PRESSRELEASE プレスリリース

第26073号

一次電池と二次電池の世界市場を調査
― 2040年市場予測(2024年比) ―
●リチウムイオン二次電池(大型用途) 63兆2,550億円(3.5倍)
EVやESS向けを中心に、建設機械や産業車両、船舶など幅広く普及が進む
●固体リチウムイオン二次電池 3兆5,435億円(26.1倍)
2030年前後の車載向け全固体電池本格化により、市場拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、EVの普及やカーボンニュートラル実現に向けたエネルギー貯蔵目的などで伸びる二次電池や、新興国の家電リモコンでの利用増加や、耐熱性、安全性、低コスト性を活かした測定機器のほか、医療機器などで伸びる一次電池の世界市場を調査した。その結果を「2026 電池関連市場実態総調査」にまとめた。

この調査では、一次電池6品目、二次電池10品目を対象に、電池市場の現状を明らかにし、将来を展望した。中でも、市場規模の大きい大型用途のリチウムイオン二次電池と、今後の注目が集まる固体リチウムイオン二次電池は詳細に市場の動きを捉えた。

◆注目市場

●リチウムイオン二次電池(大型用途)

リチウムイオン二次電池(大型用途)

EVやその他モビリティ、ESS(電力貯蔵システム)などの大型用途向けのリチウムイオン二次電池(LiB)を対象とする。

世界的にEVやESSの普及が進んでおり、市場が拡大している。2025年はEVの伸長鈍化が懸念されたものの、底堅い伸びがみられた。2026年の市場は31兆4,738億円が予測される。

今後は、主要自動車メーカーによるEV新車発売や、中国におけるEVの順調な普及で、EV向けを中心に引き続き伸長が予想される。また、カーボンニュートラル実現の観点や、自動運転やSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)などの機能もEV普及を後押しし、EV用途が市場拡大をけん引するとみられる。2030年以降は、電動自動車に加え、再生可能エネルギーのさらなる普及に伴う家庭や産業/系統・再エネでのESSの需要が高まるほか、LiBコストの低下や環境規制強化を受けて、建設機械など産業車両や船舶を中心に電動化が進むとみられ、引き続き市場拡大が予想される。

●固体リチウムイオン二次電池

固体リチウムイオン二次電池

電解液の一部、または全部を固体電解質に置き換えたリチウムイオン二次電池(LiB)を対象とする。

2023年以降、中国では車載向けやESS向けで酸化物系半固体LiBの実用化が進んでいる。日本でも耐熱性の高さを活かし、FA機器向けの硫化物系小型全固体LiBの実用化が進展しており、市場を押し上げている。

自動車メーカー各社は、全固体LiB搭載EVの実用化計画を発表しており、2027年以降、日本や中国、韓国を中心にグローバルでの展開が予想され、2030年前後には車載向け全固体LiBの採用が本格化することから、今後も高い伸びが予想される。市場投入初期段階では、液系LiBよりも高価格であることから、高級EVで採用されるとみられるが、生産量の増加に伴って普及価格帯EVや物流用ドローン、港湾トラクターなどでの採用も増えると予想される。また、2030年代後半には、高電位正極活物質や高容量負極活物質を取り入れ、高エネルギー密度化が進むことも予想され、2040年に向けて市場は大幅に拡大するとみられる。

◆調査結果の概要

■電池の世界市場

電池の世界市場

2026年の一次電池の市場は、1兆3,982億円が予測される。電池の交換頻度が少ない用途では、低コストかつ信頼性が高い一次電池の需要が根強い。新興国では家電製品の増加に伴うリモコン需要が増え、先進国でもスマートスイッチやスマートロックの需要が増えているため、それらに使用される乾電池需要が伸びている。自動車用途では、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)やキーレスエントリーの搭載が増え、採用される二酸化マンガンリチウム電池(コイン)が伸長しているほか、CGM(持続グルコースモニタリング)装置やインスリンポンプといった医療機器での採用で伸びる酸化銀電池も市場拡大に貢献する。

今後は、電化製品の高機能化に伴って消費電力が増加することなどから、二次電池への代替が進むと予想され、市場は縮小するとみられる。企業淘汰や再編が進むが、医療機器やセンサーなどで使用される高価格電池の需要は続くことから、参入電池メーカーの収益性向上が期待される。


二次電池は、市場が大きく拡大している。2025年に一時的にEVの伸長鈍化がみられたものの、車載需要は底堅く、今後も伸びが期待される。また、蓄電所や再生可能エネルギー設備、AIデータセンター関連に設置するESS向けが急伸している。

今後は、これらに加え、エネルギー密度の向上などによって、eVTOL(空飛ぶクルマ)やロボット、HAPS(高高度プラットフォームステーション)など新たなモビリティや用途への展開が予想され、2040年の市場は2024年比2.8倍が予測される。

◆調査対象

一次電池
・乾電池(アルカリマンガン乾電池、アルカリボタン電池、マンガン乾電池)
・酸化銀電池
・二酸化マンガンリチウム電池(コイン・円筒)
・塩化チオニルリチウム電池
・空気亜鉛電池

二次電池
・リチウムイオン二次電池(大型・小型用途)
・リチウム二次電池(コイン)
・ニッケル水素電池(大型・小型用途)
・固体リチウムイオン二次電池(半固体・全固体)
・ナトリウムイオン二次電池
・鉛蓄電池
・レドックスフロー電池
・その他次世代電池


2026/7/14
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