PRESSRELEASE プレスリリース

第19084号

自家消費型電源として活用が広がる
太陽電池関連技術・注目ビジネス市場を調査
―2030年度予測(2018年度比)―
■自家消費型太陽光発電システム国内市場7,694億円(4.7倍)
~ESG投資や電気料金コストの低減などを目的に非住宅用が好調に推移~
■卒FIT電気(余剰電力買取サービス・預かりサービス)国内市場409億円
~再生可能エネルギーとして環境価値が高く、買取単価が上昇し、市場が拡大~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、2019年11月以降、順次買取契約を終える卒固定価格買取制度(FIT)電気の活用に注目が集まる太陽電池および太陽光発電関連市場を調査した。その結果を「2019年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた。

この調査では、川上から川下までの一連のバリューチェーンや、太陽電池・周辺機器および太陽光発電に関連するビジネスを明らかにした。また、FITからの自立と自家消費型太陽光発電市場の今後の方向性を分析し、将来を展望した。国内市場調査では太陽電池・周辺機器5品目、太陽光発電システム2品目、設置形態別・アプリケーション4品目、ストック向け注目ビジネス6品目を、世界市場調査では太陽電池および高付加価値・特殊型太陽電池、インゴット・ウエハー製造技術4品目、セル・モジュール部材4品目の動向を捉えた。なお、世界市場は年次(年)、国内市場は年度で算出している。

◆調査結果の概要

■自家消費型太陽光発電システム国内市場

市場は、パリ協定の発効により世界的な脱炭素化の取り組みが拡大し、ESG投資への注目が高まったことや、電力系統側での電気料金の上昇、太陽電池の価格下落による発電コストの低下、FITに基づく買取価格の減額などを受けて、拡大している。市場の先細りが避けられないFIT売電型に代わって、自家消費型が伸長するとみられる。

住宅用は、ZEHの普及や蓄電システムを導入する住宅の増加により、自家消費型の市場が拡大している。非住宅用は、ESG投資を進める企業の環境戦略や、電気料金コストの低減などを目的に需要増加が期待され、2023年度から2024年度頃には半数が自家消費型になるとみられる。

■太陽電池国内市場

市場は、FITによって需要が形成されてきたが、同制度のインセンティブ低下を受けて2015年度に金額ベースでは縮小した。2018年度は、FIT改正法による認定遅延や事業者側の対応などで混乱が生じていた低圧案件が好調に推移したことや、未稼働案件の認定期限が迫っている高圧・特高案件が駆け込み需要により伸長したことから、出力ベースでは前年度比で伸びた。2019年度も引き続き高圧・特高案件の駆け込み需要が増加するとみられる。2021年度以降、未稼働認定案件の着工一巡に伴い、低圧や高圧・特高案件は大幅な縮小が予想される。

■太陽電池世界市場

※結晶シリコン(単結晶、多結晶)、薄膜シリコン、CI(G)S、CdTeを対象とする

市場は、これまでけん引してきた中国の需要が2018年の政府による導入抑制政策により落ち込んだものの、米国、インド、日本において一定の大きな需要があることや、オーストラリアやドイツなどでは需要が増加しているため、出力ベースでは伸び率は鈍化するものの拡大していくとみられる。

金額ベースでは中国メーカーの価格競争により結晶系太陽電池の単価が下落し、2018年は縮小した。単価は底値に近づいているとみられるが、市場はゆるやかな縮小が続くとみられる。

長期的には中国で価格競争から変換効率の向上による高付加価値化への転換を目指すメーカーが増加していることや、世界で再生可能エネルギーへの投資が増加していることから需要拡大が期待される。

◆注目市場(国内市場)

●卒FIT電気(余剰電力買取サービス・預かりサービス)

2019年度見込

2018年度比

2030年度予測

2018年度比

40億円

-

409億円

-

FITの買取期間を終えた、太陽光発電による余剰電力の買取サービスと、余剰電力の預かりサービスを対象とする。

2019年11月より、余剰電力買取サービス市場が形成され、2020年度以降拡大していくとみられる。蓄電システムやエコキュートなどの機器の新規導入が進んでいるため、買取対象の電力量は、FITにおける売電時よりも少なくなる可能性がある。余剰電力の買取単価は、日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格を目安とする企業が多いが、卸電気と異なり卒FIT余剰電力は再生可能エネルギーとしての環境価値を含むため、割高な買取単価を提示する企業もみられる。近年は脱炭素化に取り組む企業が急増し、再生可能エネルギーは供給不足となっているため、当面は高い買取価格を維持するとみられ、市場拡大が期待される。

●第三者所有モデル(PPAモデル、リース)

2019年度見込

2018年度比

2030年度予測

2018年度比

43億円

2.9倍

1,382億円

92.1倍

顧客が初期投資なしで太陽光発電システムを建物、屋根などに設置し、発電した電気を自家消費することのできる事業モデルを対象とする。事業者が利用者と電力供給契約(Power Purchase Agreement)を結び、導入した太陽光発電システムで電力を供給する“PPAモデル"と、自家消費型太陽光発電を定額で貸与する“リース"がある。

自家消費型太陽光発電システムを第三者が所有する事業モデルは、FITによる売電と電力系統からの買電との価格差がなくなった2017年度以降、本格的に市場が形成された。第三者所有モデルへの関心が高まった背景には、太陽光発電の導入費低減により収益向上が期待されることや世界的な脱炭素トレンドによる再生可能エネルギーの需要が増加したことなどがある。太陽光発電システムは初期費用の負担が大きいことから、依然として住宅、非住宅ともに普及率は低く、PPAモデルをはじめとする第三者所有モデルは太陽光発電の普及加速に向けた取り組みとして、今後の市場拡大が期待される。

◆調査対象

国内市場

太陽電池・周辺機器

・太陽電池

・架台

・パワーコンディショナー

・蓄電システム

・遠隔監視システム

 

太陽光発電システム

・住宅用太陽光発電システム

・非住宅用太陽光発電システム

設置形態別・アプリケーション

・第三者所有モデル(PPAモデル、リース)

・車載用太陽電池

・営農型(ソーラーシェアリング)

・ソーラーカーポート

 ストック向け注目ビジネス

・卒FIT電気

(余剰電力買取サービス・預かりサービス)

・パネル洗浄サービス

・パネル点検

・P2P電力取引

・リサイクル・リユース・適正処理

・O&Mサービス

 

世界市場

・太陽電池

・高付加価値・特殊型太陽電池 ※太陽電池の内数

 

・N型結晶シリコン太陽電池

・フレキシブル太陽電池

 

・ダブルガラス太陽電池

・建材一体型太陽電池(BIPV)

 

・両面受光型太陽電池

・電子機器組込型太陽電池(EIPV)など

インゴット・ウエハー製造技術

・シリコンインゴット/ウエハ-

・ダイヤモンドワイヤー

・炭素材料

・製造装置(ワイヤーソーなど)

セル・モジュール部材

・バックシート

・電極ペースト(銀ペースト)

・封止材

・インターコネクター(セル接続材料)


2019/10/15
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。