い構成比で推移。ロータリー式や静音性に優れる次世代型にも期待

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた潮流の中、グローバルに進む冷媒のGWP(地球温暖化係数)規制などを背景に注目される、xEV(環境配慮型車両)向け空調で採用されるR1234yfやR134aなどの冷媒とコンプレッサーの世界市場を調査した。その結果を「環境配慮型車両への採用が進むヒートポンプ空調における冷媒・コンプレッサーの将来展望」にまとめた。

この調査では、xEV向け空調と、それに使用される冷媒およびコンプレッサー市場の現状を捉え、将来を予想した。また、ドローンや空飛ぶクルマなど次世代モビリティの空調関連の開発動向、xEV向け技術との関連などについても整理した。

※xEV(環境配慮型車両)は、MHV(マイルドハイブリッド自動車)、HV(ハイブリッド自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)の乗用車、トラック・バスを対象とする

◆調査結果の概要

■xEV向け空調の採用冷媒の構成比(台数ベース)

xEV向け空調の採用冷媒の構成比(台数ベース)

2025年はR134aとR1234yfで大半を占めた。R134aは、中国やインド、ASEANなど冷媒規制が実施されていないエリアを中心に採用され、2025年の構成比は5割を超えた。R1234yfは冷媒規制が進む日本や欧州、北米で乗用車を中心に採用が進んでいる。自然冷媒のR744は欧州での採用が中心である。2030年には、EVなどの生産が多い中国で、乗用車でGWPが150を超える冷媒の採用が禁止される見通しであるため、R134aからR1234yfへの移行が進み、8割以上がR1234yfになるとみられる。欧州、また中国では自然冷媒であるR744の採用増加が予想される。

2040年には、欧州ではPFAS規制に伴い、R1234yfの採用減が予想される。自然冷媒の採用が増加し、中でも圧力が低いR290の採用の大幅な伸びが期待される。R1234yfは、特許切れによる低価格化が想定され、中国やインドをはじめ、欧州以外では引き続き主要冷媒として採用されるため、6割以上を占めるとみられる。EVの航続距離延長を実現するため、R1234yfは単体としてよりも、空調性能が高められる混合冷媒の採用増加が予想される。また、北米でもR1234yfを中心とした採用が続くとみられる。


■xEV向け空調の採用コンプレッサーの構成比(台数ベース)

xEV向け空調の採用コンプレッサーの構成比

xEV向けコンプレッサーは、稼働時に発生する騒音に対応できる、静音性の高いスクロール式が採用されることが多く、現状は9割以上を占めている。ロータリー式は、部品点数が少なく、スクロール式より低価格なことが利点だが、稼働時に発生する騒音が大きい。そのため、現状は中国やインド、欧州の低価格帯車両での一部採用にとどまっている。しかし、自動車メーカーにとって低コストは魅力なため、静音性が向上されれば、採用増加が期待される。

スクロール式が中心の構図が続くものの、低価格であり、自然冷媒用としての開発が重視されているロータリー式の採用も増えるとみられる。欧州や中国ではロータリー式の採用が急増し、2040年には2割弱を占めるとみられる。また、日本の一部コンプレッサーメーカーは、スクロール式よりも静音性に優れる次世代型コンプレッサーを開発しており、2029年頃の量産化を計画している。需要増加に伴い、コンプレッサーメーカー各社による次世代型の展開が進むと、2040年には大幅な採用増が予想される(次世代型は、上記グラフのその他に含む)。

◆調査対象

xEV(環境配慮型車両)
・MHV(マイルドハイブリッド自動車)
・HV(ハイブリッド自動車)
・PHV(プラグインハイブリッド自動車)
・EV(電気自動車)
・FCV(燃料電池自動車)
 上記の乗用車、トラック・バス

 

関連機器
・空調機器/設備
・冷媒
・コンプレッサー


2026/5/20
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