PRESSRELEASE プレスリリース

第17016号

太陽電池関連機器・システム、関連サービス市場を調査
−2030年度市場予測(2015年度比)−
O&Mサービスの国内市場サービスの拡充により需要が増加1,020億円(3.5倍)
見える化システムの国内市場監視機能に絞ったシンプルで安価なシステムが好調792億円(3.6倍)

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、環境対策が推し進められる中、グリットパリティの達成が目前で再び世界的に注目が高まっている太陽電池および太陽光発電関連市場を調査し、その結果を報告書「2017年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた。

この報告書では川上から川下までの一連のバリューチェーン分析を通して、太陽光発電に関連するビジネスを俯瞰的に捉え、製造技術の確立状況や部材、原材料の供給体制、太陽電池および周辺機器の需給バランスなどを複眼的に分析した。世界市場調査では太陽電池および関連機器、部材・原料など8品目、国内市場調査では太陽電池、関連機器に加え、関連システムやO&Mサービスなど8品目について現状を明らかにし、将来を予測した。

◆調査結果の概要

太陽電池市場は2000年代後半から欧州で拡大し、米国、中国、そして東南アジアやインド、中東、アフリカなど様々な国や地域に普及が進んでいる。2016年11月に「京都議定書」に代わる温暖化対策など気候変動に関する国際的な枠組みである「パリ協定」が発効され、持続可能性があり、再生可能エネルギーが既存の系統電力と発電コストの面で同等になるグリットパリティの達成が目前である太陽光発電に対する注目が高まっている。一方、日本国内では、2012年度に始まったFITによる特需が2015年度にピークを迎えた。太陽光発電所の新設は、大型案件の着工を残すものの、今後は運用の段階へと進み、運転管理業務など関連サービスの成長が期待される。

太陽電池モジュール

【世界市場】 中国、米国以外の、新興地域へと需要地が拡大



太陽光発電は、中国、米国、英国が市場をけん引してきた。世界の電力需要は年々増加しており、今後はインドやASEANなどのアジアや、中東・アフリカ、南米などでも市場が拡大していくとみられる。また導入価格の低下により、グリットパリティを達成する地域の増加が予想され、太陽光発電の普及がより一層進むとみられる。

【国内市場】 自家消費、長期運用に向けてO&Mサービス市場が拡大



日本国内では、2012年度にFIT制度が始まり、非住宅用市場が急速に拡大した。FITによる特需は2015年度にピークを迎え、2016年度は市場の縮小が見込まれる。今後はFITをベースとした太陽光発電所の設置から、発電事業・エネルギーサービスを主とする運用へと移行が進み、運転管理業務、維持管理業務を行うO&Mサービスなどの需要が増加していくとみられる。今後は自家消費を想定したパッケージやソリューションの提案も増えるとみられる。

◆注目の国内市場

1.蓄電システム(定位置型蓄電システム)

2016年見込
2030年予測
2015年比
蓄電システム
(定位置型蓄電システム)
456億円
2,879億円
6.0倍
太陽光発電システム
併用比率
81.1%
92.2%
−

※住宅用および業務・産業用の蓄電システムを対象とする

定置型蓄電システムは住宅用が市場をけん引している。2016年度は補助金の打ち切りや新制度への移行を受けて、市場の縮小が見込まれる。住宅用を拡大させるための課題としては、低価格化や深夜電力の活用以外の導入メリットを見出し、投資回収年数を短縮させることが挙げられる。2019年度には2009年度より実施されているFITにおける住宅用太陽光発電システムからの余剰電力買取期間が終了する世帯が出てくる(2019年問題)ため、こうした世帯が蓄電システムを導入し、日中貯めた電力を夜間に利用するなど自家消費が進むため、2019年頃より市場は再び大きく拡大するとみられる。

2.O&Mサービス

2016年見込
2030年予測
2015年比
市場規模
374億円
1,020億円
3.5倍

太陽光発電システムが稼働した後に行う運営・保守サービスであり、発電量の管理や法定点検、緊急時の電気工事対応、草刈りや除草、太陽電池モジュールの掃除などのサイト管理など多岐に渡る。市場はサービス利用料とする。

O&Mサービスは主に非住宅用太陽光発電システムで採用されており、法定点検が必要な50kW以上の高圧設備では全てが対象となるが、建設案件が今後縮小することで新規導入が減少するとみられる。2017年4月から施行される改正FIT法では、太陽電池の適切な保守・運営が義務付けられるとみられ、今後はO&Mサービスの内容拡充により需要が増加するとみられる。また発電・売電事業の効率を高めるためのサービスの拡充も期待される。

将来的には新設・既設案件全てにおいて採用が進むとみられ、サービスの効率化や省人、省力化の推進のほか、ドローンやコンパクトモビリティ、AIによるビッグデータ分析なども導入されると予想される。

3.見える化システム(産業用モニタリングシステム)

2016年見込
2030年予測
2015年比
市場規模
257億円
792億円
3.6倍

O&M業務の効率改善に向け、太陽光発電システムのトラブルを未然に防ぐ、または不具合を検知するためのモニタリングシステムを対象とする。市場はハード(センサー、データ収集装置、モニタなどの機器の初期費用)とソフト(サービス利用料、通信費など)とした。

発電事業など大型案件では、監視すべき太陽光パネルやパワーコンディショナ(PCS)などの数が多く、マンパワーのみで不具合を検知するのは非効率であり、効率的な運用のためにはモニタリングシステムが必要不可欠である。低圧案件では見える化システムを導入することでコストアップとなり売電収入が減少することや法定点検の義務がないことが影響し普及率は低調であるが、発電設備の設置件数は低圧案件が最も多いため、監視機能に絞ったシンプルで安価、設置工事も簡易といったサービスをラインアップするベンダーも増加している。

発電所の新設件数は減少していくものの、今後はシステム価格の低下やPCSの遠隔制御機能搭載の義務化などにより市場は堅調に拡大していくとみられる。

◆調査対象

世界市場 太陽電池、単結晶/多結晶、シリコンインゴット・ウエハ、耐熱炭素材料(ルツボ・耐熱構造材・断熱材・ヒーター等)、スライス材料 (スチールワイヤ、ダイヤモンドワイヤ)、製造技術、バックシート、封止材、電極技術(銀ペースト/アルミペースト/銅ペースト・粉体)
国内市場 太陽電池、住宅用太陽光発電システム、非住宅用太陽光発電システム、パワーコンディショナー、見える化システム、架台、O&Mサービス、蓄電システム

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/02/24
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