PRESSRELEASE プレスリリース

第19110号

メカトロニクスパーツ(FA設備の構成部品)の市場を調査
米中貿易摩擦の影響による設備投資の抑制などから2019年は前年割れ
―2019年見込(2018年比)―
■メカトロニクスパーツ市場 1兆8,939億円(10.4%減)
~2018年前半までの好調から一転して2019年は低調。2020年以降徐々に回復へ~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、FA設備の構成部品であるメカトロニクスパーツの市場を調査した。その結果を「2019年 注目メカトロニクスパーツ市場実態総調査」にまとめた。

この調査では、コントローラー領域6品目、ドライブ領域8品目、メカニカル領域4品目、センサー領域7品目、受配電機器領域5品目の市場の現状を分析し、将来を予想した。なお、市場は国内市場+日系メーカー海外実績とした。

◆調査結果の概要

■メカトロニクスパーツ市場(国内市場+日系メーカー海外実績)

2017年から2018年前半にかけて工作機械、半導体・液晶製造装置の需要が急増したことにより、装置メーカー、部品メーカーの受注は生産能力を上回るほどの好調となった。2018年後半に入ると半導体・液晶関連市場の停滞や、米中貿易摩擦の影響を受けた世界的な設備投資抑制によってメカトロニクスパーツの需要も減少したが、前半の実績や受注残の消化により、2018年の市場は2017年比1.7%増の2兆1,149億円となった。

2019年は米中貿易摩擦の出口が不透明であることから、工作機械や半導体・液晶関連だけでなく、一般産業機械も含めた製造業全体で設備投資が抑制されており、2018年比10.4%減の1兆8,939億円が見込まれる。2020年以降徐々に回復に向かうとみられ、2022年の市場は2兆995億円が予測される。

市場環境が厳しい中で、参入メーカーは従来のコンポーネンツ販売から、関連製品をパッケージ化したシステム提案、コンサルティングまで含めたソリューション展開など、ビジネスモデルの変革を進めている。製造業のデータ活用拡大に対応した製品・サービスの拡充、M&Aによる先端技術の取り込みも図られており、デジタル化・IoT化に向かう世界の潮流への対応を強化している。

領域別にみると、ドライブ領域の市場構成比が大きいが、2019年はACサーボモーターやACサーボドライバーなどの需要減少が影響し2018年比13.6%減と大きく落ち込むとみられる。また、プログラマブルコントローラーやCNC装置が不調だったコントローラー領域や、リニアガイドやボールねじの需要減少が目立つメカニカル領域も2018年比10%弱の市場縮小が見込まれる。一方、センサー領域の固定式コードリーダー、受配電機器領域の産業用配線用遮断器や産業用漏電遮断器は2018年比プラスが見込まれる。

日系メーカーの海外実績エリア別の状況をみると、中心となるのは中国である。「中国製造2025」に代表されるように、自国製造業の活性化を推進し、半導体や二次電池など先端製品の生産にも意欲的であるが、米中貿易摩擦の影響などにより2019年の需要は低迷している。また、中国市場への依存度が高い欧州や東南アジアも、2019年の市場は低調である。韓国・台湾はエレクトロニクス業界の世界的企業が多数存在し、日系メーカーの主要顧客も多いが、韓国については日韓関係の悪化がマイナス要因となっている。北米は中国市況の影響を受けにくく、独立した市場トレンドを持っているため、日系メーカーにとって魅力的なエリアとなっている。インドは中国に次ぐ人口規模を誇り、また「メイク・イン・インディア」政策により外国資本の誘致に積極的であるため、ネクストチャイナとして注目度が高まっている。

◆注目市場

●プログラマブルコントローラー(PLC)

 

2019年見込

2022年予測

2019年見込比

国内市場

1,046億円

1,126億円

107.6%

日系メーカー海外実績

852億円

958億円

112.4%

合 計

1,898億円

2,084億円

109.8%

PLCは産業用コントローラーの代表的存在であり、主に工場などのFA設備の制御に使われている。

2018年前半までは前年からの好調を維持していたものの、後半に入り減速したため、2018年の市場は縮小となった。主な要因として、スマートフォン需要の一服感を背景とした半導体、液晶パネル、電子部品、工作機械、EMS関連の設備投資抑制のほか、米中貿易摩擦の影響の様子見から広範な製造装置において需要が減少したことがあげられる。2019年に入っても状況は好転しておらず、回復要因に乏しい状況が続いている。直近の設備投資は極限まで絞り込まれているが、徐々に緩和されることで市場は緩やかに回復していくとみられる。

●ACサーボモーター

 

2019年見込

2022年予測

2019年見込比

国内市場

1,247億円

1,408億円

112.9%

日系メーカー海外実績

638億円

760億円

119.1%

合 計

1,885億円

2,168億円

115.0%

サーボモーターとは、サーボ機構において位置、速度などを制御する用途に使用するモーターであり、大きくACタイプとDCタイプに区分される。ここでは様々なFA設備に使用されるACタイプを対象とする。

2018年は前半まで好調であったが、後半になるとけん引役である中国製造業の低迷による設備投資の減速、さらに米中貿易摩擦の影響による半導体、自動車を中心とした市況悪化などから通期では微減となった。2019年は中国を中心に海外需要の減少が大きく、市場は2018年比20%を超える縮小が見込まれる。半導体・液晶製造装置、工作機械、ロボット・実装機・組立機械などの市況回復が進んでおらず、5G関連設備向けの採用は期待できるものの市場の落ち込みをカバーするには至らないため、当面は低調な市場推移が予想される。

◆調査対象

コントローラー領域

・プログラマブルコントローラー

・産業用コンピューター

・温度調節計

・プログラマブル表示器

・モーションコントローラー

・CNC装置

ドライブ領域

・ACサーボモーター

・ダイレクトドライブモーター

・三相インダクションモーター

/ドライバー

・産業用ステッピングモーター

・産業用ギアードモーター

・リニアサーボモーター

・汎用インバーター

・産業用PMモーター

メカニカル領域

・単軸アクチュエーター

・リニアガイド

・カップリング

・ボールねじ

 

 

センサー領域

・固定式コードリーダー

・レーザー変位センサー

・ロータリーエンコーダー

・光電センサー

・近接センサー

 

・ファイバーセンサー

・リニアエンコーダー

 

受配電機器領域

・産業用配線用遮断器

・コンタクタ

・スイッチング電源

・産業用漏電遮断器

・電力調整器

 


2019/12/13
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。