PRESSRELEASE プレスリリース

第24038号

パワー半導体向けウエハーの世界市場を調査
― 2035年市場予測(2023年比) ―
■パワー半導体向けウエハー  1兆763億円(4.7倍)
パワー半導体の需要増加に伴い市場拡大。量産に向けウエハーの大口径化が進む
2025年以降に酸化ガリウムやダイヤモンドウエハーの市場が立ち上がる

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、自動車の電動化などでパワー半導体需要の急増が予想され、それに向けて大口径化が進むパワー半導体向けウエハー市場を調査した。その結果を「パワーデバイス向けウエハー市場の最新動向・技術トレンド」にまとめた。

この調査では、パワー半導体向けウエハー8品目について最新の市場を調査し、将来を展望するとともに、ウエハーメーカー5社について販売動向や開発動向をまとめた。

◆調査結果の概要

■パワー半導体向けウエハーの世界市場

パワー半導体向けウエハーの世界市場

2024年の市場は前年比23.4%増の2,813億円と見込まれる。シリコンパワー半導体の在庫調整によりシリコンウエハーが前年を下回る一方、SiCベアウエハーは主要メーカーが生産能力を増強したことなどから前年比56.9%増でシリコンウエハーの規模を上回るとみられる。

2025年以降は、パワー半導体の需要増加に比例して市場拡大していくと予想される。自動車の電動化による需要増加でSiCベアウエハーが長期的に市場をけん引し、シリコンウエハーも生産調整の影響から脱するとみられる。さらにGaNウエハーの大口径化が進むことや、酸化ガリウムウエハーの量産開始といった上乗せもあり、2035年の市場は2023年比4.7倍の1兆763億円と予測される。市場はまだ顕在化していないものの、化合物ウエハーではダイヤモンドウエハー、窒化アルミニウムウエハー、二酸化ゲルマニウムウエハーなどの開発が進められており、実用化が期待される。

■ウエハーの口径別構成比

ウエハーの口径別構成比

構成比は枚数ベースで算出している。近年はパワー半導体の需要増加に伴いウエハーの大口径化が進んでいる。シリコンウエハーは12インチ化が進んでいるほか、SiCベアウエハーは2025年以降に8インチウエハーの市場が本格的に立ち上がるとみられる。また、GaNウエハーや酸化ガリウムウエハーでは、パワー半導体の量産に向けて6インチウエハーの開発が進められている。

シリコンウエハーは、8インチウエハーが多くの産業分野などで採用され、今後も6割以上を占めるとみられる。12インチウエハーはIGBTやMOSFETでの採用が進んでおり、自動車・電装分野の需要増加に伴って採用がさらに増えるとみられる。将来的には特定のデバイスを除き8インチと12インチが採用されることが予想される。

SiCベアウエハーは6インチが大半を占める。今後もこの構造が続くとみられるが、現在開発・サンプル出荷が進められている8インチウエハーの市場が2025年以降顕在化し、2035年には13.3%の構成比を占めると予測される。4インチは中国など一部エリアでの展開に留まり、今後縮小が予想される。

◆調査対象

パワー半導体向けウエハー 
・シリコンウエハー
・SiCベアウエハー
・SiCエピウエハー
・GaNウエハー
・酸化ガリウムウエハー
・ダイヤモンドウエハー
・窒化アルミニウムウエハー
・二酸化ゲルマニウムウエハー

※窒化アルミニウムウエハー、二酸化ゲルマニウムウエハーは市場規模を算出していない

ウエハーメーカー動向
・パワー半導体向けウエハーメーカー 5社

2024/4/17
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